millennium parade(ミレニアムパレード)とは【徹底解説まとめ】

millennium parade(ミレニアムパレード)とは、2019年結成したKing Gnu常田大希が主催するアーティスト集団。楽曲によってメンバーが変わる。メインメンバーはボーカル・作詞ermhoi、ピアノ江﨑文武、サックスMELRAW、ベース新井和輝、ドラム勢喜遊、石若駿、ディレクター佐々木集、アートディレクター森洸大、デジタルアート神戸雄平。日本の東京をベースに活動を行い、東京の最新の音を世界に発信しており、若者中心に人気を集めている。

millennium paradeの概要

millennium parade(ミレニアムパレード)とは、2019年に結成したKing Gnu(キングヌー)常田大希が主宰するアーティスト集団だ。「日本の東京」の最新の音を世界に発信するというコンセプトで、クリエイティブレーベルPERIMETRON(ペリメトロン)がMVの制作、ジャケット写真、ライブ演出などを行い斬新で芸術性の高い作品を生み出している。愛称は「ミレパ」。
2019年「Veil」でデジタル配信デビューを果たした。『攻殻機動隊』(Netflix独占配信)のオープニングテーマ「Fly with me」を手掛け、結成当初は音楽好きの若者中心に人気を博した。
アニメーション映画『竜とそばかすの姫』のメインソング「U」で紅白歌合戦に出場し、幅広いファンを獲得した。

結成の2019年から様々な賞を獲得しメディア出演も増え、名実共に実力派集団となっている。
millennium paradeの作品には今までのJ-POP界には無かった音楽性があり、初のアルバム『THE MILLENNIUM PARADE』はクラシック、ジャズ、ヒップホップ、ロック、パンク、エレクトロなどの要素が散りばめられている。

主催の常田が今までに影響を受けてきた音楽が現れており、その音楽性にメンバーの才能が上書きされ、日本の音楽シーンにおいて特異な存在となった。楽曲制作時は常田がプロデューサーというわけではなく、メンバーの音楽性に任せている部分が多いそうだ。ラフなデモ曲ができた時点でメンバーに曲を渡し、より良い形になるよう相談しながら制作を進めるそうだ。ベースの新井和輝は「他の仕事では使えないフレーズ(難しかったり、今時でない)もmillennium paradeでは使う」と語っている。
常田は「才能があるのに音楽で生計を立てられないのはおかしい」と憂う言葉も発しており、アーティストにとってmillennium paradeは優れた才能をそのまま最大限発揮できる場だ。メンバー同士の信頼感から生まれるサウンドも魅力的だ。

King Gnuはロックサウンドが多いが、J-Popらしい美しいメロディーも特徴的。King Gnuに対しmillennium paradeの楽曲は、よりボーダレスな音楽性に溢れている。
しかしメロディーを排除しているわけではなく、楽曲によって武器としてしっかり取り入れられている。常田は未来に残したいものは「いろんな人たちがいて、いろんな価値観があって(よい)というものを肯定できる作品」と述べている。

PERIMETRONは常田大希が主催するクリエイティブ集団で、ミュージックビデオやジャケット、ライブ演出などを手掛けている。
2016年に佐々木集、OSRINが加入し本格始動した。映像作家のOSRINはKing Gnuのミュージックビデオの殆どを担当している。
活動は多岐に渡り、millennium paradeの活動以外にもイベント、映像、ジャケットデザイン、グラフィックデザイン制作などを行う。

