ゾンビマックス!怒りのデス・ゾンビ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ゾンビマックス!怒りのデス・ゾンビ』とは、2014年に公開されたオーストラリアのインディーズ映画。日本では2016年に劇場公開された。大人気シリーズである『マッドマックス』の世界観にゾンビ・パニック要素を掛け合わせるという異色の融合で話題を呼んだ、オーストラリア発のホラーアクション作品。批評家からは「オーストラリア版ブラッディ・マッドマックス」「B級映画の皮をかぶった創意工夫の塊」という声が挙がり、トロント・アフター・ダーク映画祭などの映画祭でも高評価を獲得した。

本作に登場するクリーチャー。ウイルスに感染することによって凶暴化し、非感染者に噛みつくことで感染を拡大している。噛みつきのほか、ゾンビ化した人物の血液や呼気に触れることでもウイルスに感染する。
生存者にとっては猛毒ともいえる呼気や血液だが、圧縮することでガソリンの代わりの生態燃料として活用できる。

ブレス・オブ・ゴッド(ゾンビガス)

ゾンビが吐き出す有毒ガス。人間が吸うとウイルスに感染してゾンビ化するが、可燃性があり、圧縮すると生態燃料として使うことができる。

ゾンビ燃料

ゾンビ燃料で走るように改造を施された車。後ろの檻にゾンビを積み、顔にホースを取り付けて燃料にする。

ゾンビの呼気や血液を利用して走る車の燃料。通常のガソリンはウイルスの影響で燃えなくなってしまい、燃料として使えなくなったことから、代替案として編み出された。
ゾンビの吐息と血液だけが可燃物として使えるため、バリーたちはゾンビを車に繋いでエンジンを回すという、奇抜なサバイバル手段で生き残りを目指すことになる。

ゾンビ・ドミナンス(ゾンビ支配能力)

能力発動中のブルック

ブルックがゾンビの血液を注射されるという人体実験の結果として獲得した特殊能力。ゾンビの脳波にアクセスし、行動を遠隔支配できる。意識を集中すると、複数体を同時に操ることも可能。本編中、ブルックが研究室内でゾンビを暴走させ、軍を壊滅させる際に活用していた。
ブルックがゾンビと精神的に接続する際には「リンク」という現象が発生。リンク中はゾンビの瞳孔は白濁し、周囲のゾンビが一斉に静止、制御される。

『ゾンビマックス!怒りのデス・ゾンビ』の名言・名ゼリフ/名シーン・名場面

「ゾンビ燃料」誕生の瞬間

ゾンビの血が燃えることを発見した世紀の瞬間

妻と娘を失った悲しみを抱きつつも、妹のブルックを助けるために車を走らせるバリーだが、車は壊れて動かなくなってしまった。生存者たちに救助されたバリーは、彼らから「ウイルスのせいでガソリンが燃えず、車は走らない」という衝撃の事実を聞かされる。
生存者たちは一服している間に、ゾンビの血が燃える事を発見。ゾンビが口から発するガスを圧縮する事で燃料に転用できる事に気付いたのである。
どんな状況にあっても、人類は知恵と工夫さえあれば窮地を乗り越えることができるという、深い気づきを与えてくれる場面だ。

『ゾンビマックス!怒りのデス・ゾンビ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

本作を最高のB級映画に押し上げた奇抜なアイディア

いわゆる「ゾンビ映画」といえば、長きにわたる人気を誇っているB級映画の定番中の定番である。しかし、それゆえに観客はやや食傷気味となり、ハードルが上がっているのも痛いところだ。ゾンビ映画で差別化を図るのはもはや無理なのではないだろうか、という扱いになりつつある昨今だが、本作はゾンビの大量発生は言わずもがな、そのゾンビの吐く瘴気を車の燃料にしたり、超能力のような力を使ってゾンビを使役したりと、様々な「新しいアイディア」にあふれている。
装甲を強化した車や、低予算らしく安っぽいながらも武骨でカッコ良いアーマーですら、なんともB級感に溢れ、男心をくすぐる仕上がりとなっている。ストーリー展開はB級ということでかなり無理があったり薄っぺらかったりするが、その辺りはもう目をつむっても良いくらいのB級さ、そしてチープかつ斬新なアイディアが、本作の最大の魅力だ。
中途半端な映画が蔓延する「ゾンビ」というジャンルの中で、この作品は良い意味でぶっ飛んでいる、と高評価を獲得した。

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