
『善悪の屑』(ぜんあくのくず)は、2014年から『ヤングキング』で連載された渡邊ダイスケによる漫画作品。事件を起こしたにも関わらず、様々な理由で十分な裁きを受けることのない犯罪者達に対し、被害者やその家族に代わって復讐を代行する「復讐屋」の二人の男の物語である。実際の事件を土台としていることから凄惨な描写も多いが、2016年にはコミックシーモア総合ランキング1位、music.jp週間ランキング3週連続1位を獲得し、Amazonランキング大賞2016上半期入賞という実績を残す人気作品となった。
第17話から第18話にかけて登場。左頬に特徴的な痣がある男。複数の女児に暴行を加え殺害しているが、本人からすれば「遊んであげた」ということで罪の意識は皆無。しかし未知数の暴力性を秘めており、顔の痣について言及されると突然噛みつこうとするなど、カモをもってして「怪物」を言わしめる異常性を発揮する。被害女児たちの刺し傷や打撲の合計数と女児達の平均年齢を掛け、彼の年齢を割った数になるまで切り刻むとされ、196個の肉片にされる制裁を受けた。最後まで自身の罪を理解することはなかった。
ジェイク・堀尾(ほりお)
第21話から23話に登場。怪しげなナンパセミナーの講師。手段は仲間内の居酒屋に女性を連れ込み、強い酒で酔わせた上で集団で強姦したのち、被害女性を丸め込んで自殺に追い込むなど卑劣極まりない男。カモたちに捕縛され、切断された自身の陰茎を肛門に挿入される拷問を受けて道端に放置され、その姿が様々な媒体に晒されるという形で制裁を受けた。
金子 茂(かねこ しげる)
第24話から第26話に登場するホスト。先輩ホストから受け持っていた客に逃げられ、500万を請求されたことからこのホストを殺害。先輩ホストの恋人がカモたちを尋ねようとするが、何か思うところがあったのか引き返して結局依頼にはならなかった。後に排水管から溶かして流した先輩ホストの体の一部が発見されたことを証拠に逮捕されたが、関与を否定し続けている。
カップル殺害事件加害者
第27話から第29話に登場した二人組のチンピラ。金銭を目的にして、公園に来ていたカップルを急襲。彼女を強姦し、彼氏に暴行を加えたのちに殺害。凄惨な事件であるにもかかわらず、事件当時未成年であったことから11年で釈放されている。
1人は彼女の父からの依頼で朝食会に捕えられ、制裁を受けて死亡。もう1人は彼氏の母から依頼を受けたカモ達が捕えていたものの、依頼人が朝食会の方針に賛同したことから引き渡されており、その後の顛末は不明となっている。
櫻井 志津馬(さくらい しづま)
第30話から35話に登場。複雑な家庭環境で育った上、要領の悪い性格から職場でも冷遇されているという境遇にあるため、社会全体に逆恨みじみた憎しみを抱いている。小学生とぶつかった際に小学生が落としたスマホを拾って渡したが、謝罪も礼もなかったことで今までの鬱憤が爆発し、廃墟に遊びに来ていた名門小に通う無関係の小学生数人を包丁でめった刺しにして殺害。事情聴取を受けたものの証拠不十分で不起訴となっている。自分より稼ぎのいい大人になるはずだった優秀な子供達を殺すことを「自分の勝ち」と認識しており、カモ達に捕縛された後も殺人について誇るような趣旨の発言をしている。
生きたまま手足を削られながらも強気な態度を崩さず、自身の犯行について「凡人にはできないこと」と嘯くが、カモに「頭も努力もいらないバカでもできる」と一蹴された上に、その後の苛烈さを増した拷問に泣き言を言いながら殺害された。
『善悪の屑』の用語
復讐屋
悲惨な事件を起こしたにも関わらず、大した処罰も受けずにのうのうと生活する加害者に対して、カモとトラが被害者の無念を晴らすために復讐を代行するという裏稼業。身体能力の高いトラが加害者を捕獲し、カモが考え出した拷問を行っていく役割分担が多い。
カモメ古書店