millennium paradeの活動経歴

2019年「Veil」でデビュー・東京から発信される最新の音楽

2019年
5月22日にデジタル配信デビューを果たした。
リリース前の4月5日にミュージックビデオを配信した。常田がリーダーのバンドKing Gnuのミュージックビデオを手掛けるPERIMETRONのOsrinがディレクターを務め制作された作品だ。
その後「Plankton」「Stay!!!」をリリースし、4曲目の「lost and found」ではDiorとRIMOWAのコラボレーションムービーで使われた。
雑誌『装苑』(2020年1月号)で常田のインタビュー記事が掲載。『ぴあMUSIC COMPLEX(PMC)vol.16』ではmillennium paradeとしてインタビューが掲載されるなど、メディア露出も増えていった。
2000年
4月22日「Fly with me」をリリース。この曲はNetflixで独占配信された『攻殻機動隊』のオープニングテーマソングとして使用された。
10月2日「Philip」では俳優、モデル、タレントとして活躍する中野裕太(創斗)を迎えリリース。最新の技術を使ったデジタル映像ではなく、80年、90年代を感じるアニメーションで、銃を持った人型の犬が登場する作品だ。
同年、『ヌーミレパーク(仮)』が銀座ソニーパークにて開催され、アート集団としての存在感も示した。
2021年
藤井道人監督、映画『ヤクザと家族 The Family』主題歌に「FAMILIA」が決定。
NHKスペシャル『2030 未来への分岐点』のテーマ音楽「2992」(DUDAのリメイク)を制作。
1月、NHK総合で『常田大希 破壊と構築』が放送された。番組は3ヶ月常田に密着し、どんな思いでmillennium paradeの活動に至ったのかも語られている。
常田が音楽の歴史、楽器と向き合って「なんで世の中に必要とされてないんだ」と話している。
その他にも「音楽業界に受け入れられるものがアーティストとして優れているとは思っていない。だからこそ勝ち取らないといけない。評価されないといけない」「妥協の音楽は作りたくない。自らの音楽を認めさせたい。」など、印象的な言葉が多かった。
アルバム『THE MILLENNIUM PARADE』に収録されている「2992」が出来上がるまでの描写もあり、多くの人に常田とmillennium paradeの特異性、音楽性の豊かさを知らしめた。

更に多くの人がmillennium paradeを知るきっかけになったのが、8月18日にリリースされた「U」だ。細田守監督のアニメ映画『竜とそばかすの姫』のオープニングソングに抜擢され、「U」で歌を務めた中村佳穂と共に紅白歌合戦に出場し話題となった。

ミュージックビデオの受賞

millennium paradeは様々な賞も受賞している。
常田大希を中心に作られる音楽が注目されるが、millennium paradeといえばPERIMETRONが作るミュージックビデオも欠かせない。
年間の優れたミュージックビデオを表彰する音楽アワード「MTV VMAJ 2020」で「Fly with me」がBest Alternative Video (最優秀オルタナティブビデオ賞)に選ばれた。
SPACE SHOWER MUSIC AWARD 2022では「Bon Dance」が最も優れたCG/アニメーションミュージックビデオに授与される賞、BEST CG / ANIMATION VIDEO』に選ばれ、millennium paradeとしてもBEST GROUP ARTIST を受賞した。

竜とそばかすの姫「U」大ヒット

出典: www.instagram.com

左:中村佳穂 右:常田大希

世の中に広く知られるきっかけになったのは2021年の紅白歌合戦。細田守監督「竜とそばかすの姫」の主題歌「U」での出演の影響が大きい。
紅白歌合戦ではボーカルを務めた中村佳穂と共にmillennium paradeの生演奏が圧巻のパフォーマンスを見せ、ファンの層も広げる事となった。
millennium paradeがメインソングを手掛ける事が発表された時から注目を集めていた。映画発表当初、主人公の声を演じるのが誰なのかは明かされず、アーティストとして評価が高い中村佳穂と発表された時、音楽ファンを驚かせ更に期待が高まった。
ミュージックビデオはMTV、VMAJ「Best Collaboration Video -Japan-」とSPACE SHOWER MUSIC AWARDS、BEST
MOVIE SONGを受賞し、 YouTubeの動画は4000万回再生を超えている。(2022年5月)
「竜とそばかすの姫」は2021年の第45回日本アカデミー賞で優秀アニーメーション作品賞を受賞した。

millennium paradeのメンバー

millennium paradeは多くのアーティストが参加しているが、ここでは主要メンバーを紹介する。

常田大希(つねただいき)

