ジャパンシューゲイザー<第ゼロ世代>1990年代前半

90年代インディーズでもメジャーでも音楽ムーブメントは海外のムーブメントと実は直結していた。シューゲイザーにおいてはアンダーグラウンドながらも海外のシーンでも活躍が出来そうなほどの高レベルなバンドがそろっていたことを再確認したい。90年代前半の日本のシューゲイザー、ジャパンシューゲイザー<第ゼロ世代>の主要バンドを紹介する。

ジャパンシューゲイザーの世代とは

2012年の「少女スキップ」にアルバム『COSODOROKITSUNE』をリリースしたが、その時のキャッチフレーズでジャパンシューゲイザー<第二世代>と紹介されていたのは記憶に新しい。「では、その前後の世代とはどんなバンドがいたのか」が纏めて語られていないので、いつか整理をしてみたかった。これを機に5年ごとの主要バンドをすべて網羅していきたい。

90年代前半に活躍した日本のシューゲイザーバンド

日本国内でも未だに脈々とつづくシューゲイザーシーン。海外90年代の音楽シーンと同調して追い求めた日本の最初の本当に最初のシューゲイザーフォロワー(?)を紹介します。
それぞれバンドは、渋谷系の流れの出自と、インディーロックを出自とするものあるが、どちらも聞いていたものは同じでUKのロックシーンに影響を受けて生まれていた。同時期のムーブメントの中のマンチェスタームーブメントとシューゲイザーとUSオルタナシーンとを混ぜたルーツとする楽曲が多い。

Venus Peter(ビーナス・ペーター)

1990年に石田を中心に結成、石田が沖野俊太郎を誘ってヴィーナス・ペーターが出来上がった。活動は、1994年まで。シューゲイザーバンドというわけではなく、当時のUKシーンを(沖野俊太郎はロンドンから帰ってきたばかりだった)意識したサウンドだった。全曲英語歌詞だった。
2006年に1年限定で再結成してリリースした、音源の一つであるHands EP.は沖野俊太郎のアンニュイな声がたまらないギターポップとシューゲイザーのエバーグリーンな名曲。

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Spiral Life(スパイラル・ライフ)

Spiral Lifeはシューゲイザーに入れると怒られるけれども入れないでも怒られるバンド。1993年ポリスターからデビュー。車谷浩司と石田小吉によるユニット。
1st SINGLEの「ANOTHER DAY ANOTHRE NIGHT」はChapterhouseやRideのフォロワーのような曲だ。

95年リリースのFLOURISHの最後の曲であるNEROは、My Bloody Valentineのsometimesという曲のパクリというのが定説となっているが、そんなことはどうでも良くて。この時期にシューゲイザーやマンチェスターなどのUK(洋楽)のムーブメントなど知らなかった一般リスナーにとっては、非常に貴重な情報源となる重要な役割を担っていた。

彼(車谷浩司)が「自己表現」と呼んだこの曲は、実はMy Bloody Valentine(1985年デビュー #36)というイギリスのバンドの曲《sometimes》(1991年)を参照元とした<パクリ>で作られた曲であった。比較して聴いてみると、細かいコード進行、メロディの違いがあるにせよ(因みに《sometimes》はDのコード、《NERO》はE♭の和音から曲が始まる)《NERO》の楽器構成や声の質感は明かに《sometimes》のそれを真似ていることがわかる。

出典: park12.wakwak.com

車谷浩司は解散後AIRとしてミクスチャーロックムーブメントを牽引、石田小吉はマイペースに自分の好きな音楽を突き詰め続けながら、最近でも若いインディーズバンドをプロデュースしたり自分自身で弾き語りツアーを回るなど精力的な活動が見られる。(石田小吉は死んだ僕の彼女のアルバム2枚をプロデュース)

COALTAR OF THE DEEPERS(コールター・オブ・ザ・ディーパーズ)

シューゲイザー日本の代表バンド10選で言及済みなのでここでは詳細は省くが、日本ではUKシーンとシンクして日本のシューゲイザーファン含めインディーズファンを虜にしたバンド。

renote.net

dip(ディップ)

1991年ヤマジカズヒデを中心に結成。coalter of deepersにシューゲ要素が混ざっていたのと同じ感覚でサイケデリックな曲調の中にシューゲイザーっぽさを垣間見ることができる。
新しいアルバムでもオルタナティブのギターバーンドとしての曲の中にアノ頃ごちゃごちゃになっていたUKロックとUSオルタナの音が感じられる一作で未だ活動していてすばらしい。

2011年下北沢老舗ライブハウスQueでSwerve driverのRavedownという曲をライブでカバーするなどいまだにシューゲイザーのことを好きでいてくれるのが嬉しい。(お前は何様のつもりだよってツッコミが入ると思いますが…)

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