Genesis(ジェネシス)の徹底解説まとめ

英国出身の代表的プログレッシブ・ロックバンドグループ。5大プログレッシブ・ロックバンドの一つと言われる。1967年に結成。結成当時のリードボーカルは、ピーター・ゲイブリエルだったが、1975年に脱退。その後に、フィル・コリンズがリード・ボーカルを担当するようになってから、世界的スーパー・ロックバンドへと変貌した。2008年以降、事実上の活動停止状態。2010年、ロックの殿堂入りをしている。

フィル・コリンズ(Philip David Charles "Phil" Collins)

出典: img.rasset.ie

1951年1月30日生まれ 担当:リード・ボーカル、ドラムス
イギリス・ロンドン出身。保険外交員の父とタレントエージェントでマネージャーをしていた母の元に生まれる。母の仕事の関係で、子役としてタレントエージェントに登録しており、5歳の時にエキストラ役で「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」に出演している。この後も、俳優としてのキャリアの方が先行する。
音楽のキャリアは、5歳の時に買ってもらったおもちゃのドラムセットが始まりで、12歳の時に本格的なドラムセットを買ってもらう。しかし、俳優業ほどに目立った活動はしておらず、グラマースクールを中退し、俳優養成学校に在学中に「The Real Thing」と言う名でバンドを組んでいた程度であった。
転機が訪れるのは1970年、Genesisのドラマー募集の広告に応募した事が切っ掛けとなった。ドラマーとしてだけでなく、バックアップ・ボーカリストとしての能力も買われた彼は、その後、バンドと共に人生を歩んでいく事になる。
1975年のゲイブリエル脱退以降は、ドラマーとしてでなくリードボーカルをも担当。名実ともに、Genesisの顔となっていく。
演奏形態は、押し出しの強いドライブ感あふれるリズムを刻む。また、1970年代後半から80年代にかけて、音楽プロデューサー、ヒュー・パジャムと共に作った「ゲートリザーブ」(ゲートエコーともいう)と言う音処理を利用していた。これは、ドラムの音にエコーを掛けて、ゲートの部分(音が出た瞬間の部分)でスパッと切る、と言う手法である。この手法は、当時フィル・コリンズだけでなく、ピーター・ゲイブリエルやポリスなど、多くのアーティストが使用した。
1980年代からソロ活動も行い、いずれのアルバムも大ヒットを収めている。
1990年代に入ると、度重なるスキャンダル報道や家庭内の問題に寄るストレス、体調不良などにより、音楽活動停止、グループ脱退宣言を繰り返すようになる。
現在の処、2007年のツアーを目途に引退している事になっている。2016年に、2017年から、Genesisのツアー活動を行うと発表。
2016年のローリングストーン誌が選ぶ「最も偉大なドラマーTOP100」で43位。

準メンバー

チェスター・トンプソン(Chester Cortez Thompson)

1948年12月11日生まれ 担当:ドラムス
1975年のゲイブリエル脱退を受けて、フィルがメインボーカルを務める事になり、1976年より、Genesisのステージメンバーとしてドラムスを担当。元フランクザッパ・バンドのメンバー。現在は、Genesisの準メンバーとしてだけでなく、フィル・コリンズが関わるステージ、セッション、レコーディング全てにおいて行動を共にしている。
ステージでの、フィルとのツイン・ドラムスセッションは、一つの見ものになっている。

ダリル・スティーマー(Daryl Mark Stuermer)

出典: www.wklh.com

1952年11月27日生まれ 担当:ギター、ベース
元々は、ジャズのセッション・ミュージシャンとして活躍していたが、1978年のスティーブ・ハケット脱退を受けて、ステージギタリストとしてGenesisに加入。現在では、トンプソンと同じく、Genesisの準メンバーとしてだけでなく、フィル・コリンズの音楽活動全般に渡って、バックアップをしている。
Genesisのステージでは曲目によって、マイク・ラザフォードとギターとベースの担当を入れ替える。

ディスコグラフィ―

From Genesis to Revelation(邦題:創世記)

出典: www.ebreggae.com

1. Where the Sour Turns to Sweet
2. In the Beginning
3. Fireside Song
4. The Serpent
5. Am I Very Wrong?
6. In the Wilderness
7. The Conqueror
8. In Hiding
9. One Day
10. Window
11. In Limbo
12. Silent Sun
13. A Place to Call My Own

Genesis最初のアルバム。1969年発表。プロデュースを担当したジョナサン・キングの好みで、当時流行りのビージーズ的なコンセプトアルバムを目指したが、商業的にはまったく成功しなかった。メンバーの卒業シーズンとも重なり、グループとしての音楽的方向性を見いだせず、また、当時同名のロックバンドがアメリカで活動中だった事もあり、アルバムクレジットにグループ名を使えない事も、プロモート活動として障害となった。メンバーはこの後、再度自身の音楽への関わり方と方向性を検討する事になる。

Trespass(邦題:侵入)

Looking for Someone
2. White Mountain
3. Visions of Angels
4. Stagnation
5. Dusk
6. The Knife

セカンドアルバム。1970年リリース。
アメリカとイギリスでのセールスは芳しくなかったが、ベルギーでのチャートで1位を記録し、これを契機に初の海外ツアーを行った。前作とは異なり、各曲の演奏時間が長くなり、より複雑な編曲がなされ、プログレッシブ・ロックとしての特徴が打ち出されたアルバムとなった。
このアルバムを最後に、アンソニー・フィリップが脱退。また、演奏レベルが劣っていると言う事で、ドラマーのジョン・メイヒューを解雇している。

Nursery Cryme(邦題:怪奇骨董音楽箱)

1. The Musical Box
2. For Absent Friends
3. The Return of the Giant Hogweed
4. Seven Stones
5. Harold the Barrel
6. Harlequin
7. The Fountain of Salmacis

1971年リリースの3作目は、よりプログレッシブ色の強い物になっている。英チャートでも39位と、それまで発表してきたアルバムの記録を大幅に更新。イタリアチャートでも4位と、ヨーロッパでの名声を確立した。
Genesisの楽曲の特徴として、イギリス寓話的なおどろおどろしいリリックが挙げられる。本作は、特にその傾向が強く、ライナージャケットのイラストと共に、押し出しの強いものとなっている。
アルバム全体の長さが39分と、Genesisのアルバムを通して、一番短いアルバムとなった。
このアルバムより、フィル・コリンズとスティーヴ・ハケットがメンバーに加わり、第一次黄金時代の幕開けとなるアルバムでもある。

Foxtrot

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