
『ボーイズ・オン・ザ・ラン』とは、『ビッグコミックスピリッツ』で2005年から2008年まで連載された花沢健吾の青年漫画、およびそれを原作とした実写映画、テレビドラマ作品。本作は、平凡な会社員の田西敏行が、不条理な現実にもがき苦しみながら青春を駆け抜けていく成長物語である。残酷で不条理な現実と向き合い、あがき続ける主人公。主人公をはじめとした登場人物たちの言葉は、読者の胸を打つものばかりである。

青山との決戦を前に、「やめてもいいんだよ」という鈴木に対して「ここで逃げたら、俺、一生逃げ出しそうで」と返答する。多くの人に闘う意味を問われながらも答えを出せないままに「俺はなんで、走るんだ」と自分へ問いかけながら決戦に赴く。
理屈は無くとも自らの決意に従って突き進む田西が自分自身に向けた言葉。
「自分ざえ認めなぎゃ、まだ負けじゃないっずっ!! 自分に負けるな。どこまでも突っ走れッ!!」
花の夫である大巌源(おおいわげん)にボコボコにされた田西。シューマイ先輩(宍戸)の非力な人間は負け続けなければならないのかという問いに、「自分ざえ認めぎゃ、まだ負けじゃないっずっ!!」とぐしゃぐしゃな顔で答えたのだった。
青山貴博(あおやま たかひろ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「ははっ、『ちくしょう』って言ったの? くやしいわけ? 田西さん、1・2週間練習したぐらいで、勝てると思ったわけ? 今までもこんな感じで適当にやってきたんでしょ。27歳だっけ、田西さん。27年間の結果がこれですよ。何もしてこなかった奴が、勝てるわけないんだよ。うすっぺらなんだよ、あんた。」
ちはるを弄び、わずか3ヶ月で捨てた青山。妊娠したちはるに、堕胎費用の金だけ払って関係を清算しようとする青山に、田西の怒りが爆発。青山に決闘を申し込む。しかし決闘を挑んだ田西は青山に「カポエラ」で返り討ちにされてしまう。なすすべなく殴られ続ける田西に向けて青山は、「ははっ、『ちくしょう』って言ったの? くやしいわけ?田西さん、1・2週間練習したぐらいで、勝てると思ったわけ? 今までもこんな感じで適当にやってきたんでしょ。27歳だっけ、田西さん。27年間の結果がこれですよ。何もしてこなかった奴が、勝てるわけないんだよ。うすっぺらなんだよ、あんた。」と投げかけた。
努力を重ねてこなかった田西と青山の違いを残酷なまでに突きつける名シーンである。
植村ちはる(うえむら ちはる)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「なんでもそうだけど、 本気じゃなきゃつまんないですよ。」

ちはるの昔の話を聞く田西。失恋の話をするちはるの膝を見ると、怪我の後があった。聞けば、昔の傷跡だという。ちはるはこれまで、いろいろなことに一生懸命チャレンジしてきたのだ。そしてちはるは、「なんでもそうだけど、 本気じゃなきゃつまんないですよ。」と笑った。この言葉は田西だけでなく、多くの読者の胸にも響いた。
宍戸修(ししど しゅう)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「結局… 非力な人間は負け続けなければならないのか?」
大巌源(おおいわげん)にボコボコにされた田西。シューマイ先輩(宍戸)の「結局......非力な人間は負け続けなければならないのか?」という問いに、「自分ざえ認めぎゃ、まだ負けじゃないっずっ!!」とぐしゃぐしゃな顔で答えたのだった。
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目次 - Contents
- 『ボーイズ・オン・ザ・ラン』の概要
- 田西敏行(たにし としゆき)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「だからさ、援交でもいい!素人とSEXして、妄想と現実のギャップを埋めるんだ! オナニーはもう、うんざりだ!!」
- 「上等だ!!俺のストライクゾーンは海より広いぜ!!」
- 「あった!本気になれるもの。」
- 「努力なんて、したことなかった。だから、挫折の苦しみも勝利の喜びも知らない…。目の前にいるのはそんな男です。」
- 「生まれ、 変われ!!」
- 「28歳、無職、失恋、敗北、無能。 現実が重い。」
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- 「よく聞けっ!!メス豚ども!俺だって一度も挫折した事ねーぞっ!俺がっ、挫折する前に逃げ続けてきた俺が、挫折っ、させてやるっ!!!」
- 「ここで逃げたら、俺、一生逃げ出しそうで」「俺はなんで、走るんだ」
- 「自分ざえ認めなぎゃ、まだ負けじゃないっずっ!! 自分に負けるな。どこまでも突っ走れッ!!」
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