A3!(ゲーム・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『A3!』(ゲーム・アニメ)とは、スマートフォン向けのイケメン役者育成ゲームアプリ、またゲームアプリを原作としたアニメ作品。キャラクターたちは春組・夏組・秋組・冬組の4つのグループに所属しており、アニメは春組と夏組のストーリー「SEASON SPRING & SUMMER」と秋組・冬組のストーリー「SEASON AUTUMN & WINTER」全24話が放送された。
舞台役者の各キャラクターが物語の中で別の役を演じ、1人のキャラクターの色々な話し方や言い回しを楽しむことができる。

ホームページが更新されると、残っていたチケットは即完売。取材の問い合わせも入り、ゲネプロ公演にはたくさんのマスコミが押し寄せていた。舞台での演技に天馬は緊張し、他のメンバーも天馬の事が気になりいつもの演技とは程遠かった。ゲネプロでの醜態はネットにも拡散され、その日はミーティングをする事もなく解散する。しかし、幸が部屋に戻ると天馬の姿はない。天馬は劇場の舞台で1人練習をしていた。そこへいづみが自分の演劇での失敗を話す。あまりのひどさに天馬は引いた。しかしいづみは、その失敗でお客さんは笑い、失敗したけど最高に笑えた舞台になったと話す。完璧ではなくても、最高の舞台。舞台は1度きりで、お客さんもその1度きりを見に来ているのだ。完璧だけを見せるのではなく、その時の最高の舞台を作ればいいのだと言ういづみ。胸の内を話し少ししんみりしている天馬のもとへ、夏組メンバーが顔を出した。皆で練習しようと舞台へ上がるメンバーに手を引かれ、天馬もいつものように張り切るのだった。

第12話「克服のSUMMER」

夏組旗揚げ公演初日。天馬の緊張をほぐすために円陣を組み、気合を入れる夏組メンバー。幕が上がると同時に小学生の時のフラッシュバックを起こす天馬。横にいた幸が背中を叩き、ポンコツ役者と声をかけた。幸のお陰で落ち着きを取り戻し、いつもの天馬の演技でスタートする。皆は天馬にアドバイスをもらったことを思い出し、自分の課題をクリアしながら物語を進めていく。途中天馬がセリフを忘れてしまうが、椋が上手くフォロー。順調に初舞台は成功し、客席からは盛大な拍手が送られた。楽屋に戻り、皆は天馬の復活を喜び、翌日からの公演へ気持ちを新たにするのだった。

カーテンコールで観客の拍手に答える夏組メンバー。

千秋楽、天馬の両親や椋の元チームメイト、幸に絡んできた同級生も見に来ていた。春組も激励に訪れ、最高の芝居をするために舞台へ向かう夏組。ついてきてくれるかと皆に気合を入れた天馬は最初からアドリブを入れまくる。それに応えるようにアドリブで返す夏組メンバー。皆、しっかり舞台での演技を楽しんでいた。終幕、客席はスタンディングオベーションで夏組を讃えていた。
楽屋に戻った天馬の元へ井川が両親からの伝言を伝えに来る。天馬の舞台での演技と舞台をやるという判断を認めるという事、そしてたまには連絡してきなさいという内容だった。
皆が帰ったあと、チラシの残りを取りに来たいづみは左京と顔を合わせる。左京と話している途中で、初代夏組のビデオで端に写っていた稽古を見守っている少年が左京である事に気付く。いづみは左京に団員募集のチラシを渡し、絶対に来てくださいと声をかけその場を後にした。

