STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート/シュタゲ)のネタバレ解説・考察まとめ

『STEINS;GATE』とは、5pb.(現MAGES.)の同人ゲーム作品およびそれを基にしたアニメ作品である。アニメ放送時期は2011年の4月から9月。第15回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品アニメーション部門/長編に選ばれた。大学の友人と日々おかしなマシンを開発していた岡部倫太郎は、偶然タイムマシンを開発する。だが、倫太郎はタイムマシンで過去を改変したことにより、様々な問題に直面してしまう。

『STEINS;GATE』の概要

『STEINS;GATE』とは、5pb.(現MAGES.)の同人ゲーム作品およびそれを基にしたアニメ作品である。ゲームはファーストバージョン(原典)がXbox360にて、2009年10月15日に発売された。ゲームジャンルは想定科学ADVで、発売にはPSP版より角川書店が参加している。レイティングは全機種CERO:C(15歳以上推奨)PC:15歳以上推奨 IOS:12+ Andoroid:16+。
2010年の現代日本を舞台としており、『CHAOS;HEAD』と世界観を共有するが、渋谷から秋葉原に舞台を変えており、登場人物、ストーリーに繋がりはない。

作中には架空の事物とともに実在する企業や大学、商品が実名で登場するほか、現実に流布している都市伝説や陰謀論への言及、インターネットスラングなども話題として登場する。物語の核心には、かつてインターネット上に現れ未来人を名乗った実在の人物であるジョン・タイターが語った内容が組み込まれており、また主人公の言動や携帯電話を使ったゲームシステムなどに、虚実の入り混じった表現方法を取り入れている。

アニメは2011年の4月から9月に、独立UHF局ほかAT-Xにて全24話が放送された。基本的に原作ゲームのストーリーに沿った内容で映像化され、トゥルーエンディングに至るまでの物語が描かれた。ただし一部の、原作ゲームにおいて見なくてもクリア可能なイベントなどはカットされている。平成23年度(第15回)文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品アニメーション部門/長編(劇場公開・テレビアニメ・OVA)に選ばれ、2011年10月に主人公の岡部倫太郎が「Newtype×マチ★ゾンビアニメアワード2011」キャラクター部門男性賞を受賞している。

最終話の放送直後には、放送や公式サイトを通じて劇場版の制作が告知され、2013年4月20に『劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ』のタイトルで公開された。興行収入は5億6000万円。

また、2017年7月、ゲームなどを含めた新展開「STEINS;GATE World 2017-2018 プロジェクト」が始動となった。

大学の友人と日々おかしなマシンを開発していた岡部倫太郎(おかべりんたろう)は、偶然タイムマシンを開発したことから物語が始まる。だが、倫太郎はタイムマシンで過去を改変したことにより、様々な問題に直面してしまう。

タイムリープによる「バタフライエフェクト」から発生する問題を題材として、話が進められていく。「バタフライエフェクト」とは、小さな出来事を発端として大きな現象が引き起こされることである。名称は気象学者エドワード・ローレンツの「蝶がはばたく程度の非常に小さな撹乱でも遠くの場所の気象に影響を与えるか?」という問いかけから取り上げられた。『STEINS;GATE』は「バタフライエフェクト」だけでなく、その他様々な科学的要因を盛り込んで綿密に作られた、独創的なSF作品である。

『STEINS;GATE』のあらすじ・ストーリー

プロローグ

ラジ館を訪れる椎名まゆり(左)と岡部倫太郎(右)

岡部倫太郎(おかべりんたろう)は幼馴染の椎名まゆり(しいなまゆり)と共にタイムマシン理論に関する講演が行われるラジ館に足を運んだ。そこで倫太郎が目にしたものは、17歳にしてサイエンス誌に自身の論文を取り上げられた天才少女・牧瀬紅莉栖(まきせくりす)の遺体だった。倫太郎は錯乱しながらも学友である橋田至(はしだいたる)にSOSのメールを送る。しかし、このメールによって倫太郎は初めての過去改変をしてしまう。このときから倫太郎の苦悩に満ちた長い3週間が始まる。
その後、倫太郎はまゆりと至に話をするが周囲の人間の話と自身の記憶に大きな齟齬があることに気がつく。さらに講義を受けに至と共に大学へ向かうと数時間前に血みどろの遺体で発見したはずの紅莉栖が無傷で立っていた。

動き出す日常

紅莉栖は倫太郎と至が偶然開発してしまった、過去にメールを送れるマシン「電子レンジ(仮)」の研究に参加するため未来ガジェット研究所のメンバー・ラボメンになる。その後、紅莉栖を加えたラボメンによる研究の日々が始まる。
倫太郎が街を歩いていると、IBN5100というレトロPCを探す桐生萌郁(きりゅうもえか)と名乗る女性と知り合う。
倫太郎は、SERNがタイムマシーンに関する事実を隠蔽していると予想し、至にSERNへのハッキングを命じる。至はSERNの構成員のID入手に成功するが、秘匿情報を閲覧するにはIBN5100の特殊な機能が必要であることがわかる。
その後、まゆりのバイト先のオーナー兼No.1メイドであるフェイリス・ニャンニャンからIBN5100の所在を聞き出すことに成功する。
IBN5100はまゆりの同級生である漆原るか(うるしばらるか)の実家である「柳林神社」に奉納されていることをフェイリスから聞き出した倫太郎はIBN5100を紅莉栖と共に回収し、ラボに持ち帰る。
IBN5100を回収した倫太郎は至にSERNの秘匿情報を閲覧することを命ずる。そこに記載されていたのはSERNのタイムマシーン実験に関するものであった。

