氷菓(古典部シリーズ)のネタバレ解説・考察まとめ

『氷菓(ひょうか)』とは、『KADOKAWA』から刊行されている米澤穂信の推理小説『古典部シリーズ』をTVアニメ化したもの。2012年4月から9月まで放送された。原作小説の大筋を踏襲した内容になっており、ところどころ短編の話やアニメオリジナルの話が織り込まれている。
省エネを信条とする主人公・折木奉太郎はひょんなことから古典部に入部することとなる。好奇心旺盛なヒロイン・千反田える、中学生からの腐れ縁・福部里志と伊原摩耶花、彼ら4人が神山高校を舞台に数々の事件を推理していく青春学園ミステリー。

英題

愚者のエンドロールで脚本を書いた本郷の親友「江波 倉子(えば さくらこ)」。

原作小説は「氷菓」「愚者のエンドロール」をスニーカー文庫の「スニーカー・ミステリ倶楽部」レーベルから発行。
その後レーベルが無くなり、「クドリャフカの順番」からは角川へ移籍した。
スニーカー・ミステリ倶楽部では日本語のタイトルとは別に英題がつけられることになっており、角川に移籍後も英題がつけられている。
その際「氷菓」の英題は何度か変更されている。

『氷菓』 →「HYOUKA」→「You can't escape」(あなたは逃れられない)→「The niece of time」(時の姪)

『愚者のエンドロール』→「Why didn't she ask EBA?」(なぜ、江波に頼まなかったのか?)
アガサ・クリスティの推理小説『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』(Why Didn't They Ask Evans?)が元ネタ。

『クドリャフカの順番』→「Welcome to KANYA FESTA!」(カンヤ祭へようこそ!)
クドリャフカとは、ソ連の宇宙飛行した犬「ライカ」の別名。

『遠まわりする雛』 →「Little birds can remember」(雛は忘れない)
アガサ・クリスティの推理小説『象は忘れない』(Elephants Can Remember)が元ネタ。

『ふたりの距離の概算』→「It walks by past」(過去歩く)
ジョン・ディクスン・カーの推理小説『夜歩く』(It Walks by Night)が元ネタ。

岐阜県高山市とのコラボ

本作は「中部地方にあると推定される緑豊かな地方都市」とされる「神山市」が舞台である。
アニメ版のロケハンは作者の故郷である岐阜県高山市で行われ、ファンによる聖地巡礼での来訪者は年間15万人と想定し、経済効果は21億円と算出された。
2012年には岐阜県高山市の商店街や企業と協力し、「神山高校文化祭」というファンイベント(非公式)が開催された。
他にも岐阜県高山市の神社で行われる「第62回飛騨生きびな祭り」とコラボし、「氷菓×生きびな祭り」を開催。
岐阜県赤十字血液センターとのコラボで、献血をするとグッズが貰える企画など、様々なコラボが実現した。
2013年にはアニメで使われた場所を案内する高山市公式ガイドマップが配布された。

装丁

原作小説の文庫と単行本はデザイナー「岩郷重力+WONDER WORKZ。」が担当。
アニメ化した時期には、本来の表紙とアニメデザインの表紙のカバーが両方セットで発行された。
アニメ版の裏には設定資料が描かれている。
「ふたりの距離の概算」では本来の表紙裏にアニメのイラストが描かれたリバーシブルになっている。
いずれもアニメ化の時期だけの期間限定の使用。

『氷菓』の主題歌

オープニングテーマ

ChouCho:「優しさの理由」

作詞:こだまさおり
作曲・編曲:宮崎誠
歌:ChouCho

こだまさおり:「未完成ストライド」

作詞・歌:こだまさおり
作曲・編曲:中山真斗

エンディングテーマ

千反田える(佐藤聡美)伊原摩耶花(茅野愛衣):「まどろみの約束」

作詞:こだまさおり
作曲・編曲:岡本健介
歌:千反田える(佐藤聡美)、伊原摩耶花(茅野愛衣)

千反田える(佐藤聡美)伊原摩耶花(茅野愛衣):「君にまつわるミステリー」

作詞:こだまさおり
作曲・編曲:高田暁
歌:千反田える(佐藤聡美)、伊原摩耶花(茅野愛衣)

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