SEASON AUTUMN

第13話「波乱の秋」

新生秋組団員オーディションの会場。いづみはスカウト枠として2人に声をかけているという。最初に会場に現れたのは夏組の宣伝用の写真を撮ってくれた大学生、伏見臣だった。彼がスカウト枠の1人である。続いて現れたのはテンションが高く明るい七尾太一。ノリが同じな一成とはすでに意気投合している。太一と一成の様子を見てワンワンコンビだという幸を見て、頬を赤らめる太一。幸を女性だと思ったようだ。男だと知って項垂れる太一に、天馬は見たことがあると声をかける。太一は同じ学校だからだと答えた。太一の方は天馬の事を知っていたらしい。太一に続いて会場に来たのは、いかにもヤンキーな感じの男。椋が「十ちゃん」と嬉しそうに声をかけたが、その男は気安く声をかけるなと一喝した。申込用紙に記入していると、松川がオーディション希望者として強引に男性を連れてきた。その男性が入ってきた瞬間、先ほど椋に十ちゃんと呼ばれた男性とにらみ合いが始まる。しっかり顏を見た太一は、太一の後に来た男性が先輩の兵頭十座だと気付く。喧嘩で負けなしの有名人らしい。結局松川が連れてきた男性もオーディションに参加することになった。最後にスカウト枠のもう1人、左京が現れ、オーディションが始まった。
今回のオーディションの課題は、皆同じ設定を同じセリフで演じるというもの。ぎこちないがよくとおる声の臣、慣れた感じで演技をする太一、器用に未経験とは思えない演技をする松川が連れてきた男性摂津万里、いづみが親近感を持つほどに下手だが、芝居への気持ちの強い十座。そして子供の頃に少しだけ演劇経験があるという左京の演技は、全くブランクを感じさせない円熟したものだった。
全員合格とのいづみが発表したそばから言い合いを始める万里と十座。その2人を左京が一喝し、秋組も5人そろった。

荷物を背負って左京のもとへ押しかけてきた迫田。

十座が寮に入ると言うと、万里も対抗して入ると答える。続いて他の3人も入寮が決定。そこで左京は万里と十座を同室にするように言う。このままでは2人の関係が秋組の足枷になるのは目に見えており、共同生活をさせることでチームワークを身につけさせるためだ。2人は文句を言うが、左京の迫力には敵わない。左京の元へは迫田がファン1号兼付き人として押しかけてくるため、左京が1人部屋、臣と太一が同室となった。
引っ越しの荷物も運び終わった頃、万里と十座は部屋で片付けをしながらまた口論を繰り広げていた。喧嘩を吹っ掛けたい万里と、演劇に本気になりたい十座。万里は日々何事もそこそこうまくこなす事ができ、人生イージーモードだと思っていた。そしてその生活が退屈でつまらなく感じていたのだ。万里は殴りかかりながら、殴ってこいと十座を煽る。十座が殴りかかろうとしたところで、夕食ができたと呼びに来た臣が止めに入った。臣は十座を力で軽く抑え、イライラする万里は太一に促され部屋を出る。十座は「また挑発されてカッとなることがあったら止めてほしい」と臣に頼んだ。十座は本気で芝居をしたかったのだ。臣は十座の頼みを快諾した。これまでイージーモードで過ごしてきた万里は、過去十座に喧嘩を売った際に一瞬で負かされ、それ以降2度と負けないと何度も絡んでいたが十座は相手にすることなくやり過ごしていた。
寮のバルコニーで1人佇んでいる十座のもとへ椋が声をかける。嬉しそうな椋に、十座は厳しい口調で話しかけるなと言う。劇団では身内である事は秘密にし、十ちゃんと呼ぶなと言う十座。椋は十座の言葉を受け、自分と親戚だと知られたら迷惑だよねとさみしそうにその場を後にした。しかし十座の言葉は、自分のような不良が身内だという事で、椋の評判が下がることを心配してのものだったのだが、椋にその思いは届いていなかった。十座は芝居に本気で取り組み、椋が誇れるような身内になると決心するのだった。

