佐藤明(ザ・ファブル)とは【徹底解説・考察まとめ】

佐藤明とは、南勝久による漫画『ザ・ファブル』の主人公で、殺さない殺し屋である。殺しの実力は「どんな敵でも6秒以内に殺せ」る程の凄腕。連載開始時点で現場に出て6年、合計71人を殺害している。その伝説的な強さのため、裏社会の人間から「寓話」という意味を持つ「ファブル」と名付けられた。『ザ・ファブル』本編ではボスの命令で殺し屋を休業中で、普通の生活に溶け込む訓練をしている。
実写映画版『ザ・ファブル』ではV6の元メンバー、岡田准一(おかだ じゅんいち)が明を演じている。

小島(こじま)

殺人罪で15年間服役後に出所した36歳。服役前から海老原の舎弟。顔の左顎から頬にかけて切り傷がある、外見からして昔気質な性格のヤクザである。
服役中の時代変化についていけず、懲役前に金を貸していた真黒組の風間を復讐のために迷いなく殺害した。この風間は、小島の服役中に真黒組の幹部に昇進した砂川の舎弟であった。
砂川は、舎弟殺害の報復と、小島の兄貴分である海老原の持つ真黒組若頭の座を狙い、殺し屋を雇った。緊迫した最中、海老原が心筋梗塞で入院。入院中に小島が風俗の仕事を始めるという情報を聞きつけた海老原から、しばらく大人しくしているよう命じられるが、その命令に背き、同じ風俗業をシノギとする砂川を無視し、新規でデリバリーヘルスを開業しようと動き出した。ナンバーワンにするためにミサキを執拗に勧誘のため強迫。ミサキのアルバイト先の田高田社長らを襲撃するなど精神的に追い詰め、雇用契約を取り付けた。砂川は、小島とタイミング悪くその場に居合わせたミサキを拉致した。2人は監禁先の鉄工所で明によって救出され、そのまま明の居宅まで運ばれた。車庫に拘束された状態で事の経緯を白状したのちに、最後は海老原により砂川への落とし前として銃殺された。

クロ/黒塩(くろしお)

30歳間近の真黒組の若手組員。中学卒業後に真黒組に入り、ヤクザとして実績を残すことを夢見ている。
海老原が明をテストした時に居合わせ、明の正体を知る。明に心酔し敬愛し「兄さん」と呼んでいる。明に手合わせを頼み、全く相手にならなかった。明の真似をして橋から飛び降りて足を骨折したり、明の山ごもりに同行した際にはレジャーキャンプ並みに大量の装具を用意したり、洋子が山中で脱輪させた海老原のハコスカを修理ではなくスクラップ処理させるなど、抜けているところがある。殺し屋である明や洋子に憧れていることを、組長や海老原からは心配されている。佐藤兄妹からは一定の信用を得ており、事件が起きた際は裏方としてサポートすることもある。

山岡(やまおか)

山岡と呼ばれているが、本名不詳。年齢不詳。組織のNo2である。元は殺し屋の殺し屋。ボスが現役時代の時に同じく組織で働いていたため、ボスに対し目を見て堂々とモノを言える数少ない人のひとり。現在は裏方にまわり、組織の次世代を担う人材をスカウトしている。
脳の扁桃体の影響で恐怖を感じず、人の気持ちを理解することができない。かつて洋子を組織に引き入れるために、彼女の両親を殺害して居宅に火を放った張本人。金銭や女、名誉等に何の興味もなく、ただ好奇心の赴くままに人を殺し続ける異常者である。反面、約束したことは守る律義さを持つためか、弟子であるアザミやユーカリからは親同然に慕われている。
他人の生死には興味もないが自分の死に方には拘りがあり、ボスやボスから最高傑作と評される明のような強者の記憶に残りたいと願っている。自身の好奇心を満たすため明の周辺に現れ、明との戦いを望む。実際に明と向かいあった際には、その恐るべき実力を認め、「明を10点としたら、自分はいいとこ8点」と評した。
真黒組の組長暗殺に関与した上に、幹部の砂川と水野を自ら殺害し、最終的には明との戦いに挑んだが負けた。完敗して死ぬのは本望と考えたが、最期は海老原により親殺しのケジメとして銃殺された。

