ディアボリカル(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ディアボリカル』とは、2015年に公開されたアメリカのSFホラー映画。監督・脚本は長編映画デビューとなるアリステア・ルグランが務め、主演は『バイオハザード』シリーズにクレア・レッドフィールド役で出演しているアリ・ラーターが担当した。前半はジャンプスケアや不穏な演出を中心とした正統派ホラーとして進行する一方、後半ではSF的な謎解き要素が強まり、作品全体の印象が大きく変化する。低予算ながらVFXを効果的に活用した映像表現や、限られた舞台を生かした緊張感のある演出も評価された。

『ディアボリカル』の概要

『ディアボリカル』(原題:The Diabolical)とは、2015年に公開されたアメリカのSFホラー映画。監督・脚本は長編映画デビューとなるアリステア・ルグランが務め、主演は『バイオハザード』シリーズにクレア・レッドフィールド役で出演しているアリ・ラーターが担当した。
物語の舞台は郊外の閑静な住宅街。シングルマザーのマディソンは2人の子どもとともに暮らしていたが、ある日を境に自宅で不可解な現象が頻発するようになる。日を追うごとに現象は激しさを増し、やがて子どもたちの命までも脅かし始める。マディソンは息子が通う塾の講師である恋人のニックと協力して原因を探るうちに、事態の背後に想像を絶する秘密が隠されていることを突き止める。物語はオカルトホラーの枠を飛び越え、時間や空間、科学技術をめぐる壮大なSFサスペンスへと変貌していく。

本作の大きな魅力は、観客に「典型的な幽霊屋敷ホラー」と思わせながら、その予想を巧みに裏切るストーリー展開にある。前半はジャンプスケアや不穏な演出を中心とした正統派ホラーとして進行する一方、後半ではSF的な謎解き要素が強まり、作品全体の印象が大きく変化する。低予算作品ながらVFXを効果的に活用した映像表現や、限られた舞台を生かした緊張感のある演出も評価された。
また、本作は家族の絆や親子愛を物語の中心に据えている点も特徴である。怪異の恐怖だけでなく、母親として子どもたちを守ろうとするマディソンの奮闘がドラマとして描かれており、単なるホラー映画にとどまらない人間ドラマとしての側面も持つ。
脚本の粗さなどは指摘されつつも、その斬新なジャンル融合は大きな話題を集めた。ホラー映画ファンはもちろん、SF映画やタイムトラベル作品を好む観客からも注目され、公開後は「ホラーとSFを巧みに融合させた異色作」「後半の展開で評価が大きく変わる作品」などの声が寄せられており、カルト的人気を獲得している。

『ディアボリカル』のあらすじ・ストーリー

怪奇現象に悩まされる一家

ヘラー家では、しばらく前から説明のつかない怪異が続いていた。
長男のジェイコブは頭の回転が速く妹思いだが、短気なところがある。その妹ヘイリーはというと、家にいる「幽霊」とこっそり会話をしてしまうほど慣れてしまっている。
一家を支えるシングルマザーのマディソンは自己破産の危機に追い込まれ、ジェイコブが通う塾の講師で、自身の交際相手でもあるニックに支えられながら、なんとか生活を保っていた。
そんな折、大企業カムセット社の不動産部門に勤めるオースティン・ハミルトンが訪ねてくる。話を聞いてみると、ローンの返済が滞っているヘラー家の物件を高額で買い取りたいというのだ。
その申し出に心が揺れるマディソンだが、決断できないまま日々が過ぎていく。
そんなある夜、ヘラー家ではこれまでにないほど激しい怪奇現象が発生。子どもたちの腕には謎のあざまで浮かび上がった。これを機に、マディソンは子どもたちを連れてニックの家に避難することを決める。
ところが家の外に出た瞬間、ジェイコブとヘイリーの体に黒いヒビのような模様が走り、2人は倒れ込んでしまう。
慌てて家の中に戻ると、ヒビは跡形もなく消えていった。

ニックの過去と幽霊の正体

子供たちを心配したマディソンは翌日医師に診てもらうが「強いストレス反応だろう」と片付けられてしまう。外に出られない一家に追い打ちをかけるように、ハミルトンは家を売るよう執拗に迫ってくる。心配して訪ねてきたニックに別れを告げた直後、マディソンは洗濯機の中から現れた幽霊に襲われかける。専門家も神父も匙を投げたヘラー家の怪異に対し、ニックだけは諦めずに向き合おうとしてくれていた。
ある晩、ヘラー家の面々とニックの4人がテーブルを囲んでいると、突然幽霊が姿を現した。4人は慌てて子ども部屋に逃げ込んで隠れ、なんとかその場をしのぐ。
翌日、マディソンが記録映像を確認していると、幽霊の服にカムセット社のロゴが入っていることに気づく。ネットでカムセット社について調べていると、ニックがカムセット社にいた頃の写真を見つけてしまう。

マディソンから問い詰められたニックは、かつて自分が同社の瞬間移動計画「エコー」に関わっていたことを告白する。ニックはこの瞬間移動計画に際し、会社が囚人を実験台にしようとしたことに対して強く反発心を覚えて辞職したのだという。
そして、ヘラー家に現れていた幽霊たちの正体は、40年以上先の未来から送り込まれた囚人たちだと明かす。

最後の戦い

マディソンとニックはジェイコブとヘイリーを地下室に隠すと、未来から来た囚人たちと戦う覚悟を決めた。いつものように家を売ってもらおうとして偶然訪れたハミルトンは、未来の囚人に殺されてしまう。駆けつけてくれた警官2人も同じく囚人たちの襲撃で命を落とし、マディソンも重傷を負う。
母がケガを負ったことで彼女を守ろうとしたジェイコブが頬に傷を負うと、襲ってきた未来の囚人の頬にも同じ傷が刻まれた。倒れた囚人は、未来のジェイコブだったのだ。
すべてを悟ったマディソンは、未来の息子とともにその場から消える覚悟を固める。
未来のジェイコブは母の仇を討つためカムセット社に爆弾を仕掛けており、自ら実験台となって過去へ送られていたのだ。
そして現在。地下室に戻ってきた少年ジェイコブの前に、未来から帰ってきたマディソンが静かに姿を現すのであった。

『ディアボリカル』の登場人物・キャラクター

ヘラー家と関係者

マディソン(演:アリ・ラーター)

本作の主人公。シングルマザーで、ジェイコブとヘイリーの2人の子どもを懸命に育てている。ジェイコブが通う学習塾の講師であるニックとは交際中。経済的に困窮しており、自宅のローンが払えず自己破産について調べていた矢先、怪奇現象に巻き込まれることになった。

ジェイコブ(演:マックス・ローズ)

画像左がジェイコブ

マディソンの息子。頭の回転が速く、非常に妹想いな兄。言動は粗暴だが、母が戦闘でケガを負った際は身を挺して守ろうとするなど心優しい少年である。

ヘイリー(演:クロエ・ぺリン)

マディソンの娘で、ジェイコブの妹。幼さゆえにか危機感に欠ける一面もあり、自宅に現れる幽霊と会話をしていることもあった。

ニック(演:アルジュン・グプタ)

ジェイコブが通う学習塾の講師で、マディソンの恋人。経済的に困窮するヘラー家の事情を慮り、経済的にも精神的にも支えになっている。かつてカムセット社に所属しており、同社が推進していた「エコー計画」に携わっていたが、囚人を実験台にするという会社の方針に反発して退職した。

その他

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