ラブレイン（韓国ドラマ）のネタバレ解説・考察まとめ

『ラブレイン』 の概要

『ラブレイン』とは、2012年3月26日から5月29日までKBSで放送されたドラマである。韓国ドラマのヒットメーカーであるユン・ソクホ監督とオ・スヨン作家による作品で、韓流ドラマの傑作と言われている『冬のソナタ』から10年経ち、再び2人がタッグを組んだドラマということで話題になった。
放送後に多くの反響を呼び、2012年9月20日から熱烈なファンの支持を得て3部作で映画化された。それが『ラブレイン＜劇場ver.＞運命の恋』と『ラブレイン＜劇場ver.＞禁じられた愛』、『ラブレイン＜ステージ発表オフ用ver>』である。

このドラマでは、『美男ですね。』や『メリーは外泊中』などで人気を博した俳優チャン・グンソクと、韓国の人気ガールズグループ”少女時代”ユナがダブル主演したことでも注目を浴びた。

ユン・ソクホ監督が選んだドラマの舞台は1970年と作中における現代・2012年。1970年のソウル、大学時代に出会った韓国大学美術学科の学生で御曹司であるイナと、普通の女学生のユニはお互いに恋に落ちた。しかし、2人はその想いを成就させることはできなかった。
それから数十年が経ち、2012年。美術の教授になったイナは結婚して息子がいるも、未だにユニのことが忘れられない。一方、ユニはアメリカ留学先で出会った夫をなくし、一人で娘のハナを育ててきた。そして、イナとユニは雨の日のソウルで再会した。そんな中、イナの息子であるジュンと、ユニの娘であるハナが北海道で新たな出会いを果たす。ジュンは人気フォトグラファーとして働き、ハナはガーデナーとして働いている。ジュンもユニもお互いに反発しながらも恋仲に発展する。

ユン・ソクホ監督がこだわったのは、1970年代の空気感を表現した柔らかく美しい映像美。スピード感あふれる展開の韓流ドラマとひと味違う、親世代と子世代のそれぞれの淡くロマンチックなラブストーリーを描く。

『ラブレイン』のあらすじ・ストーリー

1話 「運命の出会い」

1970年のソウル。韓国大学の美術学科に通う日々を送るソ・イナは、友人のイ・ドンソクとキム・チャンモと共に、音楽喫茶で音楽活動をしていた。そんなある日、ベンチに座る女子生徒の清楚な佇まいに心を奪われたイナは、彼女を教室の窓からスケッチする。しかし少し目を離した隙に彼女の姿を見失ってしまい、慌てて外に出たイナはその女子生徒とぶつかってしまう。

呆然とするイナの足元に一冊のノートがあり、中を見てみると、それが先程の女子生徒の日記帳だと分かった。彼女の名前はキム・ユニで家政学科を専攻しているという事が、日記の内容で知ることが出来た。その夜、ユニの事が気になって仕方がなかったイナは、彼女の日記帳を読んでしまう。イナは日記を通してユニを知っていく内に、ますます彼女に興味を持った。
日記を読み進めていき、そこで映画『ある愛の詩』のセリフ「愛とは謝らないこと」という言葉を見つける。その映画が好きだったというユニの両親が、すでに亡くなっている事を知ったイナは、ハッとして日記帳を閉じた。

ある雨の日、図書館の前で傘を持っていなかったユニと鉢合わせしたイナ。イナは図書館の倉庫から壊れた傘を1本持って、勇気を出してユニに「一緒にバス停に向かおう」と誘う。イナはユニが濡れないように壊れた傘を広げ、通り過ぎる車の水飛沫が彼女にかからないように道路側を歩いた。そしてイナは勇気を出してユニを映画に誘う。その誘いに、イナの優しさに好意を持っていたユニは快く承諾した。

その数日後、イナの親友であるドンウクに好きな人が出来た。ドンウクの好きな人とこれから食事をするというので、イナも同席する事にした。するとそこへ現れた人を見て、イナは驚いた。ドンウクの好きな人というのはユニだったのだ。