アザミ

本名不詳。年齢不詳。ユーカリの兄貴分にもみえるため、明と同年代だと推察される。山岡の配下で、山岡から自身と対等の実力を持つと評されている。山岡が名付けたニックネームは「アザミ」。その花言葉は「触れてはいけない」。
メガネをかけた大柄な体格で、人当りのよい空気を出していをるが、これは暗殺者であることのカモフラージュである。
派遣先の中国から呼び戻され、山岡の策動に参加するようにみせかけていたが、実はボスからは山岡を拉致するように命令されていた。そのため、山岡が組織に対し反目するような行動を取らないよう、暗に注意をしたり無駄に被害者が出ないようそれとなく誘導していた。
ボスからの命令と、山岡を親同然に慕っている気持ちのなかで葛藤していたが、最終的には山岡側につく。また明の実力を悟り、あれは自身や山岡では太刀打ちできないと山岡に忠告していた。その上で山岡、アザミ、ユーカリの3人で明を殺せると考えていたが、ボス曰く最高傑作である明の強さは想像以上であり山岡を目の前で失ってしまうことになった。
特技はウソ泣きで、オクトパス面接の際、社長の前で泣いてみせ、住み込みでのバイトを許してもらった。オクトパスで社長を守りながら働いていた際、明から一般人の生活は普通の人には嫌なことが多くても自分たち暗殺者にとっては天国のような生活だと言われ、納得していた。
明と同様にジャッカル富岡の出ている番組を見て大笑いをしていたり、排水口に詰まった髪の毛を「あとで手を洗えばいい」と言う理由で素手で取るなどの行動をしたため、オクトパスの社長からは明に似ていると言われた。

ユーカリ

本名不詳。年齢不詳。山岡の配下にて、アザミのパートナーで運転手役として働いている。ユーカリは山岡からつけられたニックネームである。その花言葉は「記憶」。
洋子と同じく記憶力が良く、一旦見たものを一瞬で記憶・理解する能力をもつ。戦闘能力も高く、元格闘家でも軽くねじ伏せており、山岡曰く、洋子と同程度の実力とされる。
一方で洋子からは弟として見られており、ユーカリ本人は洋子のことを妹だと思っていたため、同年代であると推察される。

派遣先の中国から呼び戻され、山岡の策動に参加した。当初は残酷で軽薄な言動がみられていたが、外見とは裏腹に情に厚く、仲間を大切にする性格である。洋子やクロが山岡から襲われた際には密かに助け最悪の事態を回避している。洋子が山岡に復讐をしようとした際、その理由から成功した場合は仕方がないと考えていた。
アザミ同様に山岡を慕っており、組織から山岡が狙われていることを知ってからもアザミと共に山岡に協力したが、山岡、アザミと三人がかりで明に立ち向かうが撃退された。
明に対しては悪感情はなく、ボスが山岡を殺すように命令をしていた件についても、いずれ同じ道を辿ったであろうこと、自分とアザミが少し寂しくなるだけだと話していた。

佐藤明の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「俺は ただ殺すだけの――プロだ!」

第1話で殺しを封印する直前、人身売買に手を出したヤクザたちを射殺するシーンでの佐藤明の台詞である。
そのヤクザのひとりに、「おまえが…ファブルか…」と訊かれた主人公は、「ちっ!」と舌打ちし、そして、「おまえらが勝手にそう呼んでるだけだ―――」「俺は ただ殺すだけの――プロだ!」といっている。

「名前を残したいとか――生きた証とか―― そういう痕跡すら全く残さない―― 存在を知られない―― それがこの世界のプロや!」

真黒組の若衆であるクロ(黒塩)に明の正体がバレたあと、弟子入りを志願された時の台詞である。クロが明に弟子入りを志願した理由は、裏社会で名前を残し、生きた証を残したいといったものだった。
しかしアキラは、「名前を残したいとか――生きた証とか―― そういう痕跡すら全く残さない―― 存在を知られない―― それがこの世界のプロや!」と一蹴している。

「平らな所でしか闘えないのか?」

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