Genesis(ジェネシス)の徹底解説まとめ
英国出身の代表的プログレッシブ・ロックバンドグループ。5大プログレッシブ・ロックバンドの一つと言われる。1967年に結成。結成当時のリードボーカルは、ピーター・ゲイブリエルだったが、1975年に脱退。その後に、フィル・コリンズがリード・ボーカルを担当するようになってから、世界的スーパー・ロックバンドへと変貌した。2008年以降、事実上の活動停止状態。2010年、ロックの殿堂入りをしている。
Los Endos
アルバム「Trick of The Tail」より。
フィルが小刻みに奏でるシンバルのリズムに、バンクスのシンセサイザーが音を重ねていく形で始まるこの曲は、Genesisの代表的なインストルメンタル曲で、未だにライブでも一曲丸ごと演奏するほど。
Genesisのライブでの見もの一つとして、インストルメンタルでのフィルとチェスター・トンプソンのツイン・ドラムが挙げられるが、よくこれだけ小刻みなリズムとスピードを保って二人で合わせられると驚愕してしまう。リズム系楽器のツイン・プレイは非常に珍しい上に、非常に複雑な編曲が多いプログレッシブ・ロックではほぼ皆無である。フィル・コリンズとチェスター・トンプソンの腕前を証明できる一つの証である。
Afterglow
アルバム「Wind & Wuthering」より。
アルバムのクロージングに使われたこの曲は、ライブでの旧曲メドレーでのクロージングにも使われている。
フィルの伸びやかな歌声が特徴のこの曲は、トニー・バンクスによるとセカンドトラックの「One For The Vine」派生したものだとの事。
Follow You, Follow Me
アルバム「…And Then There Were Three…」より。
全英シングルチャートで7位と、初のトップ10入りを果たしたこの曲は、評論家、ファン双方から、「Genesisのポップ路線への転換点」と位置づけられることが多い。今までの英国文学的リリックを一切排し、メロウなラブソングに仕立て上げている点も、そういった評価に疑いを持たない。しかし、ただ単にポップな楽曲と言う訳では無く、スキルフルなラザフォードのギターリフと、バンクスの冴えわたるキーボード演奏の妙が絶妙のアンサンブルを奏でる、プログレッシブ・バンドの雄としてのテクニックが光る一曲でもある。
余談だが、メンバーの離合集散が激しいプログレッシブ・ロックグループの中で、創設時のメンバー2人も残っているのは非常に珍しい。また、メンバーの平均在籍年数の長い事もGenesisの特徴で、フィルは71年から、チェスターとダリルは76年と77年から、再結成と解散を繰り返している現在まで、メンバーとして在籍している。
Behind The Lines
アルバム「Duke」より、シングルカットされてはいないが、ライブの開始の曲に使われることが多い。
インストルメンタルで始める前半部分は、フィルの力強いドラムスとバンクスの派手なキーボードワークが絶妙のアンサンブルを奏でる。
この曲は、クロージング部分がセカンドトラックの「Duchess」のオープニングにもつながっており、そういった構成から、プログレッシブ色が強い曲でもある。
Turn It on Again
アルバム「Duke」の7曲目。全英チャート8位を記録。
歌詞を書いたラザフォード曰く、「テレビを見続けて、自分で考える事をしなくなった人について書いたんだ。テレビから得た情報そのものをオウム返しに言う人の事をね。」との事。
ラザフォードが作曲したオリジナルは、もっとスローテンポだったらしく、それに対してフィル・コリンズが「もっとスピードを上げた方が良い」とのアドバイスから、この曲が生まれたと言う。
ライブでも定番の曲でもある。
Abacab
アルバム「Abacab」ファーストトラック。全英チャート9位記録。
アルバム紹介の項でも書いたが、はじめ曲構成を考えた際、A(ヴァース)、B(ブリッジ)、C(コーラス)において「ABACAB」の順になるはずであったので、それをそのまま曲の題名に使ったとの事。
話は逸れるが、Genesisのインタビューをする際、代表で回答をするのはラザフォードの役と、グループでは暗黙の了解になっている。上記逸話も、ラザフォードの発言。
Mama
アルバム「Genesis」より、ファーストトラック。全英チャート4位。
おどろおどろしい曲調と歌詞について、フィル・コリンズはラジオ番組で、「僕らのマネージャーが、『中絶されそうになっている胎児が、母親に対して叫んでいるようだ。”生まれるチャンスをください”ってね』と言っていたけど、これは男娼が母親に対する思いを歌っているんだよ。」と言っている。
ライブでは、フィルがゲイブリエル張りのパフォーマンスを披露する曲としても有名。
That's All
同じく、アルバム「Genesis」よりシングルカット。全米ビルボード6位。
バンクスの奏でるメインリフから始まるこの曲で、彼はヤマハCP-70を使用している。
この曲について、彼らは、ビートルズの様なポップな曲調の音楽を作りたかったと語っている。
目次 - Contents
- バンド・ヒストリー
- 結成
- 活動初期(1969年~1975年)
- フィル・コリンズの時代
- フィル・コリンズの引退と解散
- フィルの復帰と再度の引退、そしてグループ活動の停止
- Genesisのメンバー
- 主なメンバー
- トニー・バンクス(Anthony George "Tony" Banks)
- マイク・ラザフォード(Michael John Cloete Crawford "Mike" Rutherford)
- フィル・コリンズ(Philip David Charles "Phil" Collins)
- 準メンバー
- チェスター・トンプソン(Chester Cortez Thompson)
- ダリル・スティーマー(Daryl Mark Stuermer)
- ディスコグラフィ―
- From Genesis to Revelation(邦題:創世記)
- Trespass(邦題:侵入)
- Nursery Cryme(邦題:怪奇骨董音楽箱)
- Foxtrot
- Selling England by The Pound(邦題:月影の騎士)
- The Lamb Lies Down on Broadway(邦題:眩惑のブロードウェイ)
- A Trick of The Tail
- Wind and Wuthering(邦題:静寂の嵐)
- …And Then There Were Three…
- Duke
- Abacab
- Genesis
- Invisible Touch
- We Can’t Dance
- Calling All Stations
- Genesisの代表曲
- The Musical Box
- Supper’s Ready
- Dancing With The Moonlit Knight
- I Know What I Like
- Firth of Fifth
- Cinema Show
- The Lamb Lies Down on Broadway
- Dance on a Volcano
- Los Endos
- Afterglow
- Follow You, Follow Me
- Behind The Lines
- Turn It on Again
- Abacab
- Mama
- That's All
- Invisible Touch
- Tonight Tonight Tonight
- Land of Confusion
- In to Deep
- Throwing It All Away
- Genesisのエピソード・逸話
- ゲイブリエルの舞台衣装
- リード・ボーカルとしてのフィル
- バリライト(VALI LITE)
- ツイン・ドラムス・セッション
- ラザフォードの12弦ギター
- 現段階でのグループ活動状況