ジョーカー・ゲームのエンドカード・東京十二景まとめ

『ジョーカー・ゲーム』とは、柳広司による短編ミステリー・スパイ小説、およびそれを原作とした漫画、アニメ作品である。テレビアニメ『ジョーカー・ゲーム』は、スタイリッシュなスパイたちの活躍が話題になった。昭和初期特有の、和と洋が融合した独特の世界観も魅力の作品である。ここでは、スパイたちの日常を描いたレトロな味わいのあるアニメ『ジョーカー・ゲーム』のエンドカードを紹介する。
イラスト:板津匡覧
第11話のエンドカードは、現千代田区にある日比谷公園を舞台に。
キャラクターは蒲生と生前の三好。
日比谷公園 - Wikipedia
ja.wikipedia.org
第12話「XX ダブル・クロス」

イラスト:板津匡覧
最終回の背中で語るエンドカードは神田萬世橋駅を舞台に。
キャラクターは佐久間中尉を除き、結城中佐を含むD機関員の面々。
光が当たっているところは小田切だと思われる。D機関員ではなくなる、ということの暗示か。
結城中佐に背を向けている所から、彼らがこれから世界に散らばって暗躍し始める姿を示唆しているように思える。
キャラクターは、左から、神永、実井、田崎、甘利、三好、福本、小田切、波多野、結城。
万世橋駅 - Wikipedia
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板津匡覧の「1枚のエンドカードができるまで」
エンドカードを担当した板津匡覧が自身のXで解説していたエンドカードに関するポストを紹介する。
tvアニメーション「ジョーカー・ゲーム」の放送も中盤となましたので、自分が担当しているエンドカードの解説(のようなもの)でもやってみようかと思います。ひっそりと。
— 板津匡覧 Yoshimi Itazu (@jokerendcard) May 15, 2016
ジョーカー・ゲームのエンドカードは作画、彩色、共に全て板津が担当しておりますが、タイトルの筆文字のみ、五十嵐祐貴くんという書道が達者なアニメータにお願いしております。エンディングには記載されていないのでここに記しておきます。
— 板津匡覧 Yoshimi Itazu (@jokerendcard) May 15, 2016
五十嵐くんは、板津がキャラクターデザインと作画監督を務めました、映画『百日紅~Miss HOKUSAI~』においても、筆でのアニメーションを担当していますので興味を持たれた方は、そちらもよろしく。
— 板津匡覧 Yoshimi Itazu (@jokerendcard) May 15, 2016
エンドカードの、発注側からのオーダーとしては、「本編では描かれない機関員達の日常を描く」というものでしたので全体的にその方向で描いています→
— 板津匡覧 Yoshimi Itazu (@jokerendcard) May 15, 2016
が、「男どうしがイチャイチャしているところを描き続けるだけだと自分のモチベーションがもたない、、、」ので、別の文脈も重ねる事に。
— 板津匡覧 Yoshimi Itazu (@jokerendcard) May 15, 2016
そこで思いついたのが、当時の東京の風景も必ず描き込むというシバリでした。この時代なら「風立ちぬ」に参加していた時に集めた資料が使えるし、と。
— 板津匡覧 Yoshimi Itazu (@jokerendcard) May 15, 2016
名所連作モノにするなら、浮世絵だろういうことで絵スタイルもそちらで統一する事に。
— 板津匡覧 Yoshimi Itazu (@jokerendcard) May 15, 2016
名所絵といえば、広重『名所江戸百景』なので、背景の枠線の形はそちらから拝借。 pic.twitter.com/txE14z4p89
— 板津匡覧 Yoshimi Itazu (@jokerendcard) May 16, 2016
ただ、ジョーカー・ゲームは昭和初期の設定なので、絵の中身は新版画っぽいニュアンスを目指しています。
— 板津匡覧 Yoshimi Itazu (@jokerendcard) May 16, 2016
吉田博、川瀬巴水、伊東深水の版画とかですね。
♯01「銀座ライオン」 pic.twitter.com/fcJMnaScYD
— 板津匡覧 Yoshimi Itazu (@jokerendcard) May 19, 2016
~製作工程~その1
— 板津匡覧 Yoshimi Itazu (@jokerendcard) May 19, 2016
ラフを描く。この段階で監督および発注元にチェックしてもらい修正部分などあれば反映します。
液晶タブレットでPhotoshopを使って作業。
以後の作業は主線の清書以外は全てPhotoshopです。 pic.twitter.com/tYFt5uO7JV
~製作工程~その2
— 板津匡覧 Yoshimi Itazu (@jokerendcard) May 19, 2016
構図を調整しつつキャラクターを清書。ここだけ紙と鉛筆。後の作業を考えて分けて描いておきます。
通常、アニメーションの作業だと、ここで影の線も描くのですが、今回は彩色も自分なので主線のみで終わり。 pic.twitter.com/3oTxZhGwCB
~製作工程~その3
— 板津匡覧 Yoshimi Itazu (@jokerendcard) May 19, 2016
スキャン後、ゴミ掃除などして(2値化はしません、理由は後ほど)彩色。
本編のノーマル色のデータをもらっって塗り。影は投げ縄ツールで選択範囲とって塗ってます。少しくらいのはみ出しは気にしない。 pic.twitter.com/glLuyWQ2Py
~製作工程~その4
— 板津匡覧 Yoshimi Itazu (@jokerendcard) May 19, 2016
背景素材も鉛筆で清書。やはり後の作業のために分けておく。
ちなみに、柱や窓などの連続物は片方だけ描いてコピペしてます。効率も大事。 pic.twitter.com/sXhYbFz9R4
~製作工程~その5
— 板津匡覧 Yoshimi Itazu (@jokerendcard) May 19, 2016
枠を乗せて、背景も塗り。色味は後で調整するのでここではグレーで。
機関員達の位置を気にしながらライティングしていきます。重なってあまり見えないモブ達はコピペ左右反転で省力。 pic.twitter.com/MARMhfUDbY
~製作工程~その6
— 板津匡覧 Yoshimi Itazu (@jokerendcard) May 19, 2016
キャラクターとタイトルを乗せて、構図を確認。色を塗ってみると想定していた様になっていない事があるのでここで微調整。 pic.twitter.com/BN9cjc0Ohg
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