プラネテス(PLANETES)のネタバレ解説・考察まとめ
漫画家幸村誠による漫画、谷口悟朗監督によってアニメ化された。現代よりも宇宙開発が進んだ世界観の中で宇宙の掃除屋として働く主人公、星野 八郎太(通称「ハチマキ」)がさまざまな試練や障害に遭遇しながらも仲間たちの助けを借りながら乗り越え、宇宙飛行士として成長していく物語である。
『プラネテス』の概要
講談社の漫画雑誌「モーニング」において1999年から2004年まで不定期連載された漫画作品。単行本としては全4巻が発売されている。
プラネテスは古代ギリシャ語で「惑う人」という意味であり、それから転じて「惑星」の意味を持っている。
2003年10月4日から2004年4月17日にかけてテレビアニメ化されており、全26話がNHKBS2にて放映された。テレビアニメの監督は「スクライド」や「ガン×ソード」、「コードギアス」で知られる谷口悟朗監督である。
テレビアニメ版は原作の漫画版が終わっていなかったこともあり、オリジナル要素が濃くなっている。主な差としてはサラリーマンとしての日常がより詳細に描かれており、テレビアニメ版のみに出ているオリジナルキャラクターも多いので原作にはないストーリーも盛り込まれている。
『プラネテス』のあらすじ・ストーリー
舞台は2070年台の近未来。宇宙開発が進んだ世界で、主人公の星野 八郎太は「自家用宇宙船を買う」という小さい頃からの夢を叶えるために宇宙に漂うゴミ(スペースデブリ)を回収する仕事に就いている。
八郎太が勤務している船にヒロインである田名部 愛が新人として配属されることから物語は始まる。愛こそが全てを救うという信念を持つ田名部と喧嘩を繰り返しながらも、同じ船の船員であるユーリ・ミハイロコフや船長のフィー・カーマイケルとともに仕事をこなしていく八郎太。
しかし、宇宙空間での事故を境に八郎太は心に深い傷を負ってしまい「空間喪失症」を患ってしまう。苦しみながらも仲間の支えや木星探査船「フォン・ブラウン号」に乗るという目的のため「空間喪失症」を克服、試験を突破し無事「フォン・ブラウン号」のクルーとなる。
「フォン・ブラウン号」での木星探査前に八郎太は田名部に求婚し、田名部はこれを受け入れる。田名部は八郎太が木星へ旅立つ当日、八郎太の家族とともに星野家のテレビでその瞬間を見守った。
テレビアニメ版ではここで本編が終わっているが、原作には少し続きがあり、フォン・ブラウン号によって木星の到達に成功している。成功を地球に報告する際に今までの経験から学んだ「愛」の大切さを唱え、地球で帰りを待っている仲間たちに対しては帰還後にまたスペースデブリ回収の仕事を一緒にしようというメッセージを送った。
おもな登場人物・キャラクター
星野 八郎太(ほしの はちろうた)
出典: neoapo.com
本作の主人公であり、愛称は「ハチマキ」。CVは田中一成。自家用宇宙船を買うという夢を持っている。
正確は直情的で楽観的な性格の持ち主で、「一人で生きて一人で死ぬのが完成された宇宙船員」を座右の銘としている。
「愛」を唱え続ける田名部とは喧嘩が絶えないが、最終的には恋仲となり結婚するまでに至る。
物語中盤で「空間喪失症」にかかり、自身の存在理由を見失い苦悩する。後に木星探査船「フォン・ブラウン号」のエンジンを見学した際にことをきっかけに「空間喪失症」を克服し、「フォン・ブラウン号」選抜試験を受験してクルーとなる。
田名部 愛(たなべ あい)
新人デブリ屋で愛称は「タナベ」。CVは雪野五月。ガイドブックによると5歳まで言葉を話せなかったという。
事あるごとに「愛」唱え、価値観の異なる八郎太と喧嘩を繰り返すが最終的には恋仲となり本編内で結婚している。八郎太が木星へ探索に出かける際には第一子をお腹に宿している描写がみられた。
漫画版とアニメ版での変更点が大きく見られるキャラクターで、5歳まで言葉が話せなかったという設定はアニメ版では存在しない。漫画版の田名部は天然な性格で一本気という特徴を持っているが、アニメ版ではそれらの特徴がなくより普通の女性として描かれている。また、アニメ版の田名部は漫画版で八郎太が担う役割を担ったことで宇宙空間にて酸素不足に陥り、半身不随となってしまう。
ユーリ・ミハイロコフ
八郎太の同僚社員。CVは子安武人。かつて起きた事故「アルナイル8型事故」で日本人の妻を失っている。ロシア人だが、かなりの日本通で日本語もしゃべることができる。
事故で自分だけが助かってしまいそのことが心の奥に引っかかっていたが、その後のデブリ回収任務にて妻の遺品である方位磁石を回収したことをきっかけに過去を吹っ切った。
フィー・カーマイケル
八郎太たちが所属する宇宙船「TOY BOX」の女性船長。CVは折笠愛。怒るとかなり怖いが、業界ではプロフェッショナルとして名が知られている。
愛煙家でデブリ課内に密閉式の喫煙スペースを設けている。アフリカ系アメリカ人で既婚者である。夫は主夫として地上で生活している。彼女自身の料理の腕は非常に下手で息子に酷評されている。
星野 五郎(ほしの ごろう)
八郎太の父親であり、凄腕の宇宙船機関士。CVは飯塚昭三。不可解な行動を取ることが多く、通気ダクトや使われていいない通路を散歩することが趣味となっている。
テロリストに襲われた際に徒手格闘で倒してしまうほど身体能力が高い。最終話では息子である八郎太たちと共に「フォン・ブラウン号」で木星へと出発した。
ウェルナー・ロックスミス
人類屈指のエンジン工学の権威で、木星往還船「フォン・ブラウン」の設計者。CVは石塚運昇。
モデルはロケット技術開発の科学者ヴェルナー・フォン・ブラウン。彼の性格は一言で表すなら「宇宙船以外なにひとつ愛せない」。宇宙のためであれば人命の犠牲もいとわない考えの持ち主。
ハキム
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