2話 「青春とは？」

ドンウクもユニの事が好きだと知って、イナは親友の為にユニを諦めようと思い、自分が描いたユニの絵を美術学科のロッカーに入れた。しかし美術学科のアトリエに偶然来ていた友人のチャンモが、イナが描いたユニの絵を発見し、イナの気持ちに気づいてしまう。

翌日、イナはユニが作ってくれた弁当を一緒に食べようと美術学科のアトリエに誘う。イナが水を汲みに行っている間、ユニはアトリエを眺めていた。するとロッカーの扉が少し開いている事に気づいたユニは、ロッカーの中を覗いてみた。するとそこにはイナが描いたユニの絵があり、動揺した彼女はその場から立ち去ってしまう。

3話 「告白」

ユニの絵を描いている事を彼女に知られてしまったと気づいたイナは、急いで彼女を追いかける。ユニに自分の気持ちを話そうと口を開いたイナだったが、近くを通りかかったドンウクたちの姿が見えると、「あの絵に特別な意味は無い。風景と同じだ」と咄嗟に嘘をついてしまう。
ショックを受けて1人で歩いていたユニのもとにドンウクが現れる。そしてドンウクは「付き合って欲しい。一緒に始めよう」とユニに告白した。その時は返事を出せなかったが、ユニはドンウクの告白に心が揺れていた。

後日ラジオの公開生放送に出演することになったイナ、ドンウク、チャンモは練習の為、合宿を行う事にした。この3人と共にへジョン、インスク、ユニが合宿に同行する事になったが、当日ユニがいない事にインスクは疑問に思った。
その空気を察したドンウクは、彼女に告白した事を皆に明かした。もしその返事が「ドンウクと付き合ってもいい」ということなら、今日ここに現れるという。
そして列車の発車時刻になったその時、ユニがホームを走る姿を発見したイナは、彼女の手を掴み列車の中に引き摺り込んだ。

合宿先でイナは、大学を休学して兵役に就くことを明らかにした。合宿が終わり、イナは休学する前に自分の荷物を片付けていた。ロッカーにある自分が描いたユニの絵や彼女の日記が目に入ったが、兵役前に取りにこようとそのままにしておいた。その後イナはメッセージと共に、ユニに腕時計をプレゼントした。

兵役に就く前に旅をしたいと思っていたイナは春川（シュンジョン）に、スケッチ旅行に出た。その情報を聞きつけたユニは、彼をおいかけて春川にやって来る。

4話 「すれ違い」

春川の映画館で出会った2人は一緒に、映画『ある愛の詩』を観た。その後ソウルへ戻ってきた2人だったが、ユニの体調が優れず彼女は病院に行く事になった。ユニを心配しながらもイナは、仲間たちに2人の関係を話そうと待ち合わせ場所に向かった。

待ち合わせ場所の喫茶店に着いたイナは、チャンモ、へジョン、インスク、ドンウクの4人に「実はユニの事が初めから好きだった」と告げる。一方ユニは途中で倒れて病院に運ばれた後、自宅に戻ってきていた。
翌日ヘジョンはユニの日記帳を手渡しながら、今までイナがこの日記帳を持っていた事を明かした。その事実に驚いたユニは黙ってその場を立ち去ってしまう。

5話 「切ない別れ」

自宅に戻った来たユニは、自分の日記帳を今まで返さなかったイナに憤りを感じていた。そしてユニは激しく咳き込んだ後吐血してしまう。ユニは以前病院に行った時、結核を患っている事を診断されていたのだ。

ラジオの公開放送当日、イナとドンウクとチャンモはイナの自作曲「ラブレイン」を披露する。ステージから会場内にユニの姿を見つけ安堵しながら演奏を終えたイナだったが、突入してきた警察によって彼は逮捕されてしまう。イナは以前、演奏禁止曲を人前で演奏した事で警察に目をつけられていたのだ。逮捕されるイナの姿に動揺したユニは激しく咳き込み、その場に倒れ病院に搬送されてしまう。