第14話「ふぞろいなバディ」

顔を合わせる度に言い争いをする万里と十座。太一と臣はその都度2人を引き離している。その状況は全体ミーティングで集まった際も例外ではなかった。なんとか万里と十座を引き離したところで、左京が現れた。今後は質素倹約節制生活を掲げ、風呂の時間や消灯時間を決めるという。明らかにテンションの下がる劇団員たちに、これくらいしないといつまでも借金を返せないと怒鳴る左京。借金返済についてどう考えているのかいづみと松川に詰め寄る。いづみは冬組までの公演を終わらせることしか頭になかったと答え、松川は日本最高峰の演劇賞であるフルール賞の賞金が1,000万円で賞を取れば借金は一発完済だと答えた。しかし、フルール賞は初代でもノミネート止まりだった賞で簡単に取れるものではない。フルール賞に関しては高すぎる目標だがとることは目指すことにし、秋組の公演成功に向けて劇団員たちは心を新たにした。
秋組稽古初日、まずはリーダーと旗揚げ公演の座長となる主演を決める。春組、夏組と同様に秋組もリーダーが座長となる主演を務めことになり、これまでの経験や年齢を考えいづみは左京を推薦した。しかし左京は、若いやつにリーダーを任せた方が良い経験になり秋組全体の成長も見込めるとして辞退。立候補するか悩んでいる十座を見た万里は俺しかいないと手を挙げた。他からの異論はなく、秋組のリーダーと旗揚げ公演の座長は万里に決まった。芝居に対する本気度が誰よりも低い万里をリーダーにする事に左京は不安を感じたが、いづみは芝居に本気になれる良いきっかけになればと考えていた。
翌朝、登校のために寮をでた十座を同じ高校の太一が追いかけ一緒に行こうと誘う。その後ろから天馬がうちの車に乗っていくかと声をかける。「俺は一人で」と渋る十座を太一は半ば無理やり車に乗ろうと促した。寮の中では、十座たちと同じ高校生のはずの万里がのんびりしている。朝の授業をサボろうとしている万里に、いづみはきちんと行くように注意していると、スマホゲームのランキング争いに忙しく明らかに寝不足な様子の至が起きてきた。話をしているとランキングで争っている相手が万里であることが判明する。至は夜に共闘しようと万里を誘い、出社して行った。至が出かけた後、もう少し寝ようとする万里にいづみはきちんと学校へ行くようにと改めて注意する。しかし万里は出席日数も計算しているし、テストもきちんと点数取れるから大丈夫だと相手にしない。そこへ左京が現れ「学校は?」と訊ねると、万里は学校へ行かなくても何でもできるから自主休講だと答えた。学校に関しては左京は自分もろくに行っていないため説教できる立場ではないとしながらも、何でも完璧にできるのではなくそこそここなしているだけだと言い切る。その程度で全能感に浸れるのは向上心がないからだと言い残し左京は出かけて行った。

一緒に登校する十座と太一と天馬。

左京は秋組の稽古の中で皆をまとめながらも、毎回最終の決断はリーダーである万里に投げており、万里はわざわざ自分に確認してくることにわずらわしさを感じ苛立ちを感じていた。
いづみは秋組の脚本について、主演を万里としつつも十座にも大きな役を当てられないかと綴に相談。いづみは芝居に対しての気持ちが強い十座が中心となることで、舞台全体に良い影響が出ると考えており、綴は少し考えた後何かを思いつき、任せてほしいと意気込んだ。
団員たちが談話室で談笑していると、綴がふらふらになりながら脚本を持って飛び込んできた。秋組旗揚げ公演は、ギャングスターを主役にしたバディものだ。主役を張る万里と十座の息が合わなければ総崩れになってしまう。万里はいつものように十座を煽り口論になりかけたところで左京は荒療治が必要だと2人を手錠で繋いだ。
手錠で繋がれ常に一緒に居なければならなくなった2人はその状態にうんざりし、外で左京の帰りを待つことにした。寮の前に居る2人に見送られいづみは買出しのために出かけるが、寮から少し進んだところでひったくりにバッグを取られてしまう。いづみの悲鳴を聞き駆け付けた万里と十座は、2人でひったくり犯を追う。多少揉めながらも先回りしてひったくり犯を捕まえ、バッグを取り返した。帰宅し話を聞いた左京は、2人の様子をみて手錠を外す。外した途端、喧嘩を始める万里と十座に、何も学んでいないのかと怒る左京。もう一度手錠で繋ごうとする左京から2人は慌てて逃げ出すのだった。

