涼宮ハルヒの憂鬱(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『涼宮ハルヒの憂鬱』とは、谷川流原作のライトノベルであり、「涼宮ハルヒシリーズ」を原作としたTVアニメである。アニメは2006年に放送開始となった。ごく普通の男子高校生キョンの視点から、クラスメイトである涼宮ハルヒが巻き起こす非日常を描いたSF学園ストーリーとなっている。主題歌「ハレ晴レユカイ」は、キャッチーなメロディに加え、キャラクターが踊るダンスも注目され、動画投稿サイトに「踊ってみた」関連の動画が溢れるほど大きな反響を呼んだ。
『涼宮ハルヒの憂鬱』の概要
『涼宮ハルヒの憂鬱』とは、谷川流のライトノベルであり、「涼宮ハルヒシリーズ」を原作としたTVアニメである。アニメは2006年4月から7月にかけて全14話、2009年4月から10月にかけて全28話放送された。
第1期は、原作第1巻『涼宮ハルヒの憂鬱』をベースに、第3巻『涼宮ハルヒの退屈』・第5巻『涼宮ハルヒの暴走』・第6巻『涼宮ハルヒの動揺』の一部エピソードと、原作者谷川流が新規に書き下ろしたオリジナル・ストーリーである『サムデイ イン ザ レイン』を加えた全14話で構成され、それらは原作の時系列とは異なる順序で放送された。監督の石原立也は、「原作ファンへのサプライズのためにこのような放送順をとった」と語っている。
第2期は、第1期の放送分に、新エピソードとなる原作第2巻『涼宮ハルヒの溜息』、第3巻『涼宮ハルヒの退屈』・第5巻『涼宮ハルヒの暴走』の一部エピソードを加えた全28話で構成された。
2010年6月には、劇場版『涼宮ハルヒの消失』が公開された。
ヒロイン・涼宮ハルヒ(すずみやはるひ)が「宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶこと」を目的に設立したクラブ「世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団」(通称:SOS団)に所属するメンバーと展開する、「非日常系学園ストーリー」を描いている。
「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」と発言する、かなり変わった少女、ハルヒ。主人公キョンは高校入学早々、彼女と出会い、部活動「SOS団」の設立を手伝わされ、強引に入部させられる。宇宙人の長門有希(ながとゆき)、未来人の朝比奈みくる(あさひなみくる)、超能力者の古泉一樹(こいずみかずき)も加わり、キョンの平凡だった生活はどんどん非日常へと変化していく。
この物語は、ハルヒが無意識に引き起こす世界改変を、彼女に気づかれぬよう秘密裏に解決する話である。その解決法は、ハルヒを満足させたり、彼女の無意識に「非日常は現実では起こらない」と刷り込ませたりなど実に日常的。そしてこの役割を担っているのがキョンである。超人的な力を持つ人物が複数人いながら、解決するのは一般人というあべこべなシステムだ。しかし、このシステムが視聴者を引き込み、長年愛され続ける理由となっている。
また、他部活との交流、映画撮影、旅行など、学生らしい要素が多く含まれているのも魅力のひとつ。個性豊かな登場人物、そして親近感を持てるストーリーは多くの人に愛されている。
『涼宮ハルヒの憂鬱』のあらすじ・ストーリー
涼宮ハルヒの憂鬱
ごく普通の男子高校生キョンは、高校入学の日に涼宮ハルヒ(すずみやはるひ)という端麗な容姿の女子生徒と出会う。
彼女は、クラス全員への最初の自己紹介で「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人・未来人・異世界人・超能力者がいたら私のところに来なさい。以上」と言い放ち、周囲の度肝を抜かせた。その後もハルヒはとどまることを知らず、「毎日髪型が変わる」「男子がいる教室で平気で着替える」「ありとあらゆる部活に仮入部をしたあげくどこにも入部しない」などの奇行を続けていた。
