ブルース・ブラザース(The Blues Brothers)のネタバレ解説・考察まとめ
『ブルース・ブラザース』(The Blues Brothers)は、1980年にジョン・ランディスが監督した、同名のR&B・ブルース音楽バンドを題材にしたアメリカ映画。主演はコメディアンのジョン・ベルーシとダン・エイクロイド。悪ガキだった二人が孤児院の存続のためにバンドで金を稼ぐ痛快コメディミュージカル映画。
ジョンリー・フッカーの登場
この映画には非常に豪華なキャストが出演しているが、その象徴となるのがこのジョンリー・フーカーが本人役で路上ミュージシャンとして登場しているこのシーン。ジョンリー・フッカーは「キング・オブ・ブギ」とも呼ばれるブルースの名手で、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」にも選ばれているほどのスーパー・アーティストだ。そんな彼だが、なんとこの映画ではこの路上アーティストとしてのシーンにしか登場しない。これはブルース・ブラザースという映画の持つパワーを如実に示していると同時に、それだけ豪華なキャストを端役で使えてしまえるという勢いのよさも象徴している。
クライマックスの「監獄ロック」
この映画のラストシーンは、ブルース兄弟率いるブルース・ブラザース・バンドが刑務所内でエルビス・プレスリーの「Jailhouse Rock」(監獄ロック)を演奏するシーンで締めくくられる。最初こそ観客の囚人も呆気に取られて怪訝な顔をしているが、次第に盛り上がってきて、最後には刑務所を騒がすビッグライブになってしまい、刑務官が総出動する羽目になって終了する。これは最初こそ勢いについていけないものの、後半に映画のパワーに飲まれて盛り上がらざるを得ない視聴者を比喩しているとも取れる。
また、この映画の最初はジェイクが刑務所から出てくるところから始まるため、この映画は刑務所に始まり刑務所に終わる映画でもあることがこのシーンからわかる。
『ブルース・ブラザース』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
豪華キャストや笑えるストーリーで大人気を誇り、伝説の映画となっているこの映画だが、実は物語的には大きく破綻している。
実は、そもそも孤児院に固定資産税はかからないため、立ち退きを迫られることがありえない。だが、この事実は「物語の中の正しさをうまく視聴者に理解させている」という物語構築上での好い例として頻繁に取り上げられており、むしろプラスイメージな話題としてファンの間で語り継がれている。