【ベラルーシなど】ハロウィンシーズンに読みたい!ヘタリアに登場した怪談の元ネタまとめ【キタユメ】
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人気漫画「ヘタリア」の作中や作者が運営する創作ウェブサイト「キタユメ」に登場した怪談の元ネタをまとめました。ベラルーシのミール城のりんごの精や、デンマークのホテルに出るゴーストなど、元ネタとなった怪談の詳細や資料などを紹介していきます。
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こんにちは。日本です。
キタユメブログが更新され、ヘタリアファンの皆様におかれましては盛り上がっておられることと思います。
今日のまとめテーマは「本家ハロウィン2013でちょろっと紹介された幽霊情報を詳しくお届け」です。
当方のヘタリア系まとめの目的は基本「本家の更新がない飢えの時期を食いつなぐための情報を提供」することなので不要といえば不要なのですが、ヘタリアファンがTwitterでキャッキャワッキャしているのを見ていたら幸せな気分になってきたのでついまとめました。
※続き
ウクライナ・リヒテンシュタイン・オランダ・アイスランド特定。ハンガリー(多分)特定。ブルガリアオタク事情ネタ補足。
https://renote.net/articles/69480
カナダ・キューバ
https://renote.net/articles/56312
■ベラルーシ
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ベラルーシ・ミール城のりんごの精
“ミール城のりんごの木の精は城主に伐られた腹いせに
今も人間を湖の中に誘うらしい”
プリズナー[2013⁄10⁄27⁄(Sun)22:02]
http://himaruya.blog61.fc2.com/blog-entry-1424.html
まず、「ミール城」についての詳細を見てみましょう。→
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出典: www.mirzamak.by
ミール城 (Mir Castle,Mirski zamak,Мірскі замак)
ベラルーシ、フロドナ州カレリーチにあるお城。周囲の建物と一緒に「ミール地方の城と関連建物群」として世界遺産に登録されている。
建造は15末~16世紀頃。ゴシック様式の城としてDuke Ilinichによって完成され、その後リトアニア大公国の貴族ラジヴィウ家の手に渡りルネサンス様式の城に。
1世紀近く放棄されたりナポレオン戦争の被害を受けたり、19世紀末に修復さても20世紀になったら第二次世界大戦中ドイツ軍に接収されてゲットーとして使われたりとなかなかハードな経歴を持つ城。
りんごの木の伝説
19世紀末、現在湖がある場所にはりんご園があったらしい。
ミール城の最後の所有者ニコライ王子は、この城を購入した後リフォームに熱中。その一環としてりんご園を伐採し、穴を掘って貯水池としての湖を作ることを思いついた。
ところが、付近住民はこれに反対。季節は春、りんごの木に花が咲いていた。土地には「盛りの命を無碍にする者は呪われる」という言い伝えがあったので、付近住民は木を切るのをためらった。
しかし王子は考えを変えるのも時間を無駄にするのも嫌い、伐採を強行。
穴掘りを始めるが、たくさんの人が死んだと言われる。死者の中には土地の魔女の息子もおり、魔女は湖に「花の盛りに切られた木の数だけ、湖に人が沈むがいい」と呪いをかけた。
王子は若くして死んでおり、行いの罰を受けたと言われている。その後も、近年まで毎年湖では人が(主に若い男性)溺れ死んでいる。
(ミール城のオフィシャルサイトより)
(写真はイメージです)
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残念ながらミール城の公式サイト英語版では「りんごの精」という記載は見つけられなかった…だが、公式以外のサイトでは、「りんごの精が復讐する」という趣旨の記述もあった。
■デンマーク
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デンマークのホテルに出るゴースト
“デンマークのおばけホテルに出る有名なゴースト。ちょっと近代風。”
廃城に出る幽霊[2013⁄10⁄26⁄(Sat)09:37]
http://himaruya.blog61.fc2.com/blog-entry-1423.html
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出典: www.gadling.com
Dragsholm Castle
デンマーク、ジーランドにあるお城。現在はレストラン・ホテルとして使用されている。
1215年、Roskildeという僧侶によって建設された。16世紀から17世紀にかけては身分の高い人専用の牢獄として使われていたという、そこそこいわくつきの由来を持つ物件。
Dragsholm Castleには3人の幽霊が出るという。「灰色のレディ(The Grey Lady)」「白いレディ(The White Lady)」そして「ボスウェル伯(the Earl of Bothwell)」。
灰色のレディは滅多に見られない。かつて城に仕えていた、歯痛を抱えていた女性の幽霊だと考えられている。お城のあれこれをきちんとしつらえるため、そして歯痛を直してもらったお礼にお城に戻ってきたらしい。
白いレディは割と頻繁に見られる。廊下を歩いているらしい。Dragsholm Castleのかつての所有者の娘で、この城で死んだと考えられている。
この娘は庶民の男と恋をし、それに激昂した父親が彼女を城の分厚い壁の中に幽閉してしまった。(幽閉、と婉曲表現している記述が多いが、多分生き埋め)1930年代に入り、城の古い壁が壊されたとき、白いドレスを着た骸骨が発見された。