そんなある日、キョンは話しかける気などなかったのに、何の気なしに「曜日で髪型変えるのは、宇宙人対策か?」とハルヒに話しかけてしまう。
無視されるか、バッサリと会話を切られるかと思っていたキョンだが、意外にもハルヒは「私、あんたとどこかで会ったことある?ずっと前に」と反応し、2人の会話は続いた。
それがきっかけとなり、2人がホームルーム前に会話をするのが当たり前になっていった。
キョンが「どこかおもしろいクラブはあったのか?」と尋ねても、ハルヒは「全然無い」と悔しそうに答える。
ハルヒは、日常しかあふれていない学校に飽き飽きしていた。
「人間はそこにあるもので満足をしなくてはならない。それをできない人間が、発見やら発明やらをして、文明を発達させてきたのさ」とキョンはハルヒに対し、軽い気持ちでそう言い返した。しかし、そのことがきっかけとなり、ないのであれば作ればいいとハルヒは気づいてしまった。
そしてハルヒが、キョンを巻き込む形で、活動目的を「宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶこと」とした「SOS団」
S:世界を
0:大いに盛り上げるための
S:涼宮ハルヒの団
という部活が結成され物語は進んでいく。
SOS団発足後、部の整備を行ったハルヒは、部室に足りないものは何か考えだした。
その中で、やっぱりパソコンは必要だろうということにあり、どこかでパソコンを調達できないか考えた結果、コンピュータ研究部に行けばいいとなった。ハルヒは、キョンとミクルをつれてコンピュータ研究部に行き、いきなり「パソコン一式よこしなさい」と言い放った。当然そんな要望が受け入れられるはずもなく門前払いとなったが、ハルヒには奥の手があった。
ハルヒは突然コンピュータ研究部の部長の手をつかみ、自身の隣にいたミクルの胸に押し当てた。そして、その瞬間を写真におさめ「このセクハラ写真を校内にばらまかれたくなかったら、写真をよこしなさい」と半ば脅迫のような形でパソコンを要求した。
それに対して、コンピュータ研究部部長は、従わざるを得ず、なくなくパソコン一式を差し出したのであった。
SOS団には、キョン以外に、未来人の朝比奈みくる(あさひなみくる)・宇宙人の長門有希(ながとゆき)・超能力者の古泉一樹(こいずみかずき)が所属しているが、ハルヒは彼らがそんな特殊能力を持った人物だということは理解していない。本人が知らぬ間に、彼らを引き寄せたのだ。
ハルヒは、本人に自覚がない中で、解析不可能な超常現象を引き起こす存在であった。
実は、朝比奈・長門・小泉はそんなハルヒのことを、彼女自身に悟られずに観察するため派遣されてきた存在であり、彼ら自身もハルヒのことを観測対象としてみていた。
当初はこの話を虚偽申告だと思っていたキョンも、間もなく実際に超常現象に巻き込まれて命の危険に晒されたことにより、彼らの言葉を信じざるを得なくなる。
ある日の夕方、キョンは誰もいないはずの教室に行くと、クラスのマドンナ朝倉涼子(あさくらりょうこ)が1人立っていた。
彼女は、ハルヒのことをどう思うかとキョンに問い、キョンはこいつもまたハルヒのことかと飽き飽きしていたところ、朝倉が「あなたを殺して、涼宮ハルヒの出方をみる」と言って、ナイフを取りだしキョンのことをめがけその刃を突き立ててきた。実は、朝倉も長門と同じ宇宙人であった。
長門と朝倉は、共に情報統合思念体によって作られた、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースであり、ハルヒを観察することを任務としており、長門がメイン、朝倉がそのバックアップとして派遣されていた。
ただ、ハルヒはそんな状況を知る由もなく、いつもと変わらない日常を過ごしていた。長門は、ハルヒのことを観察するようにという命令を忠実に守っていたが、朝倉はバックアップとして派遣されていたこともあり、早く結果を出して上司に実力を認めさせたいと思っていた。しかし、なかなかハルヒに大きな変化が見られず、結果を得られないことに焦った朝倉は、ハルヒにとって大切な存在であるキョンを殺すことで、ハルヒに何か大きな変化が生まれるのではないかと思い、独断でこのような行動に走った。
