SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁のネタバレ解説・考察まとめ

『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』とは、2016年に公開された英BBC制作のドラマ『SHERLOCK』の特別編。日本では劇場公開された。通常の現代から原作同様のヴィクトリア時代へ設定を移し、未解決の怪事件「リコレッティ夫人の幽霊の謎」に挑む。テレビシリーズのシーズン1〜3を踏まえた緻密な伏線が多数張り巡らされており、何度も見返すことで面白さが増す巧みな構成が特徴である。その高いクオリティから、第68回エミー賞で作品賞テレビ映画部門を含む2冠を達成した。

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日本語吹替:永田亮子
本作の鍵を握る「忌まわしき花嫁」。結婚記念日当日にウェディングドレス姿で銃を乱射した末に自殺するが、同夜に亡霊として再び現れ、夫を射殺したとされる。その真相は、秘密結社の仲間と共に仕組んだ命がけの偽装殺人と復讐計画であった。

サー・ユースタス・カーマイケル(演:ティム・マッキナリー)

日本語吹替:髙橋耕次郎
レディ・カーマイケルの夫。5粒のオレンジの種が入った手紙を見た途端に我を失うほど狼狽する。ホームズとワトソンが屋敷で張り込みをしていたにもかかわらず、一瞬の隙を突かれて花嫁姿の犯人に刺殺される。

トーマス・リコレッティ(演:ジェラルド・キッド)

エミリア・リコレッティの夫。結婚記念日の夜に、自ら命を絶ったはずの妻である「花嫁の亡霊」と遭遇し、ショットガンで射殺される。

その他

アイリーン・アドラー(演:ララ・パルヴァー)

ホームズの記憶や精神世界に大きな影響を与える女性。

アンダーソン(演:ジョナサン・アリス)

日本語吹替:内田岳志
シャーロックの周囲に現れる人物。

『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』の動画

予告編(日本語字幕付き)

『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』 予告編2 【日本語字幕】

『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』 予告編2 【日本語字幕】

『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

「過去」と「現代」を行き来するストーリーの意味

「死…は新しいセクシーだ」ヴィクトリア時代にこんな表現はなかったはず。

冒頭で現代のシャーロックを振り返る映像が流れた後、舞台はすぐにヴィクトリア時代へと移行し、ミルク色の霧に包まれた冬のロンドンが描かれる。この幕開けにより、視聴者はコナン・ドイルの原作(聖典)に準拠したホームズとワトソンが、19世紀の事件を調査・解決していく物語であると受け止める。しかし、ここにはすでに制作者側の巧妙な罠が仕掛けられている。

劇中、ある場面で突然ヴィクトリア時代のホームズから現代のシャーロックへと画面が切り替わる。その場所は、シーズン3のラストシーンでシャーロックが乗り込んだチャーター機の中であった。目を覚ましたシャーロックの周囲には、心配そうに見守る兄マイクロフト、ジョン、メアリーの姿がある。

一見すると、それまでのヴィクトリア時代の出来事はすべてシャーロックが夢の中で見ていたものだったかのように思わせる。だが、実際は単なる睡眠ではなく、彼の悪癖である薬物の大量摂取によって半ば昏睡状態に陥っていたことが明かされる。

ここに、さらなる罠が潜んでいる。キーポイントとなるのは「薬物」である。薬物の影響により、シャーロックの意識は過去と現代を激しく行き来し始める。その結果、視聴者は今見ている映像がシャーロックの妄想なのか、それとも現実に起きていることなのかの判別が困難になっていく。

ヴィクトリア朝の舞台には、当時の衣装を纏ったモリアーティ教授も出現する。モリアーティは「死は新しいセクシーだ」と言い放つが、ヴィクトリア時代にこのような現代的表現は存在しない。このシーンも、初見では聖典に倣ってモリアーティがホームズに忠告しに現れた構図に見える。しかし、繰り返し見直すことで、これがシャーロックの脳内(マインドパレス)におけるシミュレーションであると気づかされる。彼は、過去の類似した未解決事件を精査することで「なぜ死んだはずのモリアーティがメッセージを送ってこられたのか」という謎を推理しようとしていたのである。

シーズン3のラストで、死んだはずのモリアーティが「MISS ME?(寂しかった?)」というメッセージを遺した。シャーロックは、19世紀の未解決事件である「リコレッティ夫人事件」にそれとの共通点を見出し、脳内で回答を導き出そうとしていた。

そして物語の結末、再びヴィクトリア時代のベーカー街221Bで、ホームズとワトソンが今回の事件について語り合う場面へと戻る。ここでワトソンが放つ「ジェット機などという途方もない君の想像には驚く」というセリフにより、視聴者は最後の最後に再び揺さぶられる。一連のストーリーは、ヴィクトリア時代のホームズが薬物の影響で見た「未来の幻影」だったのではないか、という疑念が生じるためである。

しかし、ホームズが窓際に立ち、ベーカー街を見下ろした瞬間に映し出されるのは、21世紀のロンドンである。ダブルデッカーやタクシーが走り、人々がスマートフォンを手に歩く「現代」の世界がそこには広がっている。

この結末に至り、視聴者は制作者側の仕掛けた心地よい罠に嵌められたことを知る。本作は、現代のシャーロックが精神世界で見た現実の推理とも、ヴィクトリア時代のホームズが見た未来の幻視とも解釈できる、二面性を持った極めてリバーシブルな構造の作品である。

実はめちゃくちゃなディオゲネス・クラブでのワトソンの手話

ディオゲネス・クラブでは話をすることが一切許されていない。そこで手話で会話をするのだが、ワトソンの手話がめちゃくちゃである。
「私の作品を気に入ってくれてうれしい」と言いたいところを、「私のポテトを気に入ってくれてうれしい」などと言っている。

聖典では肥満のマイクロフトが正解

ヴィクトリア朝のシーンではでっぷりと太っているマイクロフト。現代のマイクロフトはスマートでが、聖典での描かれ方はこちらの方が正解である。
そして、聖典通り兄の方が圧倒的に弟よりも頭が切れる人物になっている。

matsurika
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@matsurika

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