有頂天家族(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

2013年に放映されたアニメ。
原作は『四畳半神話大系』、『夜は短し歩けよ乙女』の森見登美彦。3部作となる予定の「たぬきシリーズ」である。キャラクターデザインは『さよなら絶望先生』の久米田康治。
2013年には漫画化、2014年には舞台化された。
豪華なキャストと丁寧な描写で根強いファンがついており、2017年4月9日より第2期である『有頂天家族2』が放送開始する。

二代目

出典: uchoten2-anime.com

CV:間島淳司
「有頂天家族2」から登場する新キャラクター。
シルクハットに三つ揃いの黒い背広、蝶ネクタイ姿の英国紳士風の男性。
明治時代長崎から赤玉先生に攫われた少年で、赤玉先生の二代目天狗として育てられた。
しかし大正時代、女性をめぐって赤玉先生と三日三晩の大喧嘩の末破れ、姿を消していた。百年後突然帰朝する。
英国から持ち帰った様々な家具や調度品とポケットからわきでるナポレオン金貨で優雅な生活をしている。

『有頂天家族』の用語

狸たちは様々なものに化けることができ、人間に化けて街に紛れ込んで暮らしている。
ただし、化けるためにはある程度の心の落ち着きと集中力が必要で、心の余裕を失うと、変身が解けてしまったり化けられなくなってしまう。
人間とは異なる独自の伝統や風習を持っており、中でも下鴨家と夷川家は名門とされている。
1期の一話で矢三郎と弁天が偽電気ブランを飲むシーンがあるが、店主も客も狸である。

偽右衛門(にせえもん)

京都市内に住む狸たちを取りまとめる頭領のこと。
代がわりをするときは立候補者を募り、その中から長老たちによる選挙によって決定される。
先代の偽右衛門は四兄弟の父であった下鴨総一郎であり、彼の亡き後は八坂平太郎が後を継いでいる。
作中ではその平太郎の隠居に伴い再び立候補者が募られ、下鴨矢一郎と夷川早雲が立候補している。

天狗

様々な神通力を持ち、空を飛んだり天候を操ったりすることができる。
多種多様な派閥が存在し、互いにいがみ合っているが、総じて気位が高く、他を見下す傾向にある。
なお、天狗の持つ神通力は学べば人間でも使うことができる。

魔王杉の事件

西方で起きた大きな地震(阪神・淡路大震災であることが示唆されている)で困った人間を嘲笑いに行くという赤玉先生に腹を立てた矢三郎が、弁天にけしかけられて赤玉先生が休憩に使う魔王杉に化けた事件。
矢三郎はちょっと困らせてやろうという程度の軽い気持ちで行ったが、赤玉先生は騙されまいと思案するうちに力尽きて転落し、それがきっかけで天狗としての力のほとんどを失ってしまった。
アニメでは詳しく描写されず、矢三郎と弁天の会話で取り上げられるのみにとどまった。

如意ヶ嶽

京都に実在する山。
赤玉先生が昔から支配していたが、先生が落ちぶれて追い落とされてからは鞍馬天狗が代わって支配している。

偽如意ヶ嶽事件

鞍馬天狗と勢力争いをしていた赤玉先生に生前の総一郎が手を貸し、如意ヶ嶽に化けた事件。
これによって鞍馬天狗は完全に化かされ、赤玉先生が勢力争いに勝利することとなり、総一郎はさらに名をあげることとなった。
狸達にとっては快挙として、鞍馬天狗達にとっては屈辱としてその記憶に残っている。

金曜倶楽部

京都に大正時代から存在するといわれる秘密結社。
席数は常に7つと決まっていて、メンバーはそれぞれ七福神の名を持っている。
活動自体は月に1回寄り集まって宴会を開くだけだが、伝統的に忘年会では必ず狸鍋を食べるため、狸たちの間では非常に恐れられ、嫌われている。
ルールに違反すると除名処分となり、それは大変不名誉とされている。
なお、弁天以外の現在のメンバーは狸が化けられるということは知らないようである。
聖なる怠け者の冒険では格下の組織のようで、土曜倶楽部や日曜倶楽部などの上位組織の言うことには逆らえない。

風神雷神の扇

表に風神、裏に雷神が描かれた扇。
風神の面で仰げば大風を、雷神の面で仰げば雷雨を引き起こせるが、加減がかなり難しい。
もとは赤玉先生の持ち物であったが、弁天にあげてしまった。

薬師坊の奥座敷

小さな茶室の形をした天狗の乗り物。
真ん中に配置された茶釜がエンジンであり、赤玉ポートワインを燃料にして空を飛べるが、ポートワイン以外は受け付けない。
もとは赤玉先生の持ち物であったが、弁天にあげてしまった。

偽電気ブラン

狸の間で広く飲まれている、電気ブランをもとに作られている酒。
人間にも愛好者がおり、夷川家が卸元としてその製造販売を統括している。
密造酒であるため、詳しいことはあまり言えないらしい。
著者の他作品にもたびたび登場する。別名「天狗ブラン」。

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