第15話「一人芝居」

劇団員寮104号室、朝練へと向かう十座はまだ寝ている万里にも声をかける。しかしその日、万里は朝練に参加せず皆が朝食をとっているところへ起きてくる。朝練に来なかった理由をいづみが尋ねると、布団が放してくれなかった、同じ練習量をこなさなくてもダントツでやれると悪びれる様子もない万里。稽古をしていても十座の演技の下手さを鼻で笑うだけで、自分は出来ていると自信満々だ。
秋組の旗揚げ公演用の衣装を幸が揃え、迫田が小道具であるモデルガンを用意してきた。衣装を着てモデルガンを構える秋組メンバーを見て犯罪者集団の様だと苦笑いするいづみ。モデルガンの箱の中にヨーヨーを見つけた太一は「めっちゃ得意」と技を披露して見せる。感心する秋組メンバーに、昔ものすごく練習したと話す太一。太一がヨーヨーで技を披露したのを見て万里はヨーヨーを手にとり、あっさりと数々の技を披露。一回見たら何でもできるという万里に、必死にヨーヨーを練習して技を習得した太一はがっくりと肩を落とした。ワイワイとしている談話室に松川が慌てた様子で飛び込んでくる。ポストに秋組公演を中止しろと書かれた脅迫状が入っていたのだ。悪質ないたずらだとしながらも公演まで用心しようという事になった。

ポストに入っていた脅迫状。

夜の稽古中、入ってきた雄三は入団した左京の顏を見てとても嬉しそうだ。春組と夏組に続いて、秋組の稽古も見てくれるのだと言う。早速演技を見た雄三は「お前らの芝居には、お前ららしさがこれっぽっちも出ていない」と言い、ポートレートをやることを提案する。ポートレートは制限時間5分の中で自分の半生を元にした一人芝居を行う。脚本、構成、演出を全て自分1人でこなし、発表の場は雄三が面倒を見ている劇団の前座として客の前で行う事になった。テーマは人生最大の後悔、観客の投票で順位も決める。
ポートレートに取り組む十座は、書きたいことはあるがまとめ方がわからずに悩み左京に相談する。左京は書きたいことを全部書いてから、必要ないと思えるものを削っていけと書き方を教えた。十座は左京に何について語るのかを尋ねたが、左京は答えをはぐらかした。
万里と一緒にゲームをしていた至は、ポートレートの準備はしているのか聞く。万里は人生スーパーウルトライージーモードだから、人生最大の後悔とか言われてもわからない、テキトーに話を盛って何とかすると答えた。至は監督さんは騙せない、手を付けるくらいはしておけと忠告した。
キッチンで皆の夜食にスコーンを焼いている臣。横で話を聞きながら夜食作りの様子を見るいづみにスコーンが焼けるまで自分のポートレートを見てほしいと臣は申し出た。
同じころ、左京もポートレートを作っていた。母子家庭で金のかかる遊びは出来なかったが、幼少期の左京はできたばかりのMANKAI寮で劇団員たちの稽古の様子を眺めるのが楽しみだった。
ある日、見知らぬ少女に声をかけられ、寮の中へ引っ張られていった左京に中を見ていくかと優しく笑ってくれたのが、当時の主宰である立花幸夫だった。芝居に興味はなかったが、稽古場に出入りして団員たちと話すうちに芝居にひかれていくようになり、舞台に立つという夢を持つようになった。
しかしいつしか、家を助けるためにヤクザの下っ端のような仕事をするようになり、稽古場には顔を出さなくなった。公演は毎回見に行っていたが劇団が寂れていく様子も目の当たりにしており、耐えられなかった左京は劇団に金を貸すことでしか劇団に関われず、大変な時に支えることもできずに幸夫に恩返しすることもできなかったことを後悔している。
臣は昔の相棒だったナチの話をする。臣とナチは暴走族のダブル総長として名を馳せており、対立するグループとの抗争の中で臣は全治一か月の傷を負い、ナチは打ちどころが悪く、息を引き取った。体が動くようになってから、襲ってきたグループを壊滅させた後チームを抜け暴走族とのつながりを絶ったが、いつも虚しさを抱え何かに熱くなることもできずに過ごしていた。ナチの墓参りに行った際に彼の両親に会い、彼が役者になることを夢見ていた事を知る。つるんでいたころも演劇を見に足を運んでいたらしい。ただ無為に過ごしていた臣は、ナチの代わりに役者になることを決めた。それで少しでもナチが浮かばれればいいと考えているのだ。純粋に役者を目指しているわけではないため、まっすぐに役者を目指して頑張る十座に対して、自分は他人の変わりに役者を目指しているという事に後ろめたさを感じているのだという。しかし話を聞いたいづみは、きっかけは友達の代わりだったとしても、今は臣自身も芝居を楽しんでいるように見えるという。いづみの言葉をきいた臣は、役者になるという夢が既に自分の夢になっているのだと気づいたのだった。臣はいづみに話を聞いてくれた礼をし、出来上がったスコーンを皆に差し入れて回った。
ポートレートを作る秋組のメンバーは、本番の発表の前に中間報告として、それぞれ雄三の前で披露することになった。

