
『宇宙家族カールビンソン』とは、1983年より連載されていたあさりよしとおのSF漫画作品である。『プチアップル・パイ』『月刊少年キャプテン』『アフタヌーン』で掲載され、それぞれ1から連載を行ったため、3つの世界観に分かれている。SFコメディドラマ作品のタイトルをもじった題名に、「昭和」を感じさせるパロディ。基本はギャグで笑えるのに、しっかりと重さもある作品となっている。

犬のような知的生物。実は頭部だけで移動可能、内臓がはみ出ても平気などスプラッターな生物。町の映画屋を経営しており、自身も映画をとるものの、作品には恵まれない様子。モデルは映画監督、ジョン・カーペンター。
デン助
アニカ上空を守る宇宙船の猫コンピュータのひとり。宇宙船を操る腕はいいらしい、勝手に冷蔵庫を漁るなど図々しく、その気になれば上司が死ぬかもしれないのを承知で飛び降りさせる無茶な一面の主。猫が欲しいというコロナの要望で、一家のペットをしている。
到来者
チカ

またの名を「皆殺しのチカ」。一見すると、二つのお団子頭の付いた可愛い女の子だが、この姿は擬態。頭部のお団子風の球体が本当の目であり、顔に見える部分は口。食事の際はここがクリオネのごとく開くため、彼女の食事風景を見た者は大概青ざめる。
実は虫が進化した生物で、生体のほとんどが地球での昆虫のそれと酷似。脳がないため何も考えておらず、見たままを口にすることもしばしば。服を着ていると普通体型に見えるが、裸になると完全な虫の体であり、コロナを始め、見た者に多大なトラウマを与える。傭兵訓練所時代のベルカ、ライカの後輩。所かまわず卵を産み付けることも。オスを探しに行った際、何故かベルカにときめいていた。トックリバチのごとく、土で家を作ることも得意。
マイカ
ベルカ、ライカの傭兵訓練所時代の同級生。初登場タイトルからするに恐らく男性。体が鉱物で出来ており、心臓がない為脈もなく、倒れていたこともあって死体と間違われた。クールに見えてマイペースであり、暇だからと他者の様子をじっと見るなどしていたが、アニカの住民に「いざという時の為の護身術」を教えたこともある。が、大半が鉱物である彼だからこそできる代物(炎に鬱まれた際や、戦闘態勢のおとうさんに踏まれた際など)であり、変わり者扱いを受けたことも。
原生生物
サンドウォーム

アニカに自生する、大きな目、口と手足がついたウニのような生物。持っているアイロンをあらゆる場所に押し当て、余熱を楽しむよく分からない生き物。その際のセリフは「あたたかい」のみ。時折群体となり行進する。
げしょ

出典: twitter.com
右がげしょ。単体だとどっちも手のひらサイズ。
鳴き声は「げしょげしょ」。何とも言い難い、独特のラインを持った現住生物。これまた群体となる。
『宇宙家族カールビンソン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
カルチャーギャップの妙
ストーリーの序盤では、旅の一行は宇宙船にあった「母星(恐らく地球)の文化データ」を元に、なるべくコロナの母星に近い風習を教えて育てよう、となる。しかしよく知らない星のこと。手探り脚探りで行われるその行為が逆におかしみを呼ぶ上、考えさせられる部分もある。特に、「学校」について。「無能が無知に無用を詰め込むところ」という表現が成されている。なお、これも恐らくは「誰かの言葉」としての引用である。
昭和テイストと特撮ネタ

分かる人には分かるネタ。
作者のあさりよしとおは、よく「昭和っぽい」テイストを作品に入れる。現代が舞台であっても七輪で魚を焼いたり、「おばあちゃんの知恵袋」的な豆知識を教えてくれたり。この作品は「アニカ」という惑星が舞台であるが、そこの「原住民」の発想がただごとではない。元ネタが「昭和の特撮(ウルトラマンなど)」で知られる映像作家からとられている。

OVAにもなっている。
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目次 - Contents
- 『宇宙家族カールビンソン』の概要
- 『宇宙家族カールビンソン』のあらすじ・ストーリー
- 少年キャプテン版
- アフタヌーン版
- 『宇宙家族カールビンソン』の登場人物・キャラクター
- 美唄町の住人
- コロナ
- おかあさん
- おとうさん
- ターくん
- ベルカ
- アンディ
- パーカー
- ライカ
- ミドリ先生
- 駄菓子屋のばーさん
- 最強男
- トム
- 怪人虹男
- ケン
- ジョン
- デン助
- 到来者
- チカ
- マイカ
- 原生生物
- サンドウォーム
- げしょ
- 『宇宙家族カールビンソン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- カルチャーギャップの妙
- 昭和テイストと特撮ネタ
- 作中に散りばめられたマニアックなパロディ
- 本当は切ない話だった『宇宙家族カールビンソン』
- 『宇宙家族カールビンソン』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):斉藤美和子「いちばんステキなラブ・ソング」
- ED(エンディング):斉藤美和子「すぷりんぐ・そんぐ」