カモが店主である古書店。表向きはただの古書店であるが、その中の古本を手に取り、店番をしているカモのところへ持っていき、「これ、いくらですか?」と値段を尋ね、カモが「いくらなら出せるの?」と問い返し、「(毎月の収入)の3ヶ月分」と言うやりとりを行うと、裏稼業である「復讐屋」への依頼が行える。
朝食会(ブレックファーストクラブ)
復讐屋の同業者とみなされている団体。復讐を代行するのではなく、被害者たちに復讐をさせる支援をしているという点に違いがあり、復讐屋と対立する。
『善悪の屑』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
カモ「おまえさんの精子工場は本日をもって閉鎖だ」

強姦目的でアパートに押し入り、被害者の女性に強姦と傷害を加え、さらに被害者女性の幼い息子を窓から投げ捨てて殺害した残忍な加害者。その加害者に対しての復讐場面で、カモが、加害者の陰嚢を切り取り、加害者の目の前に提示して「おまえさんの精子工場は本日をもって閉鎖だ」と発した。そして、カモはその陰嚢を加害者の口の中に詰め込むというグロテスクな方法で復讐を遂行する。単なる暴行ではなく、強姦をしたことを後悔するような内容で、陰嚢を取り除くことで再犯が行えなくなるという意味を含んでいる。
カモ「もう二度とウンコできないねえ」
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女子高生を拉致監禁し、集団で強姦や暴力を繰り返して行い、挙句の果てに殺害してしまった加害者。その加害者に対して復讐を行う場面である。加害者が行った残忍な暴行の中で、被害者の恥部に異物を挿入するものがあり、そのことにちなんで、カモが加害者の尻の穴に焼けた鉄の棒を挿入。その際に「もう二度とウンコできないねえ」と発した。被害者が受けた屈辱や痛みを数倍にして返すような復讐方法である。それだけでは終わらず、バスタブに縛り上げた加害者を寝かせ、溶けたコンクリートを垂れ流して殺害し、復讐は完了となる。
『善悪の屑』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
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目次 - Contents
- 『善悪の屑』の概要
- 『善悪の屑』のあらすじ・ストーリー
- 強姦殺人事件への復讐依頼
- いじめ自殺事件と女子高生監禁殺害事件への復讐依頼
- 小学生からの復讐依頼
- 「練馬区の殺人鬼」の登場
- トラの過去
- 朝食会(ブレックファーストクラブ)との出会い
- 『善悪の屑』の登場人物・キャラクター
- 主要な登場人物
- カモ/鴨ノ目 武(かものめ たけし)
- トラ/島田 虎信(しまだ とらのぶ)
- 開成 奈々子(かいせい ななこ)
- 榎 加世子(えのき かよこ)
- 園田 夢二(そのだ ゆめじ)
- 事件の加害者たち
- 強姦殺害事件加害者
- いじめ自殺事件の加害者と担任教師
- 久保田(くぼた)
- ウサギ殺しの加害者
- 榊 ヨシ江(さかき ヨシえ)
- 危険運転致死加害者
- 連続女児殺害事件加害者
- ジェイク・堀尾(ほりお)
- 金子 茂(かねこ しげる)
- カップル殺害事件加害者
- 櫻井 志津馬(さくらい しづま)
- 『善悪の屑』の用語
- 復讐屋
- カモメ古書店
- 朝食会(ブレックファーストクラブ)
- 『善悪の屑』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- カモ「おまえさんの精子工場は本日をもって閉鎖だ」
- カモ「もう二度とウンコできないねえ」
- 『善悪の屑』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- モデルになった実際の事件
- 園田夢二が主役のスピンオフ『園田の歌』
- 榎佳世子が主役のスピンオフ『朝食会』