Jamiroquai(ジャミロクワイ)の徹底解説まとめ

Jamiroquai(ジャミロクワイ)とは、1992年にジェイ・ケイを中心にデビューしたイギリスのバンド。デビューシングル「When You Gonna Learn」がロンドンのクラブシーンでヒットし、新人ながらソニーミュージックとアルバム8枚分の契約を結ぶ。1996年リリースの『Travelling Without Moving』はミリオンヒットとなり、世界一売れたファンクアルバムとしてギネスに認定された。全世界で3500万枚以上の売り上げを誇る。

1972年10月14日生まれ。1999年、ニック・ファイフはジャミロクワイのトリビュートバンドに応募しようとしていたところ、本物のジャミロクワイからのオファーを受けるという幸運を手にする。アルバム『シンクロナイズド』リリースのタイミングで、喧嘩別れしたスチュワート・ゼンダーの後任ベーシストとしてジャミロクワイに参加した。レコーディングとツアーに参加し2003年にバンドを離脱した。

Wallis Buchanan(ウォリス・ブキャナン/ディジュリドゥ)

1965年11月29日、ジャマイカ生まれ。1987年ころからジェイ・ケイはドラムマシンのみを使ってギグをしていたが、ウォリス・ブキャナンはその頃からの友人であった。ジャミロクワイの創設メンバーの一人。ジャミロクワイ以前にはガリアーノの「Skunk Funk」などでもその印象的な音色を聴かせていた。デビューアルバム『The Emergency On Planet Earth』のオープニングを飾る「When you Gonna learn」の印象的なディジュリドゥの響き、セカンドアルバム『The Return of the Space Cowboy』の「Journey To Arnhemland」、大ヒットしたサードアルバム『Traveling Without Moving』の「Didjerama」や「Didjital Vibrations」等、ジャミロクワイの最初の3枚のアルバムに芸術的な色合いを加えた。1999年の『Synkronized』リリース後のツアーを最後にバンドから引退した。

D-Zire(DJ)

ジャミロクワイではターンテーブル担当。1980年代からヘッズ系のブレイクビーツを発表してきたが1993年にジャミロクワイに加入、「Alright」のリミックスなどを行っているが、基本的にはツアーがメインで、アルバムには所々に参加している。2000年まで在籍した。

Gavin Dodds(ギャビン・ダッズ/g)

ソニーとの契約以前のジャミロクワイは、ギクの際にはブラン・ニュー・ベビーズのサイモン・バーソロミューなどが様々な人物がギターパートを担当していた。1作目アルバムにはギャビン・ダッズが担当するも、2作目のツアーからはサイモン・カッツに交代した。

Simon Katz(サイモン・カッツ/g)

1971年5月16日生まれのソングライター兼マルチインストゥルメンタリスト。1995年ジャミロクワイに加入し、1996年のアルバム『Travelling Without Moving 』ではギタリストとしてグラミー賞及び、4つの「MTV Video Music Awards」を受賞した。アルバム『Synkronized』発表後の2000年にジャミロクワイを離脱した。

Jamiroquai(ジャミロクワイ)のディスコグラフィー

アルバム

Emergency on Planet Earth

01. When You Gonna Learn (Digerido)
02. Too Young to Die
03. Hooked Up
04. If I Like It, I Do It
05. Music of the Mind
06. Emergency on Planet Earth
07. Whatever It Is, I Just Can't Stop
08. Blow Your Mind
09. Revolution 1993
10. Didgin' Out

