Genesis(ジェネシス)の徹底解説まとめ
英国出身の代表的プログレッシブ・ロックバンドグループ。5大プログレッシブ・ロックバンドの一つと言われる。1967年に結成。結成当時のリードボーカルは、ピーター・ゲイブリエルだったが、1975年に脱退。その後に、フィル・コリンズがリード・ボーカルを担当するようになってから、世界的スーパー・ロックバンドへと変貌した。2008年以降、事実上の活動停止状態。2010年、ロックの殿堂入りをしている。
The Musical Box
アルバム「Nursery Crime」のファーストトラック。
バンクスのエレクトリック・ピアノとラザフォードの12弦ギターによる印象的なリフで始まるこの曲は、最初の刹那さあふれるメロウに聞き入るのもつかの間、フィルの刻み込むドラムの音色やフルートの音と共に、スティーヴ・ハケットの歪を聞かせたギターとバンクスのオルガン、そしてゲイブリエル歌い上げるヴァースの異なるテーマのリリックと、静と動を行ったり来たりする、展開に心奪われる楽曲となっている。
アルバムジャケットの、女の子が人間の頭部でクリケットをしている姿が描かれているが、それについて歌い上げているのがこの曲でもある。
Supper’s Ready
アルバム「Foxtrot」の6曲目。Genesisで一番長い楽曲となっている。
7つのパートから構成されているこの曲は、ゲイブリエルお得意の、おどろおどろしい寓話的リリックが歌い上げられているが、唐突にその内容が変わるなど、聞き手の緊張感を誘う要素が随所に盛り込まれている、特に、ゲイブリエルの妻が見たと言う霊体験の逸話を元に作られているその歌詞は、非常に面白い内容でもある。
プログレッシブ・ロックの特徴は、変調などを含む複雑な旋律を、巧みな演奏技術で引き奏でるのが大きなポイントだが、Genesisが他のプログレッシブ・バンドと異なるのは、この怪奇趣味的リリックとシンフォニックな音作りでもある。
Dancing With The Moonlit Knight
アルバム「Selling England by The Pound」よりファーストトラック。
ゲイブリエルの特徴のある歌声で始まるアカペラのパートから、アコースティックギターによるアンサンブルに続く始まりが印象的なこの曲は、その一定のシークエンスを終えた時に始まるフィルのドラムスで一気に高まる、躍動感あふれる展開が特徴的な曲。
ちなみに、アルバムの邦題「月影の騎士」は、この曲の日本語訳からとったもの。
I Know What I Like
アルバム「Selling England by The Pound」より。
芝刈り機のノイジーな音をシンセサイザーで表現する音から始まるこの曲は、どことなくポップで軽い印象を持つ、素敵なハーモニーを持つ。
Firth of Fifth
アルバム「Selling England by The Pound」より。
冒頭の1分間にも及ぶ、バンクスの華麗なピアノ独奏が印象的なこの曲は、シンセサイザー、フルート、エレキギター、アコースティックギターと、それぞれのインストルメンタル・パートを持つ、非常にボリューム感のある曲に仕上がっている。しかし、楽曲全体の統一感が薄れないのは、フィル独特の、小刻みに刻むドラムスの妙でもある。
Cinema Show
これも、アルバム「Selling England by The Pound」より。
ゲイブリエル独特の、かすれるような歌声を、アコースティックギターによるアンサンブルで奏で挙げられるこの曲は、非常に優雅で気品があふれる印象を持つ。その後の曲の展開で、ギターのソロのパートは、スティーヴ・ハケットのロングトーンを利かせた非常に伸びやかな演奏を聞ける。全体に渡って、Genesis十八番のシンフォニックでメロウなアンサンブルを楽しめる楽曲となっている。そして、この曲のクロージング直前に、アコースティックギターのアンサンブルが合わさりながら始まる「Aisle of Plenty」は、最初の曲「Dancing With The Moonlit Knight」のメロディラインをなぞるようにして終わっていくのが印象的。
The Lamb Lies Down on Broadway
緊迫感を抱くピアノの小刻みなフレーズから始まるこの曲も、ライブの旧曲メドレーで必ず演奏される一曲。バンクスの小刻みなシンセサイザーによるリフレインがメインのこの曲は、低音を利かせたラザフォードのベースが力強く響き渡る。シンプルな構成だが、バンクスとラザフォードの技が冴える一品。
Dance on a Volcano
アルバム「Trick of The Tail」より。
アコースティックギターのリフとシンセサイザー奏でるホイッスルの音で、聞く人の緊迫感を高めると言う、Genesisお得意の始まり方で、その後の疾走感あふれるアンサンブルへと続く、あくまでも今までのGenesisの在り方そのもの。ピーター・ゲイブリエルが去っても、グループはあくまでも続けていくと言う宣言にもとれる。
ライブでは、旧曲メドレーの最初の曲として演奏されることが多い。
目次 - Contents
- バンド・ヒストリー
- 結成
- 活動初期(1969年~1975年)
- フィル・コリンズの時代
- フィル・コリンズの引退と解散
- フィルの復帰と再度の引退、そしてグループ活動の停止
- Genesisのメンバー
- 主なメンバー
- トニー・バンクス(Anthony George "Tony" Banks)
- マイク・ラザフォード(Michael John Cloete Crawford "Mike" Rutherford)
- フィル・コリンズ(Philip David Charles "Phil" Collins)
- 準メンバー
- チェスター・トンプソン(Chester Cortez Thompson)
- ダリル・スティーマー(Daryl Mark Stuermer)
- ディスコグラフィ―
- From Genesis to Revelation(邦題:創世記)
- Trespass(邦題:侵入)
- Nursery Cryme(邦題:怪奇骨董音楽箱)
- Foxtrot
- Selling England by The Pound(邦題:月影の騎士)
- The Lamb Lies Down on Broadway(邦題:眩惑のブロードウェイ)
- A Trick of The Tail
- Wind and Wuthering(邦題:静寂の嵐)
- …And Then There Were Three…
- Duke
- Abacab
- Genesis
- Invisible Touch
- We Can’t Dance
- Calling All Stations
- Genesisの代表曲
- The Musical Box
- Supper’s Ready
- Dancing With The Moonlit Knight
- I Know What I Like
- Firth of Fifth
- Cinema Show
- The Lamb Lies Down on Broadway
- Dance on a Volcano
- Los Endos
- Afterglow
- Follow You, Follow Me
- Behind The Lines
- Turn It on Again
- Abacab
- Mama
- That's All
- Invisible Touch
- Tonight Tonight Tonight
- Land of Confusion
- In to Deep
- Throwing It All Away
- Genesisのエピソード・逸話
- ゲイブリエルの舞台衣装
- リード・ボーカルとしてのフィル
- バリライト(VALI LITE)
- ツイン・ドラムス・セッション
- ラザフォードの12弦ギター
- 現段階でのグループ活動状況