第16話「違う誰かに」

雄三といづみの前でそれぞれポートレートを披露する秋組。5人のポートレートを見終わったいづみと雄三の意見は同じだった。皆を集めて現時点での順位を発表する。一番良かったのは十座、次点で左京と臣、三番目は太一、万里が最下位だった。納得がいかずに食って掛かる万里に、いづみは万里のポートレートの内容は全て作り話であると指摘する。内容や構成も完璧だった自分のポートレートに対して、審査する側がセンスゼロだと言い返す万里。雄三は当日の審査員は自分たちではないがと前置きし、お前は十座に負けると断言。万里は舌打ちし、その場から離れた。
ポートレート本番当日、万里は劇団を辞めると言い寮を出る。臣と太一は止めるが、左京は二度と寮の敷居を跨ぐなと冷たく言う。玄関で話しているところへ、十座が帰ってきた。無責任に劇団を辞めると言い出した万里に、十座はどういうつもりなのかと聞く。万里は勝負はもうついている、はなから相手にならないと十座を押しのけ玄関を出ようとする万里。十座は技術について万里の方が上だと認めながらも、芝居への想いは自分の方が強い、だからお前に負けるわけないと言い切る十座。万里は捨て台詞を残し、寮から出ていった。
イラつきながら街をぶらつく万里を、いづみが見つけて呼び止める。もともと芝居は十座に勝つために始めた事だから、勝っていると分かればやる意味はないという万里に、本当に勝っているかどうか自分の目で確かめてみろといういづみ。このままいなくなったら、結果を知りたくなくて逃げているようだと言われた万里は、ポートレートを見ることにする。