過去改変

Dメールによってまず倫太郎たちは宝くじの当選番号を過去に送るメールを送り宝くじを当てる計画を立てる。しかし、計画は失敗し、さらに過去が改変されることで倫太郎以外の記憶が消えていた。メールは確かに過去に送られ過去が書き換えられたのだった。
倫太郎は過去を改変することへの不安を感じながらも、ラボメンと共にDメールによる過去改変を続ける。萌郁は携帯の機種変更を止める内容であると偽り、実際にはIBN5100の所在を報告する内容のメールを送り、るかは性別を変えるために自身を身ごもっている母親へ野菜をたくさん食べるようにメールを送った。さらに倫太郎が過去を変えるマシンを開発したことを至から聞きつけたフェイリスは実父の死をなかったことにするメールを送り、最後には倫太郎が一人立ち去ろうとする鈴葉を引き止める内容のメールを送った。
これらのメールによって、IBN5100は倫太郎の手元から消え、るかは女性として生まれ、フェイリスの父が秋葉原にオタク文化を取り入れることを拒否したことで秋葉原はオタク街ではなくただの電気街として存在している世界へと改変される。

世界線の移動

倫太郎は様々な過去改変により世界線がβ世界線からα世界線に移動し、さらにそのα世界線ではまゆりの死が確定事項となっていること知る。まゆりの死を回避するために倫太郎は紅莉栖と協力しこれまでに送ったDメールの内容を撤回することを決意する。
過去改変をなかったことにすることに成功する倫太郎だが、最後のDメールを撤回するときある重要なことに気がついてしまう。世界線をβ世界線に戻すということは、自身が発見した紅莉栖の血みどろの遺体が現実のものになってしまうということであったのである。まゆりと紅莉栖、どちらの命を救うか苦悩する倫太郎に紅莉栖はまゆりを救うことを強く推す。そして、倫太郎は決意し世界を元のあるべき世界線へと回帰させることにしたのである。

シュタインズゲート世界線

β世界線で紅莉栖のいない世界で生きることを決めた倫太郎の前に、第三次世界大戦を回避するため、世界線を変えに未来からやってきたという鈴葉が現れる。なんと未来で倫太郎と至は未来に跳ぶことができるタイムマシンの発明に成功していたのである。倫太郎は鈴葉とともに中鉢博士の講演があった時間へ遡り紅莉栖の救出に向かった。
結果的に倫太郎は紅莉栖の救出に失敗してしまう。そして、紅莉栖救出を断念しかけるがまゆりが倫太郎に奮起するよう促す。さらに鈴葉から1度目の紅莉栖救出失敗は必要事項であったことを明かされる。
未来の自分から倫太郎へのメッセージを聞き、倫太郎は最後の救出へと赴く。倫太郎は自身に刃物を突き立て自傷することで気絶させた紅莉栖に大量の血を浴びせ過去に見た光景を再現した。ラジ館で倫太郎が「血に濡れた紅莉栖を見る」という事実を変えずに「紅莉栖の死」という事象を回避したのである。
そして、世界線はβ世界線からシュタインズゲート世界線へと移動したのだった。

エピローグ

シュタインズゲート世界線へと移動した倫太郎は紅莉栖救出の際に負った怪我を治療するために入院していたが、完治したのちにα世界線でラボメンとなった人間にラボメンの証であるピンバッチを配って回っていた。そして倫太郎は自らを救った人間を探す紅莉栖と街中で再開し、ラボメンNo.004のピンバッジを贈るのだった。

『STEINS;GATE』の登場人物・キャラクター

主人公

岡部 倫太郎(おかべ りんたろう)

出典: steinsgate.tv

CV:宮野真守
未来ガジェット研究所の創設者にしてラボメンNo.001。
18歳、身長177cm、体重59kg、A型。
現在大学に在学していて、学年は一年生。倫太郎が在学している大学は実際に秋葉原に存在する東京電機大学である。
重度の厨二病患者でマッドサイエンティスト「鳳凰院 凶真」を真名としている。@ちゃんねるでのハンドルネームも同名。
世界が改変されても記憶を保持できる能力「リーディングシュタイナー」を持つ。これによって、倫太郎だけがあらゆる世界線での記憶を保持した状態で行動できる。
普段厨二的な言動をとってラボメンにあしらわれる場面が多いが、危機の時にはラボメンのために自ら動く。心優しく、仲間想いな青年である。
シュタインズゲート世界線到達後には、ラボメンの証であるピンバッジをα世界線でラボメンになった人間全員に配り「困ったことがあったらいつでも訪れるように」と告げている。

未来ガジェット研究所のメンバー

椎名 まゆり(しいな まゆり)

出典: steinsgate.tv

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@dc127bc

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