この絶体絶命のピンチに陥ったキョンを救ったのは、長門であった。同じ宇宙人である長門との戦いの後、朝倉は敗れ去り消滅したが、その後のストーリーでも幾度か登場し様々な立場を演じることとなる。
キョンはこのことから、本格的に自分がおかしなことに巻き込まれたということを信じるようになった。
ある日、ハルヒはなぜか不機嫌であった。キョンが教室で話しかけても、どこかそっけなかった。その後、ハルヒが来る前のSOS団の部室にて、キョンとミクルが仲良さそうにパソコンの前でじゃれていたところ、そのタイミングでハルヒが部室に入ってきた。その様子を見たハルヒは、さらに不機嫌になる。
その後、キョンは何事もなく家に帰り、眠りについた。
ところが、自宅のベッドで寝ていたはずが、気が付くとハルヒと共に学校にいた。ハルヒもなぜ今学校にいるのかわかっておらず、2人は状況を把握できないでいた。
周りを見渡すと、確かに学校ではあるが、どこか雰囲気が異なり、不気味とさえ思えた。とりあえず、2人は一旦部室へと向かった。
その後、ハルヒが校内を探索しに行った間、古泉が超能力を使ってキョンのところへとやってきた。古泉曰く、「我々の恐れていた事態がついに始まってしまったわけです。とうとう涼宮さんは現実世界に愛想をつかして、新しい世界を創造することに決めたようです。つまり、世界崩壊の危機です」とのこと。
つまり、ハルヒは現実世界をほったらかしにして、新しく作った閉鎖空間の中でキョンと生きることを選択したのだ。
ハルヒは、はじめのうちは、見慣れない閉鎖空間やその中で「神人」というハルヒの精神的ストレスによって作り出される巨大な化け物が暴れていることに対し恐怖感を抱いていたものの、徐々に閉鎖空間で過ごす時間が刺激的になり、この世界(閉鎖空間)で生きていくことも悪くないと思うようになった。
もし、そのままハルヒの想いが変わらなければ、本格的に元の世界は消滅しかねない。そう思ったキョンは、元の世界に帰るようにハルヒを説得した。
しかし、なかなか元の世界に帰ろうとしないハルヒ。そんなハルヒに対して、キョンは突然キスをした。
それが引き金になり、次の瞬間目を覚ますと元の世界に戻っていた。
その後、何事もなかったように学校に来た2人。ハルヒは、「昨日悪夢を見た」と言い、閉鎖空間にいたことを現実だとは思っていなかった。
ハルヒは、はじめのうちは、見慣れない閉鎖空間やその中で神人(ハルヒの精神的ストレスによって作り出される巨大な化け物。)が暴れていることに対し恐怖感を抱いていたものの、徐々に閉鎖空間で過ごす時間が刺激的になり、この世界(閉鎖空間)で生きていくことも悪くないと思うようになった。
もし、そのままハルヒの想いが変わらなければ、本格的に元の世界は消滅しかねない(ハルヒが、閉鎖空間の方がよいと思えば、世界はその通りに動くというのが古泉の仮説)。そう思ったキョンは、元の世界に帰るようにハルヒを説得した。
しかし、なかなか元の世界に帰ろうとしないハルヒ。そんなハルヒに対して、キョンは思いもよらない行動をとった。
それは、突然のキスであった。
そのことがショック療法となったのか、次の瞬間目を覚ますと元の世界に戻っていた。
その後、何事もなかったように学校に来た二人。ハルヒは、「昨日悪夢を見た。」と言い、閉鎖空間にいたことを現実だとは思っていなかった。
涼宮ハルヒの退屈
ある日、ハルヒがSOS団の活動として市内のアマチュア野球大会に出ることを提案する。
ハルヒは、特別野球に興味があるわけではないが、大会に優勝してSOS団の名前を世に知らしめることを目的としていた。
SOS団は5人しかいないため、足りないメンバーとしてキョンの友達の谷口(たにぐち)や国木田(くにきだ)、ミクルの友達の鶴屋(つるや)さん、キョンの妹を補充して参加することとなった。
初戦の対戦相手は、「カミガハラパイレーツ」という優勝候補の大学生チームであり、キョンは大敗を覚悟していた。
