『カリキュレーター』とは、2014年に公開されたロシアのSFサバイバルアクション映画。アレクサンドル・グローモフの同名小説を原作にしており、ドミトリー・グラチョフが監督を務めた。システムによる厳重な管理体制が敷かれた惑星を舞台に、流刑を宣告された囚人たちは、惑星のどこかに存在すると噂される「幸福の島(Happy Isles)」を目指して過酷な旅に挑むことになる。
『カリキュレーター』の概要
『カリキュレーター』とは、2014年に公開されたロシアのSFサバイバルアクション映画。アレクサンドル・グローモフの同名SF小説を原作に、ドミトリー・グラチョフが監督を務め、エフゲニー・ミローノフ、アンナ・チポフスカヤ、ヴィニー・ジョーンズ、ニキータ・パンフィーロフらが出演する。
物語の舞台となるのは、人類が植民した惑星、XT-59。この惑星では都市を管理するシステムによって住民の生活が厳しく統制されており、規則に背いた者には「惑星からの永遠の追放」という過酷な刑罰が科せられていた。流刑者たちが送り込まれるのは、広大な沼地が果てしなく広がる危険な外界。そこでは厳しい自然環境だけでなく、地下に潜む未知の脅威なども待ち受けており、追放された者にとって生存そのものが極めて困難な世界となっている。
物語は、流刑を宣告された10人の囚人たちが、危険なサルガッソー沼を越え、惑星のどこかに存在すると噂される「幸福の島(Happy Isles)」を目指して過酷な旅に挑む。この島は、危険な惑星環境から逃れられる安全な場所とされている一方、その実在そのものが伝説や噂に近い存在でもあり、彼らは「本当に幸福の島が存在するのか」という不確かな希望を頼りに進まなければならない。惑星の過酷な自然環境だけでなく、囚人同士の対立や駆け引きも生存競争に拍車をかけていく。
ロシア映画としては比較的珍しい、本格的なSFサバイバルを前面に押し出した作品で、広大な沼地や荒涼とした惑星を舞台に、CG・VFXを活用した異世界的な風景を描きながら、怪物退治や冒険だけではなく、「管理された社会から追放された人間が自由を求める」というディストピア的な設定も盛り込まれている。
また、極限状態に置かれた人間たちの心理、権力争い、裏切り、協力、そして「幸福とは何なのか」というテーマが、サバイバルドラマの中に組み込まれている。
ロシアではSF作品そのものが決して珍しくない一方、ハリウッド型の大作とは異なる独特の陰鬱な空気感や、荒涼とした風景、社会システムへの服従を強いられる人々の姿などが本作の個性となっている。
『カリキュレーター』のあらすじ・ストーリー
幸福の島を目指す囚人たち
人類が宇宙に生活の場を広げて1000年が経った。底なし沼が広がるXT−59惑星ではシステムによる厳しい管理体制が施行されており、人々は仕事や配偶者にいたるまでシステムによって決められる暮らしを強いられていた。
このシステムに反対したクリスティは流刑に処されてしまい、他の受刑者とともに沼を300kmも歩き、「幸福の島」という刑務所を目指すことになる。
受刑者の中でも特に乱暴なユストが場を仕切り始める中、クリスティとエルヴィンは別行動をとることになった。
エルヴィンの秘密
実は、エルヴィンはこの星の総統の元顧問官で、管理システムにエラーを仕込んでいた。
エラー解除のコードを知るのはエルヴィンだけのため、一部の囚人には、「エルヴィンを生きて捕える」という指令が下っていた。これを知ったユストは、エルヴィンを不意打ちで気絶させ捕まえる。
ユストは管理者の指示に従い、旧刑務所までエルヴィンを運ぶが、エルヴィンは隙を見つけて脱出。ユストも管理者を裏切って殺そうとするが、失敗し撃たれて負傷。他の囚人たちも管理者の人質となってエルヴィンを脅迫するが、生きていたユストが管理者を殺す。
幸福の島へ
外に出たエルヴィンとクリスティは人が乗れるほどしっかりした浮き草を見つけ、風を受けて幸福の島へ向けて進み出す。エルヴィンらは管理者の偵察機に見つかるが、エルヴィン自身が残してきたエラーによって管理システムは停止。難を逃れた。偵察機は墜落し、エルヴィンとアンナはシステムへの勝利を喜び合う。
こうして遂に幸福の島に流れ着いた2人だったが、そこは軍の秘密基地で、総統の脱出機が隠されていた。
XT-59からの脱出
エルヴィンは過去の総統とのやりとりからヒントを得て脱出機の認証に成功するが、脱出機は1人乗りだった。エルヴィンはクリスティを脱出機に乗せようとするが、彼女はエルヴィンと島に残ると言い出す。
結局2人で無理矢理脱出機に乗り込んでXT-59惑星を脱出、銀河軍にこの星のシステムの惨状を知らせる。
銀河軍は星のシステムを破壊したが、10年後、この星では以前より更に非情なシステムが構築されることになるのだった。
『カリキュレーター』の登場人物・キャラクター
主要人物
クリスティ(演:アンナ・チポフスカヤ)
本作の主人公のひとり。XT-59惑星に布かれた管理体制に異を唱えたことで流刑に処された。刑務所へ向かう列の中でエルヴィンと出会い、彼と一緒に「幸福の島」を目指すことになる。
エルヴィン・カン(演:エフゲニー・ミロノフ)
画像右がエルヴィン
本作の主人公のひとり。元はXT-59惑星の管理者だったが、苛烈なまでの管理体制に疑問を感じ、システムにエラーコードを残して逃げてきていた。「幸福の島」を目指す過程でクリスティと出会い、2人で惑星からの脱出を目指す。
その他
ユスト・ボルグ(演:ヴィニー・ジョーンズ)
クリスティやエルヴィンと共に刑務所を目指していた囚人のひとり。乱暴者で場を仕切り始める。エルヴィンの正体を知って捕縛しようとするが、失敗して撃たれ負傷。
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