宇宙家族カールビンソン(あさりよしとお)のネタバレ解説・考察まとめ

『宇宙家族カールビンソン』とは、1983年より連載されていたあさりよしとおのSF漫画作品である。『プチアップル・パイ』『月刊少年キャプテン』『アフタヌーン』で掲載され、それぞれ1から連載を行ったため、3つの世界観に分かれている。SFコメディドラマ作品のタイトルをもじった題名に、「昭和」を感じさせるパロディ。基本はギャグで笑えるのに、しっかりと重さもある作品となっている。

長い獣耳を持つ人間型女性。一座の一員。元傭兵。故郷は雪と氷ばかりの星で、身を立てるには過酷な環境で鍛えられた自分の体を傭兵として売るしかない、ということで訓練所に通い傭兵に。その後どういった経緯で一座に入ったかは不明。アニカでは保安官をしている。出身地が極寒惑星だったこともあってか暑さや熱に弱く、夏はよく放心状態に陥る。戦闘は特に嫌いではないようで、家族対抗喧嘩大会にも積極的に参加。
獣人化することができる。ゾアントロビーとも称されるベルカの十八番。一族特有の特異体質で、腕力その他、戦闘に必要な力を数倍にするもの。男性の場合は巨大化するようだが、女性のベルカは大きくはならず強くなるだけ。と言っても、通常形態でも十分以上強い。
アフタヌーン版では、コロナ一家とは無関係。アニカに不時着し、一家が実の家族でないことだけは知らされるが、警戒対象にもなっている。

アンディ

一座の一員で、ロボット。コロナの乗っていた宇宙船にインプットされていた地球の文化データを自身に記録。巨大な目玉と脚、触手から成る少し異形型のロボットである。
本体は脚の方。曰く「知的な太腿」。町では雑貨屋を経営しており、道具を売りさばくために野球をはやらせようとしたことも。

パーカー

言葉を発しない、これと言って意思表示もしない謎の生物。アニカ原住民のジュン君に一目惚れされる。アニカ原住民皆女性と認識しているようだが、ジュン君以外は「アイツ(パーカー)一体何なんだ」と呆れ調で見ている様子。

ライカ

額に角、尻尾を有する人間型の少女。傭兵時代のベルカの同期。訓練生時代から恨みを抱いているが、全て逆恨み(から揚げ弁当を買われた、訓練成績で負けたなどの腹いせがばれて殴られた)。ベルカの命を狙い、原住民に嫌がらせをする半面、金を失ったコロナにクリスマスケーキを渡すという優しい一面を持つ、ツンデレキャラ。龍族の末裔とのことで、小さな翼としっぽ、角が生えている。幼児期その特徴からいじめられていたことや、父による虐待レベルの躾(何故か江戸時代の拷問)、親からちやほやされていた出来のいい姉との扱いの差などからひねくれた模様。
しかし父がこっそり様子を見に来ていたことを姉から聞き、家族に関するわだかまりは解消。物語が進むにつれてやっていることは非道ながら常識人の部類に入るキャラに変貌していく。ベルカにはことあるごとに報復を行っているが、やられパターンが決まっており、同居するショベル=マウスなどがいつ頃迎えに行けばいいか分かっているほど。頭はいい方で、大陽光を浴びて鋏を解かすほどの塔を破壊するため、皆が万策尽きたと慌てる中、暗くなってから近づき、あっさり破壊した。
ベル化同様獣人化能力があり、変身後の姿はガメラのような龍。本人も知らないということが巨大化も可能。また自然界に力の源がある模様。

ミドリ先生

幼稚園入園の話が持ち上がった際に現れた「謎のおねえさん」。当初はミステリアスな美女だったが、徐々に守銭奴的な面やボケ役の面を見せていくようになる。幼稚園卒園後は小学校の先生に就任。

駄菓子屋のばーさん

ミドリ先生の遠縁の叔母、とのことだが先生の服にも見受けられる部の意匠以外共通点のない、一つ目の生物。喋りはしないが結構常識人。

最強男

自称宇宙最強という、ロボットのような風貌の男。妻と二人の息子がおり、揃って傲岸不遜。コロナの家を勝手に住処に決め、住居権を争って住民全員と腕相撲をするが、おとうさんにより腕を折られて敗北。以降勝手にライバル視している。その後も時折登場するが、子供の遊びに全力を出す、息子の不始末を「子供がしたこと」と受け流す半面、ライカ同様常識的な言動も見られた。

トム

最強男の次男で、コロナのクラスメイト。兄のボブは早々に留置所に入れられた。登場時、舶来のチョコを原住民に配って家来と称する、自分たちの遊び場に怪しい奴が潜んでいると聞くや「弱そうな奴なら袋叩きにしよう」と平然とのたまうなど、父に劣らぬ嫌味なボンボンぶりを披露。事あるごとに舶来品のおもちゃ等を自慢することもあったため、「国産品はないのか」と言われたこともあった。その一方で、家族の絵を描くという宿題が出た際、選択の余地なく父を描かされる(それも殴られて)羽目になるなど、それなりの苦労があるようだ。

怪人虹男

宇宙を股にかける悪党で、アニカに来た当初もそれなりに悪事を計画。しかし牧歌的な星の空気に飲まれて、原住民の居候に甘んじる、妙な商売ばかり思いつくなどスランプに陥っていた。それでも商売に関してはそこそこ才能があるようで、彼の提案した妙な商売は皆繁盛している。「虹男」というのは高祖父の代から続く家業だが、自分には向いていないと父の写真に語りかけるシーンも。この時、いつもしている不気味な仮面を外していたが、割と朴訥そうな兄ちゃん。

ケン

見ようによっては昆虫から進化したような印象。自称風来坊。ギターを引くなどスナフキン的なイメージだが、クールというよりギャグキャラ的な部分がある。飛行能力あり。ベルカの入浴を覗く、暇つぶしにエッチな本を見るなど、色々な意味で成人男性ぶりを披露。ミドリ先生から「浮浪者」呼ばわりされた上、小学生たちから「何の役に立ってるんだ」「社会的役割はどうしてるんだ」などと言われたことも。おとうさんに瀬異常な味覚を教え込もうとした回もあったが、徒労に終わった。

ジョン

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@ninja

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