出典: rockinon.com

millennium paradeの発起人。
自分の音楽を貫く中で出会った同世代のアーティストをmillennium paradeとPREIMETRONに誘い今に至る。
幼少期から両親の影響でクラシック、ジャズに触れる。中学、高校時代も周りの影響で様々な音楽に触れ、常田の音楽性が出来上がっていった。

常田の両親はクラシック、ジャズピアノを弾き、子供の頃から音楽に触れていた。
中学では合唱部に所属していたが、ストリートカルチャーに触れ、友達の兄などの影響でヒップホップ、レゲエを聞くようになった。それまでクラシック・ジャズに触れてきた常田はカルチャーショックを受け、ヒップホップ、レゲエのかっこよさに衝撃を受けたそうだ。

同時期にロックに興味を持ち、ニルヴァーナやレッド・ホット・チリ・ペッパーズと出会う。高校にかけギターの魅力に惹かれていった。高校時代、音楽好きに長年愛されてきたウッドストックドキュメンタリー映画「ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間」を見る。
『あ、こんな音楽があるんだ』『こんな世界があるんだ』と衝撃を受けたと語っている(ROCKIN’ON JAPAN vol.530号より)
常田は日常生活で様々なジャンルの音楽に触れて来た。そのためクラシック音楽と他ジャンルの音楽をわけて考えていないそうだ。
その経験が余すことなくmillennium paradeに反映されている。
常田は芸術について「今まで(既存の作品)をどう変化させるかが芸術だと思っている。」と述べている。この考え方で作られる作品には常田の経験が活かされている。

新井和輝(あらいかずき)

出典: bassmagazine.jp

ベース、シンセベース。King Gnuのメンバーでもある。
東京経済大学卒業。国立音楽大学の授業も受けていた。
大学時代はビックバンド「NEWTIDE JAZZ ORCHESTRA」に所属しており、山野ビックバンドジャズコンテストで最優秀賞を受賞している。
2年間ジャズベーシスト河上修の自宅に住み込みで修行。ジャズセッションに精力的に参加しており、新井にとって大切な経験だったと語っている。ウッドベースも堪能。King Gnuの中では一番落ち着いた性格で、母親に車をプレゼントするエピソードもあり温かい人柄として知られている。
2022年3月に結婚発表している。
常田はベースもかなりの腕前で、新井とお互いにリスペクトを持って活動しているようだ。

勢喜遊(せきゆう)

出典: www.instagram.com

ドラム、サンプリングパッド。King Gnuのメンバーでもある。
両親がプロミュージシャンで、幼少からドラムを叩いていた。
ロックでタイトなドラムが持ち味。millennium paradeではもう1人のドラム石若との掛け合いやユニゾン(同じフレーズを叩く)の迫力が欠かせない。
髪型によってプレイスタイルが変わるなどとバンドメンバーから言われ、愛されるキャラクターだ。奥さんは三味線奏者の白藤ひかり。2019年に入籍した。

石若駿(いしわかしゅん)

ドラム。 東京藝術大学出身。
常田の大学の同級生であり、King Gnuの前身バンド、Sre.Vinciの元メンバーである。
Namboku Records所属、カルテットSMTKリダーも務めている。
ジャズ界の大御所ハービー・ハンコック、日野皓正に影響を受けている。
SMTKのメンバーはギター細井太郎、ベースマーティ・ホロベック、サックス松丸契。
コンセプトは『自分(石若)の曲をやらない』
10代の頃からジャズ界でトップドラマーとして活動。
グルーヴが魅力。勢喜遊と異なった音楽性で能力を発揮しmillennium paradeを支えている。
絢香『LOVE CYCLE』に参加など、多くのアーティストのサポートメンバーとして活躍している。
広い音楽性を有し、2021Low Light Art Ensembleではバイオリン、チェロ、バンドネオン、箏などと演奏も行なっている。
「U」で話題となった歌手、中村佳穂とドラマ『エンディングカット』の「circle」を小田朋美と共に制作をした。

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@bardteacw0322

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