ポートレートを見るために劇場へきたいづみと万里。

左京は失った時間を取り戻すためになりふり構わずに芝居と向かい合って生きている事、臣は相棒だったナチの夢が自分の夢になった事、太一は小さいころ隣に住んでいた、ちょっと変わった女の子へ想いを伝えられなかったことを後悔している事をポートレートとして発表した。
そして十座は芝居との出会いと、消極的になってしまった過去を話す。容姿と社交的になれない性格で孤立し、降りかかる火の粉を払っていたら地元最強の不良と呼ばれるようになってしまっていた。芝居との出会いは中学の文化祭。芝居の中でなら別の誰かになれるのではないかと感じ、役に立候補しようと手を挙げかけた十座に、担任は大道具係りを任命した。それから十座は希望を持つことを辞めたが、それでも芝居への気持ちを断ち切ることができずにいた。演劇を見に行くうちに、芝居への気持ちはどんどん大きくなる。そしてとても大人しかった従弟の椋が、演劇を通して別人のようになっている姿を見て激しく嫉妬し、憧れた。椋の姿に刺激を受け劇団に入り、今までの自分と変わる決意をする。舞台が孤独だった自分の最後の希望だと締めくくり、ポートレートの発表は終了した。
万里は集計の結果を聞かずとも、十座が1位だと感じていた。そして改めて十座に芝居で勝ちたいと思った。このままでは終わらせられないという万里に、一緒に寮へ帰ろうと声をかけるいづみ。
寮へ帰ると太一と臣は笑顔で迎えたが、左京は簡単に辞めるような人間を仲間として信用できないと言う。皆の一人芝居を見た事を伝え、自分が負けたと感じたと話す万里の言葉をメンバーたちは驚きながら聞いていた。今度は本気でやってお前らに勝ちたい、だから戻らせてほしいと頭を下げる万里。今後はリーダーとして人一倍責任を果たすことを条件に、万里は戻ることになった。話がまとまったところで、太一が皆で一緒に風呂に入ろうと提案する。寮の風呂は広いとはいえ、ガタイの良い男ばかりが一気に入るとさすがに狭い。皆から少し遅れて、眼鏡をしていない左京が入ってくる。眼鏡をかけていない左京は少し幼く見え、体の線も細い。左京にとってはコンプレックスの様だ。皆で湯舟につかりながら、秋組公演を成功させるという意気込みを再確認する。春組、夏組が成功しており、秋組がコケるわけにはいかない。
翌日、稽古場では万里と十座が他のメンバーより先に稽古を始めていた。それぞれ明るい表情で気合を入れ直す中、スマホの着信を見て顔を曇らせる太一。臣は太一のその様子に違和感を覚えていた。

第17話「告白」

ゲネプロの前日、チケットが完売し、千秋楽本番を成功しようと意気込む秋組。しかし楽屋には切り裂かれた衣装と、舞台を中止しろという脅迫状があった。ゲネプロは他の衣装で代用するとしても、本番はどうしたものかと悩むいづみに幸は「作り直す」と宣言する。本番までは後2日。嫌がらせに負けてたまるかという幸の言葉を受け、いづみは公開ゲネプロの中止を決断、皆で幸を手伝い本番までに新しい衣装を作ろうと呼びかけた。幸の指示で衣装の作り直しにとりかかるメンバーたち。2日間ほとんど寝ることもできずに作業し、衣装は無事完成した。片付けはいづみと幸に任せ、秋組メンバーは本番まで少しでも仮眠をとることにする。ゲネもなしに寝不足で初日を迎える事に、いづみは不安にならずにはいられなかった。
初日の劇場ロビーでは、松川が客席の案内を間違えたらしく晴翔に頭を下げていた。いづみが松川に事情を聞いていると、GOD座の主宰であるレニが現れ少し話をした後、晴翔を連れて客席へ向かった。
ついに初日を迎え気合を入れるメンバーたち。しかし舞台袖には1人不審な動きをしている太一の姿があった。太一を目撃していた左京は上演中に気になってセリフを飛ばしてしまい十座がアドリブで繋ぐ。終演後、左京は自分のミスについて皆に頭を下げた。皆が帰った後、劇場の客席に座っている左京。いづみが声をかけると、ずっと夢見ていた舞台で失敗したことで左京はひどく落ち込んでいた。いづみはゲネもなく寝不足だったのだからと慰めるが、左京はどんな理由があろうとミスには変わりなく、舞台に立つ資格などないとすっかり自信を無くしている。いづみは秋組の他のメンバーと対等な立場に立とうとせずに、遠慮しているのは何故なのかと左京に訊ねる。年齢を理由にする左京の姿はいづみには逃げているように見えた。年齢に関係なく舞台に立つなら成長のためにこれまでの自分を捨てるべきだと話すいづみに励まされた左京は、舞台に本気になろうと気持ちを固める。左京の目は力強く、口元は無敵な笑みを浮かべていた。翌日から左京の演技が変わった。他のメンバーもそれを感じていた。誰にも負けないという意思をぶつけ合う左京たちだったが、太一だけは様子が違っていた。

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