アカギ〜闇に降り立った天才〜(福本伸行)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

福本伸行による麻雀漫画。「別冊近代麻雀」(1991年7月号)にて連載開始。その後「近代麻雀」に移行した。「天 天和通りの快男児」に登場する「伝説の雀士」赤木しげるを主人公とするスピンオフ作品。若き日のアカギが不良グループ同士の抗争事件の後、身を隠すためまぎれ込んだ雀荘で麻雀と出会い、幾多の名だたる代打ち雀士たちとの勝負を経て、究極の敵、鷲巣巌との決戦に至るまでが描かれる。

盲目の老雀士。黒崎曰く矢木よりも2ランク上の代打ちで、実力はその世界でも五本の指に入る。黒崎に持ちかけられた寝返り交渉にも同席しており、その際若き日に行ったロシアンルーレットにより視力を失ったことが明かされる。
徹底した合理主義と、自分のツモ山を完全に記憶し自在にすり替えるイカサマを武器とする。しかし最後は市川の合理的思考が導き出すであろうイカサマを逆手に取ったアカギの罠にかかって敗北。黒崎によれば、格付けが済んだ市川は、アカギには今後一切「絶対及ばない」。
モデルは俳優の天本英世。

黒崎(くろさき)CV:内田直哉

川田組の若頭。市川との対決前にアカギに寝返るよう交渉を行うが実質的に拒否され、アカギが交渉の席に着く見返りとして要求した拳銃を譲り渡す。その拳銃はアカギが不良グループとの決着をつける為に使用された。

『アカギ〜闇に降り立った天才〜』のあらすじ・ストーリー(ニセアカギ編)

伝説の夜、対市川戦から6年。不意に安岡とともにアカギを名乗る男が現われる。男は圧倒的な記憶力と瞬時の計算力をベースにし、効率的かつ論理的な麻雀を披露する。その理に適った麻雀は確かに強いことは強い。けれども、対戦相手のみならず見るもの全てを翻弄するような、理外の一打を操るかつての神懸かった闘牌の面影はなった。

そのクレバーで安定感のある強さを気に入り代打ちに取り立てる組長川田。裏腹に失望する石川だったが、彼は思いがけずもう一人のアカギと遭遇する。先ごろ卓を囲んだ男とは明らかに別の気配をまとったその男は、まさしくかつてのアカギその人だった。石川が先ほど目にした男はアカギの名を騙った偽物だった。偽者のアカギと本物のアカギ。二人のアカギは引き合わせられることになる。

町工場の同僚治を伴うアカギを引き連れ対局場へ向かう石川たち。そこでは藤沢組の代打ち浦部とニセアカギの対局が行われていた。一見すると危なげなく3連勝するニセアカギの麻雀を見て不吉な予言をするアカギ。「奴は遠からずつぶされる。浦部って男は今エサを撒いているだけ。」
果たして規定の4回戦を前にしてレートアップを申し出る浦部。巧みな話術とそれまでの撒き餌が功を奏し、半荘ごとにサシ馬が倍になる青天井の取り決めが承諾される。レートは跳ね上がり、ついに1半荘3200万円の勝負に。ここで一転浦部が持ち前の豪腕麻雀を発揮、ニセアカギ、そして交代で入った治を軽く退ける。
満を持してアカギに席を替わるも、その打ち方は不可解そのもの。棒テン即リーにオープンリーチの和了拒否。ついに最終2局を70000点の圧倒的な差を持ったまま迎えることに。だが、アカギは淡々としたいつもの調子でまるで慌てる様子はない。まずは南3局、偶然こぼれて見えた通常場に出るはずのない3枚目のリンシャンに眠る地獄単騎の北で浦部から3倍満を討ち取ると、次局オーラスは序盤からブラフ気味に仕掛けを入れる。浦部はベタ降りするでもなく、さりとて真っ直ぐに和了に向かうでもなく、とりあえずトイツの牌を一枚はずして様子を見る。中盤、終盤とさらに仕掛けを入れ、ついに裸単騎になるアカギ。翻弄され続け、ついに海底で安牌が尽きた浦部が選択したのは、序盤のアカギの仕掛けにとりあえずで選択したトイツ牌の片割れ2筒。一見不可解な麻雀を展開しつつ、それへの対応で浦部の本質を、「保留」の麻雀と見抜いてたアカギは、おろし損ねた保留のトイツ牌を狙い打つことで、わずか2局で逆転を完成させたのだった。

主要登場人物・キャラクター(ニセアカギ編での初登場キャラ)

ニセアカギ / 平山幸雄(ひらやま ゆきお)CV:佐藤銀平/演:藤岡信昭(TVドラマ「アカギ」)

安岡の提案により赤木しげるのネームバリューを利用し代打ち業をしていたアカギの偽者。麻雀においては突出した記憶力と計算力を持ち、確率重視の打ち回しをする。アカギとタイプは異なるものの非凡な能力を持っており、代打ちとしてそれなりの成果を残す。いわゆる「大勝はしないが、大崩れもしないタイプ」。しかし計算や確率に依存することによる「ここ一番」の勝負弱さを突かれ、浦部に惨敗を喫する。後に鷲巣麻雀での失血が原因で死亡。

浦部(うらべ)CV:風間杜夫/演:古田新太(Vシネマ「雀魔アカギ」)

藤沢組の代打ち。関西弁を喋る。強引に降ろし、強引にツモる剛腕麻雀を身上とする。しかしアカギによれば、未知の危険や問題と相対したときに顔を出す「保留の麻雀」こそが浦部の本質である。そこを突いたアカギに7万点のリードをたった2局で逆転され敗北を喫する。

石川(いしかわ)CV:福田信昭

川田組の若頭。当時はまだ下っ端ではあったが、対市川戦を見届けた男。安田が連れてきたニセアカギと対局し、真贋の判定をした。
その際、対市川戦とはあまりに異なる打ち筋に違和感(というよりもむしろ嫌悪感)を覚えるものの、偽物と断定するまでは至らず、川田には「アカギは衰えた」と報告する。

川田(かわだ)CV:川久保潔/演:中尾彬(Vシネマ「雀魔アカギ」)

川田組の組長。当初は確実にアベレージを残すニセアカギの打ち方を高く評価し代打ちとして重用していたが、浦部によってつり上げられた超高レートの対局において、勝負師として「今一時の気持ち」が決定的に欠けていることに気付き、評価を一変させる。

治(おさむ)CV:佐藤雄大

アカギが働いていた玩具工場の同僚。ソバカスが特徴。
川島らに給料日麻雀でたかられていた。アカギが入社したことでその役を免れるかと思いきや、アカギが断ったため再びその餌食に。アカギが戻ったときは手ひどく負けた後だったが、麻雀をしたのはあくまで自分であると人のせいにしないところをアカギが気に入り、逆に川島らの有り金を巻き上げ分け合うことに。
以後アカギに魅せられ彼と共に工場を辞め浦部との勝負にも同席するが、仲井からアカギとは住む世界が違いすぎると付いていくことを止められる。その後のことは作中では描かれていない。

仲井純平(なかい じゅんぺい)

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