一方イナは拘置所に収容された後、予定より早く兵役に就く事になった。イナが入隊する当日、ドンウクはユニから受け取ったという腕時計を彼に渡す。この腕時計が以前イナが彼女に渡したものだと気づいた彼は、彼女との別れを感じて涙を流した。

時は流れ、2012年。フォトグラファーとして活動しているジュンは撮影の為、日本の北海道を訪れていた。ちょうど同じ頃、大学生のハナもまた北海道に留学中だった。そんな2人は駅のホームでぶつかってしまった事をきっかけに、お互いを知る事になる。

6話 「ダイヤモンドスノー伝説」

ハナは携帯電話を無くした事に気づき、自分の電話番号に電話をかける。
自分の携帯電話を持っているジュンに携帯電話を返してもらおうとするが、彼は撮影の都合で各所を転々としている為なかなか会う事が出来ない。
怒ったハナは、ジュンが泊まっているホテルの部屋に忍び込み、ついに自分の携帯電話を発見する。しかし部屋から出ようとした所へ、彼が帰って来てしまい鉢合わせしてしまう。

ジュンはハナを警察に突き出してやろうとするが、「ダイヤモンドスノー」が見れる場所まで案内させる事で許す事にした。ジュンは寒さに耐えながらも雪山を登り、なんとかダイアモンドスノーを撮影する事が出来た。
ふと隣を見るとダイヤモンドスノーを眺めながら喜んでいるハナがおり、その笑顔に惹かれたジュンは思わず彼女に向けてシャッターを切ってしまう。

帰路に着いた2人は、寒さに震えるジュンを心配したハナの提案で温泉に立ち寄る事になる。そこでジュンは、「父親が初恋を忘れられず、そのせいで両親が離婚する事になった」と話す。それに対してハナは、自分の母親も初恋を忘れられないでいる事を話した。

7話 「ジュンの戸惑い」

ハナに見つめられたジュンが彼女にキスをしようと顔を近づけたその瞬間、ジュンの助手であるチョ・スが彼を呼びに来てしまい、2人は咄嗟に顔を逸らした。
チョ・スの運転でジュンが泊まっているホテルに戻ってきた2人だったが、ジュンはハナが泊まっているホテルまで車で送る事にした。途中ジュンの提案で一緒に食事をした後その店で、お互いの名前を知らないまま2人は別れた。

3ヶ月後、北海道から韓国のソウルに戻ってきたハナは一人暮らしをする為、部屋を探していた。その途中、自分の写真がジュンに勝手に使われている事を知ったハナは、彼の撮影スタジオにやって来た。ジュンのスタジオはカフェと病院が併設された「ホワイトガーデン」という建物で、今は不在だという彼をハナはカフェで待つ事にした。

8話 「恋の始まり」

スタジオにジュンが戻ってくると、ハナは自分の写真が勝手に使われている事を彼に問い詰めた。しかしジュンもこの事実を知らず、驚いた彼はクライアントのもとへ直接出向いた。
しかしクライアントからの答えは「この子をモデルとして雇いたい」というもので、それが出来なければジュンとの契約を解除するという。

仕方なくハナをスカウトする為、彼女の自宅を訪れたジュンだったが、意外にもハナはその話を快諾してくれた。

9話 「雨の中の再会」

ジュンは、自分のスタジオの上にある部屋に住む事になった。一方ハナは、ジュンのスタジオに併設されたカフェにある庭で庭造りのアルバイトをする事になり、そのカフェの2階の部屋に住む事になった。

イナはある雨の日ソウルの街を歩いていると、ある女性に出会った。その女性こそがイナの初恋の相手であるユニだった。

10話 「走り出した愛」

新しい部屋に引っ越して来たハナだったが、部屋の仕切りの向こうにジュンが住んでいる事が分かり困惑する。しかし今さら解約する事も出来ず、ハナは気まずい思いをしながらも渋々この部屋に住む事にした。

翌日、ハナはジュンに食事に誘われた。しかし待ち合わせ場所に着いたジュンが浮かない表情でいる事に気づいたハナは、ジュンを喜ばせようとする。その彼女の優しさを可愛らしく思ったジュンは、ハナにキスをした。