キョンが思った通り、対戦相手は強力で、素人を寄せ集めたSOS団では手も足も出ず、それと共にハルヒの機嫌も悪くなった。
そのままでは、閉鎖空間が拡大し、ハルヒが作り出した神人が暴れまわってしまうため、古泉と長門は局面を打開するため、奥の手として長門の情報操作を使うこととなった。
奥の手を使ったことで、SOS団は嘘みたいに打ちまくり一気に大逆転。その裏の守りでも、守護神キョンが登板し、3人のバッターを仕留めてゲームセットとなった。
もちろん、キョンの投げた球は、長門の能力によって魔球と化していた。
結局、ハルヒはこの試合に勝利したことで満足したため、2回戦に進むことなくこの日は事なきを得た。
笹の葉ラプソディ
七夕の日に、ハルヒは突然笹の葉と短冊をもって部室にやってきた。
ハルヒ曰く、七夕の願い事は、織姫と彦星にかなえてもらうものであり、織姫と彦星の星であるベガとアルタイルに向けてメッセージを送らなくてはいけないとのこと。
ハルヒは、そのことをみんなに熱弁をし、短冊に願い事を書くように指示する。
その後、突然ミクルがキョンに3年前に行こうと提案をする。
突然の提案に驚くキョンであった。理由を聞いても、ミクルは答えてくれず、来てくれないと困るとしか言わなかった。
ただ、これまでミクルが未来人であるということ大きな証拠をつかめていなかったキョンは、いい機会だと思いついていくことにした。
そして、キョンはミクルと3年前の七夕の日の夜にタイムトラベルをする。
ミクルはタイムトラベル後突然眠ってしまい、その直後大人のミクルが現れた。
大人のミクルは「この道をまっすぐ行くと学校があります。その校門前にいる人に協力してあげて」と言いその場を去ってしまった。
言われた通り校門前に着くと、そこには3年前の中学生のハルヒがいた。
ハルヒは校庭に白線で絵文字を書くと言い、それを手伝うことになるキョン。
ここで、キョンは「これはいったい何なんだ」と聞き、ハルヒは「メッセージよ」と答える。
それに対してキョンは「まさか織姫と彦星宛てのメッセージじゃないだろうな」と言い、ハルヒは「どうしてわかったの」と驚く。
キョンはタイムスリップする前、ハルヒが織姫と彦星に向けてメッセージを伝えることを熱弁していたことを思い出し、3年前のハルヒも同じ考えだろうと思いそう答えた。
また、ハルヒがキョンに「宇宙人・未来人・超能力者がいると思う?」と尋ねた際、キョンは否定しなかった。
このことで、ハルヒは北高の制服を着ていたキョンに興味を持ち、北高に行けばもしかしたら自分が求めているような刺激的な人がいるのかもしれないと思ったのだ。
そのことがきっかけとなり、3年後ハルヒは北高へと進学することとなった。
その後、キョンとミクルはハルヒと別れ元の時代に帰ろうとしたが、ミクルがタイムトラベルの道具をなくしてしまっていた。しかし、タイムトラベルをする前に、長門から短冊を受け取っていたことをキョンは思い出した。それが何かのヒントではないかと思い、2人はイチかバチか3年前の長門のもとを訪ねた。すると、長門はそれをわかっていたかのように、2人を時間を止めることができる部屋の中に入れ、2人はそこで3年間眠り続け元の時代へと戻ることができた。
ミステリックサイン
ハルヒは、SOS団のホームページのトップページ用に、団のシンボルマークを作成し、それをキョンがホームページに搭載した。
しかし、シンボルマーク搭載後、ホームページのアクセスカウンターが吹き飛んでいたり、画像が歪んでいたりと、謎のエラーが発生し続け、なかなかハルヒが納得するような状態にならなかった。
そんな時、SOS団への悩み相談をするため喜緑江美里がやってきた。
その悩みは、行方不明となった彼氏(コンピュータ研究部の部長)のことを探してほしいといったものであった。
SOS団は、ひとまずコンピュータ研究部の部長の家を訪ねてみたが、そこにもちろん彼の姿はなかった。
しかし、長門と古泉は部屋の違和感に気が付いていた。
古泉曰く、閉鎖空間に似たような環境とのことであった。
ハルヒが帰ったあと、再びハルヒ抜きで集まったキョン、ミクル、長門、古泉の4人は、彼の部屋に入り異空間へと移動した。