1993年6月14日、本国イギリスリリース。ソウルⅡソウルやインコグニート、ブラン・ニュー・ヘヴィーズなど、群雄割拠の90年代前半の英国音楽シーンから登場したジェイ・ケイ率いるジャミロクワイの記念すべきデビューアルバム。
アルバムからの先行シングル「When You Gonna Learn」が、1992年10月19日にアシッド・ジャズ・レコードからリリースされ、この僅か一枚のシングルにより、新人にも関わらずソニー・ミュージックUKとアルバム8枚分の大型契約を結んだことが大きな話題を呼んだ。
オープニングからアボリジニの伝統楽器「ディジュリドゥ」の耳慣れない音色から始まる「When You Gonna Learn /いつになったら気づくんだい」(英国10位)セカンドシングル「Too Young to Die/死ぬには早すぎる」(英国10位)サードシングル「Blow Your Mind/ブロウ・ユア・マインド」(英国13位)フォースシングル「 Emergency on Planet Earth/地球は緊急事態」(英国32位)そしてアルバムのラストはアボリジニの民族楽器「ディジュリドゥ」のみのインストゥルメンタル「Didgin' Out」で幕を下ろす、まさに捨て曲なしの完璧なデビューアルバム。
評論家のレビューも非常に肯定的で、イギリスのアルバムチャートで1位に入り、全世界で1,200,000枚以上を売り上げた。

The Return of the Space Cowboy

01. Just Another Story
02. Stillness in Time
03. Half the Man
04. Light Years
05. Manifest Destiny
06. The Kids
07. Mr. Moon
08. Scam
09. Journey to Arnhemland
10. Morning Glory
11. Space Cowboy

1994年10月17日リリースのセカンドアルバム。デビュー・アルバムの成功を受け期待が膨れる中レコーディングは難航したが、前作の音楽的方向性を継承し、よりクリエイティブな作品となり、ジャミロクワイの実力が決してフロックではないことを世に知らしめたアルバムとなった。
当時のロンドンや東京のクラブ・シーンの潮流を反映し、ブラジル音楽や内省的なスピリチュアル・ジャズへの傾倒も感じさせる内容は今も高く評価されている。
本作リリース後には大規模なジャパン・ツアーが敢行され、日本各地のファンを熱狂させた。
アルバムからのファーストシングル『Space Cowboy』は1994年9月26日に発表され、英国のシングルチャートで17位、米国ダンスチャートで初のナンバーワンとなった。
セカンドシングル『Half the Man』(全英15位)サードシングル『Light Years』(米ダンスチャート6位)フォースシングル『Stillness in Time』(全英9位)は、その時点での英国での最高位となった。『The Kids』『Morning Glory』もシングルカットされた。アルバムは英国では2位にランクされ、世界中で1,300,000部を販売し、イギリス国内でプラチナ認定(30万枚)を受けた。

Travelling Without Moving

01. Virtual Insanity
02. Cosmic Girl
03. Use the Force
04. Everyday
05. Alright
06. High Times
07. Drifting Along
08. Didjerama
09. Didjital Vibrations
10. Travelling Without Moving
11. You Are My Love
12. Spend a Lifetime
13. Do U Know Where You're Coming From
14. Funktion

結果として、ジャミロクワイの一番の代表作となった三枚目のアルバム。1996年8月28日に日本でリリースされ、9月9日イギリス、11月19日カナダ、1997年1月14日アメリカでリリースされた。このアルバムの人気を押し上げたのは、世界的なヒットとなった名曲「Virtual Insanity」である。この曲は第14回MTV Video Music Awardsで、最多の10部門にノミネート、「Best Video Of The Year」等、計4部門を受賞。翌年の第40回グラミー賞でも同じく「Best Pop Performance By A Duo Or Group With Vocal」を獲得した。また1997年4月から、SonyがMDを始めとする企業CMにジャミロクワイを1年という長いタームで抜擢、日本のテレビで頻繁に流れた事でヒットに拍車をかけ、アルバムは日本だけでも150万枚のセールスを記録、世界で800万枚以上を売り上げ、「史上最も売れたファンク・アルバム」としてギネス世界記録に認定された。また、M-Beatとのコラボレーションによるドラムンベース・ナンバー「Do U Know Where You're Coming From」、アフリカ出身のパーカッショニスト、ソラ・アキンボラが作曲に参加し、アフリカ音楽とエレクトリックなジャミロクワイ・サウンドが融合した「Use the Force」、スチュアート・ゼンダーのグルーブ感溢れるベースラインが唸る「Travelling Without Moving」等、70年代ソウルを始めとするあらゆる音楽を消化したジェイ・ケイの類稀なるセンスが際立って反映された、まさに最高傑作の呼び声高いアルバムである。

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