ボスウェル伯は馬と馬車と一緒に中庭に出没するとのこと。スコットランド女王メアリの三番目の夫で、5年に渡りこの城に幽閉される。1578年、独房の中で発狂、44歳で死亡。
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ゴースト女子二人の清書版。左の女子キャラの服の裾が微妙に「崩れるレンガ壁」を模しているように見えるので、左が白いレディ、右が灰色のレディではないかと思われる。
本家漫画内において、デンマークさんが「白いの」「灰色の」「二人いる!」と言って女の子を探しに行ってしまったことをアイスランド君が愚痴っているので、この二人がWhite LadyとGrey Ladyであることは確定かと思われます。
http://www.geocities.jp/himaruya/2013hal_3.html
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■スウェーデン
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スウェーデン版ロミジュリの幽霊
“スウェーデンのホテルの324号室に出るって言う
スウェーデン版ロミオとジュリエットのロミオ。
平民と男爵の娘が恋に落ちたんだけど
それをよく思っていなかった男爵は
娘と他の地位がある男性との結婚を決めてしまい…。”
プリズナー[2013⁄10⁄27⁄(Sun)22:02]
http://himaruya.blog61.fc2.com/blog-entry-1424.html
スウェーデン南部、スモーランド地方にある「Toftaholm Herrgard」というホテルが舞台のようだ。
なぜホテルだし?と思ったが、そもそも割と由緒正しい由来を持ったホテルだった。
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出典: www.booking.com
Toftaholm Herrgård
公式サイトで散々「マナーハウス(貴族が所領に持つ邸宅)風」を謳っているだけあって、実は昔は男爵の住まいだったらしい。
この建物がかつて男爵の邸宅だった頃。
男爵には、美しい娘がいた。
小作人の若者が男爵の娘と恋に落ちた。もちろん男爵はこれを快く思わない。娘を他の「ふさわしい男」と結婚させることを決めてしまう。
彼女の結婚式の朝、傷心の若者は部屋の垂木に首を吊り、自ら命を絶ってしまう。若者が自殺したその部屋が現在のホテルの324号室にあたり、若者の霊が部屋にとりついているらしい。
この話自体は割と有名らしく、スウェーデンの話ながら英語Web圏のあちこちで上記の内容を読むことができる。
しかしながら、その幽霊が具体的になんかするのかどうかについてはわからなかった。
(画像はイメージです)
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■ノルウェー
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ノルウェーのテライケメンの幽霊
“ノルウェーの大聖堂に現れるという僧侶の幽霊。
目撃証言
「大聖堂ですごいイケメンの僧をみたんです。
光る目が美しくて不気味だったんですけどイケメンでした。
司祭の首とか絞めてたんですけど、顔はほっそりとしたイケメンでした。
よく見ると首から血が出ていました。でもイケメンでした」
どんだけイケメンだったんだ”
ウィンウィンハロウィン[2013⁄10⁄28(Mon)16:41]
http://himaruya.blog61.fc2.com/blog-entry-1425.html
舞台はノルウェーで三番目に大きな都市トロンハイムにある「ニーダロス大聖堂」。
ニーダロス大聖堂(Nidaros Cathedral, Nidarosdomen)
「ノルウェーで最も壮麗な」と称されるゴシック・ロマネスク様式の教会。
1030年に戦死し、後に聖者とされたノルウェー王オーラヴ2世を埋葬する場として、1152年に設立された。
この教会では、幾世代にも渡り「血みどろの修道士」が目撃されてきた。
その中で最も信頼に足るものとして知られているのが、1930年、ノルウェーの大手新聞「Afterposten」に載せられた以下のエピソード。
…
司教の妻Marie Gleditschは、1924年、礼拝中、尋常でないものを目撃した。
僧が讃美歌を歌っている最中、アーチの下に「中世の僧侶の亡霊」が立っていた。「絶望的な輝く青い瞳」に目を奪われた。
『彼は剃髪していて、修道士のローブを纏っていました。その顔は美しく、すっとした顔立ちで燃えるように光る目をしていました。僧侶が祭壇の前にいる間、彼はその後ろをついて歩いていました。』
Marieはその修道士の亡霊が、僧侶の首に手をかけ、絞め始めるのを見た。教会にいた他の人も、(手以外の部分は見えなかったようだが)僧侶の首を絞める手を目撃している。
『亡霊が顔を上げたとき、Marieはその喉が血で赤く縞模様になっているのを見ました』
Marieはその修道士の切り裂かれた喉から滴る血にぞっとし、目を背けて下を向いた。わずかその間に、亡霊はもといた場所(アーチ下あたり)に戻っていたという。血みどろだったにもかかわらず、Marieはこの亡霊について「若く、とても容姿が整っていた」と述べている。
『顔を上げたら、修道士は腕を組んで立っていて、そしてそのまま消えてしまいました』
このとき礼拝を取り行っていた司教は、後に「絶望的な気持ちに駆られ、それから喉に何か詰まっているような感じがした」と述べている。
…
このエピソード以外にも目撃談がいくつかあるが、総じて「容貌の整った若い男性」と証言されている。「頭を身体から取り離して見せる」こともあるらしい。
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