そこは、広大な砂漠が広がる空間であり、敵意むき出しの大きなカマドウマのような物体が現れ、4人に向かって攻撃をしてきた。
古泉と長門の活躍により、何とかカマドウマを撃退し、元の世界へと戻ることができた。
探していたコンピュータ研究部の部長は、異空間の消滅とともに元の世界へと戻ってくることができた。
この異空間の発生原因は、ハルヒが書いたシンボルマークであった。このマークは436ペタバイトもの情報を有しており、これがトリガーとなり、異空間の主であるカマドウマが目覚めることとなっていた。部長は、たまたまSOS団のホームページにあるシンボルマークを見たため、自宅の部屋が異空間となり、カマドウマに侵略されてしまったのだ。
孤島症候群
ハルヒは、古泉が保有する無人島にある別荘で、夏休みにSOS団合宿をすることを決める。
孤島の無人島にその館は位置し、ハルヒの退屈を紛らわせるためにセッティングされたものであった。
これにより、古泉は2階級あがって、SOS団副団長に進級する。
島についたSOS団一行は、執事の新川(あらかわ)、家政婦の森園生(もりそのう)に出迎えられ、クルーザーに乗り、孤島を目指す。
孤島についたSOS団は館の主人多丸圭一(たまるけいいち)、多丸裕(たまるゆう)と出会い、中に入る。
2日目の朝、天気はいきなり嵐になり、館でハルヒらは麻雀や、いろいろなテーブルゲームをプレイし、アルコールまで飲むほど遊んだ。
だが、館に来て3日目、圭一氏が何者かに殺害される事件が起きる。
結局は、すべて古泉らが仕組んだゲームで、圭一氏らは機関のメンバーであり、殺人事件はハルヒの退屈を紛らわせるために考えられたものであった。
キョンたちは事件を推理していく中で事件の矛盾にいくつか気づき、これが仕組まれたものだということに気が付いたのであった。
推理を披露し、事件を解決したハルヒはとても満足そうにしていた。
これを機にハルヒは冬にも合宿をし、今度ははじめから殺人劇だということを明かして、余興をしてもらうと古泉に約束させた。
エンドレスエイト
エンドレスエイトとは、ハルヒの特殊能力によって引き起こされた超常現象のことである。
その現象とは、夏休みのラスト2週間が何度も何度も繰り返されるというものである。また、ハルヒを含めたSOS団全員がその現象に気付かない中、長門だけは唯一すべての日の出来事を覚えていた。
また、なぜこのようなことが起きたかというと、ハルヒは夏休みを満喫したいという想いが強く、夏休み最終日までにやっておきたいことをすべて消化できていない場合、無意識のうちに2週間前の8月17日まで時間を戻してしまっていたのだ。
夏休みの繰り返しに気が付いたSOS団はどうにか打開しなくてはいけないと思ったが、どうすればいいかわからなかった。
夏休み最終日前日に、喫茶店に集合したSOS団は、夏休みにやり残したことがないかどうか話し合いをし、その場ではハルヒからはもう何もないといわれた。
そうしてハルヒは家に帰ろうとしていたが、キョンは「まだ夏休みは終わってない!」と言ってハルヒを呼び止めた。そして、キョンからみんなで夏休みの宿題をやるぞという提案をし、ハルヒを除いた古泉・長門・ミクルを、半ば強制的にキョンの家へ集合させることが決められた。
ハルヒは、団員であるキョンが団長であるハルヒの許可なく物事を決めたことに対して立腹した。本心ではハルヒも一緒に行ってやりたかったのだが、なかなか素直に言えない。やっとのことで、照れながら自分もいくと伝えた。
翌日、SOS団はキョンの家に集合し、残された宿題を終えた。そのことがきっかけとなり、無限に繰り返されていた夏休みがようやく終わりを迎えた。
放送としては8週繰り返されただけであったが、アニメの中では8月17日~8月31日までを15532回目も繰り返しており、そのすべてを記憶していたのは長門ただ1人だけであった。
涼宮ハルヒの溜息
季節は秋。文化祭目前の県立北高校で、涼宮ハルヒはSOS団自主製作の映画を撮ると言い出す。
その映画のタイトルは『朝比奈ミクルの冒険Episode00』。ハルヒが映画の配役をメンバーに伝えたが、それがまさかの「ミクル=未来人」「長門=宇宙人」「古泉=未来人」となっていた。当然ハルヒは彼らの素性を知っていないため、たまたまそういう結果となった。
順調に撮影して行ったのだが、途中、ハルヒの願望を実現する能力の影響で神社の鳩が旅行鳩になったり、秋に桜が満開になったり、ミクルの目からビームが出たりと、ハルヒ以外のSOS団一同は大変な目に遭うのであった。
撮影に猫が必要だったらしく、ハルヒは1匹の猫を適当に拾い上げ、それを撮影に使う。
この時の猫がシャミセンと名付けられ、後にキョンの家で飼われることになる。
ハルヒは、シャミセンに対して、「しゃべりなさい」と無理難題を押し付けるが当然話すわけはない。ところが、ハルヒがいなくなったとたん、シャミセンは話だした。
このように、このまま現実とフィクションをごちゃまぜにしたハルヒが、フィクションを現実だと思うと、世界に悪影響を及ぼすことになってしまう。そこで古泉は、ハルヒに超常現象は非常識なもので、この世界はありふれたものしかないと認識してもらえるような、映画のオチを付けることで認識をあらためてもらわないといけないと提案した。
それに対し、キョンは今までをチャラにするようなオチをつけ、ハルヒに対し、映画の内容自体をでたらめなものだと自覚してもらうようにした。
それは、映画のエンドロールにて「この物語はフィクションであり、実在する…」という言葉をハルヒ自身に言わせるというものであった。
全ての映像を撮り終え、編集段階でキョンとハルヒが残ったが、ハルヒは早々に寝てしまい、その後キョンも編集途中で寝てしまったが、編集は完全に終わっていた。しかし、誰がやったのかは明かされていない。
この話のなかで、古泉とミクルのハルヒに対する意見が分かれている。
古泉は、ハルヒは世界そのものを変える力があると主張しているが、ミクルは世界はもともとそうなっており、世界の仕組みを変えるほどの力は持ち合わせていないと主張している。
また、ミクルはキョンに対し、古泉の言葉を信用してはいけないという忠告までしている。
古泉自身も、キョンに対してミクルのことをよく言っていない。キョンはハルヒのことを扱える唯一の存在であり、ミクルはキョンを魅了し、からめとるつもりだとも言った。
ライブアライブ
県立北高校の文化祭その当日の話である。
キョンや、谷口、国木田は、ミクルにもらった焼きそば喫茶どんぐりの割引券を使うため、喫茶店に向かった。
喫茶店で焼きそばを食べ終わった3人は、校内をそれぞれ分かれて散策することになる。
谷口はナンパしに行き、国木田はSOS団の映画『朝比奈ミクルの冒険Episode00』を観に、キョンはどことなく体育館へ出向く。
キョンは体育館で座り、のんびりとバンド演奏のライブなどを聞いていた。しばらくすると、涼宮ハルヒが、バニーの姿で登場。しかも長門有希もいた。
なんと2人は軽音楽部に交じり、「God Knows...」や「Lost my music」を演奏しているのだった。ハルヒはボーカル。長門はギターをしていた。しばらくして古泉もやって来た。
後にキョンがハルヒに聞いたところ、軽音楽部のメインボーカルが病気になり、文化祭に出演できなくなっていたところ、ハルヒに助っ人を頼み、ギターは長門に頼んだという。
この後、ハルヒは軽音楽部メンバーからお礼を言われるが、感謝されることになれいないハルヒは複雑な心境に陥ったが、すぐに復活し、来年はSOS団でもバンドをして発表しようと言い出した。
射手座の日
コンピュータ研究部がSOS団に勝負を挑む話。
勝負内容は、TheDayofSagittarius3というコンピュータ研究部自作のゲームで、コンピ研の部長はその勝負に勝ったらという要望を出す。要望は次のようなものであった。
1. コンピュータ研自作の対戦ゲームで勝負しようではないか。
2. 我らが勝てば現在SOS団の机に鎮座しているパソコンは、晴れて本来あった場所に帰還を果たすことになる。
3. だいたいだな、SOS団に多機能型パソコンは不釣り合いである。コンピュータはコンピュータ研にあってしかるべき機材であり、強く返還を求める次第である。
4. パソコン強奪時に部長及び部員たちが負担した精神的苦痛は。この際だから忘れてもいい。いや、忘れたい。お互い忘れよう。
5. 以下のような理由により、君たちは我々と戦わなければならない。…戦え。
早い話が「使ってないんだったら、パソコン返せよ」ということだった。
その後、SOS団が勝った場合、なにも戦利品はないため、ノートパソコン4台を進呈することを決める。
TheDayofSagittarius3で戦闘したが、長門有希の大活躍により、SOS団は勝利し、パソコン4台はSOS団の物となった。
また、コンピ研部長が長門のパソコンスキルを見抜き、たまにでいいから来てほしいと頼み、長門も了承する。
サムデイインザレイン
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目次 - Contents
- 『涼宮ハルヒの憂鬱』の概要
- 『涼宮ハルヒの憂鬱』のあらすじ・ストーリー
- 涼宮ハルヒの憂鬱
- 涼宮ハルヒの退屈
- 笹の葉ラプソディ
- ミステリックサイン
- 孤島症候群
- エンドレスエイト
- 涼宮ハルヒの溜息
- ライブアライブ
- 射手座の日
- サムデイインザレイン
- 『涼宮ハルヒの憂鬱』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- キョン
- 涼宮ハルヒ(すずみやはるひ)
- SOS団
- 朝比奈みくる(あさひなみくる)
- 長門有希(ながとゆき)
- 古泉一樹(こいずみいつき)
- キョンとハルヒのクラスメート
- 朝倉涼子(あさくらりょうこ)
- 鶴屋(つるや)さん
- 谷口(たにぐち)
- 国木田(くにきだ)
- その他の生徒
- 喜緑江美里(きみどりえみり)
- コンピュータ研究部部長
- 機関
- 多丸圭一(たまる けいいち)
- 多丸裕(たまる ゆたか)
- 森園生(もり そのう)
- 新川(あらかわ)
- その他
- キョンの妹
- シャミセン
- 『涼宮ハルヒの憂鬱』の用語
- SOS団
- コンピュータ研究部(通称コンピ研)
- ループ現象
- 情報統合思念体
- 広域帯宇宙存在
- 情報爆発
- 3年前の七夕
- 対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース
- 未来人
- 禁則事項
- 既定事項
- 時間平面理論
- 時間震動
- STCデータ
- TPDD
- 超能力者
- 機関
- 閉鎖空間
- 神人(しんじん)
- 『涼宮ハルヒの憂鬱』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ハルヒの自己紹介
- キョンとハルヒの気持ちが重なる「サムデイインザレイン」のシーン
- エンドレスエイトの最後
- 『涼宮ハルヒの憂鬱』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 長門のキョンへの気持ち
- 演奏シーンでのハルヒの表情
- 物語のキーワードは「3年前」
- 『涼宮ハルヒの憂鬱』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):平野綾「冒険でしょでしょ?」(第2話 - 第9話、第11話 - 第13話)
- OP(オープニング):平野綾「Super Driver」(2009年版第12話 - 第22話)
- ED(エンディング):涼宮ハルヒ(平野綾)、長門有希(茅原実里)、朝比奈みくる(後藤邑子)「ハレ晴れユカイ」(第1話 - 第13話)
- ED(エンディング):涼宮ハルヒ(平野綾)、長門有希(茅原実里)、朝比奈みくる(後藤邑子)「止マレ!」(2009年版第8話、第12話 - 第18話、第20話 - 第23話)
- 挿入歌:朝比奈みくる「恋のミクル伝説」(第1話)
- 挿入歌:平野綾「God Knows...」(第12話)
- 挿入歌:平野綾「Lost my music」(第12話)