アンダーニンジャ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『アンダーニンジャ』とは、2018年より花沢健吾が『週刊ヤングマガジン』で連載しているバトルアクション漫画。太平洋戦争後にGHQの手によって解体を余儀なくされた忍者組織は、世界がテロや戦争が起こる時代に変わったので消滅したかに見えたが、多くの忍者が日本のあらゆる組織に潜伏していて暗躍していた。忍者は日本に現在も存在しているのだ。
主人公の雲隠九郎は末端の忍者で、職もなくニート同然の生活を送っていたが、あるとき学校に潜入する忍務が任せられた。
2023年にアニメ化が決定している。

『アンダーニンジャ』の概要

『アンダーニンジャ』とは、『週刊ヤングマガジン』にて2018年7月から連載中の花沢健吾による漫画。ジャンルは青年漫画、サスペンスアクション。作者の花沢健吾は、いわゆる非モテやヘタレな冴えない平凡な青年を主人公として物語を描くのを得意としている。これまでに『ボーイズ・オン・ザ・ラン』『アイアムヒーロー』といった作品を描いており、2023年にはアニメ化も決定されている。

遠い昔、栄華を誇っていた日本の忍者たちは戦後にGHQよって組織を解体させられ消滅していた。しかし現在でも忍者は秘密裏に社会に存在しており、その数は約20万人ほどいると言われている。そして一部の精鋭忍者たちは国家レベルの争いごとの裏で暗躍していた。一方では末端の忍者は仕事も在り付けないことも多い。その一人の主人公、雲隠九郎もニート同然のような暮らしをしていた。ところがある日、上からの指示で最新鋭の装備と共に、とある高校への潜入の依頼を受けることになる。

『アンダーニンジャ』のあらすじ・ストーリー

雲隠九郎の任務

遠い昔、栄華を誇っていた日本の忍者たちは戦後にGHQよって組織を解体させられ消滅していた。しかし現在でも忍者は秘密裏に社会に存在している。
下忍の雲隠九郎は、自身の住んでいるボロアパートで爪楊枝とタバコで吹き矢を作って暇を潰したり、体術の練習をしていてほぼニート生活をしていた。するとアパートの九郎の部屋に宅配配達員に扮した中忍の加藤が訪ねてくる。九郎に講談高校に潜入する忍務が課せられることになる。上司である加藤から届けられた荷物には、高校の生徒手帳と制服一式、チャックが目元まで上がるパーカーが入っていた。
早速転校の手続きを行うべく、講談高校に電話をかけようとするが、転校の手続きは親がすべきだと気づく。親のいない九郎は同じアパートに住んでいて、風俗で働いている川戸に母親の役で講談高校に転入の電話をお願いすべく、部屋を訪ねると川戸はトイレに入っており九郎にトイレットペーパーをとって欲しいとお願いし、九郎は得意の体術で華麗に川戸にトイレットペーパーを渡すことに成功する。
その後、川戸の迫真の演技によってリアルな家庭環境を作り出すことができ、無事に講談高校への転入手続きの電話をすることができた。しかし土曜日に英語、国語、数学の転入試験があることを聞いてなかったため、九郎は少し動揺してしまう。

外国人忍者

九郎が講談高校への転入の準備に勤しんでいた頃、一方では忍者に憧れる外国人が区役所を訪れていて、「忍者はドコに行けば会えまスか?教えてくだサイ」と区役所の役員に訪ねていた。彼は区役所内で、浅草で買った日本刀を模した傘を振り回し迷惑行為をしていた。区役所に忍者の出所を尋ねても有益な情報がなかった為、外国人は町中に繰り出し再び忍者を探すことになった。
歩いている途中で電信柱の根元に神社の地図記号を発見し、忍者の暗号と勘違いした外国人は他に暗号がないかと、道端を隈無く探していたとこに、「ここに小便をするな 粗末な竿を切り落とす」という注意書きを発見し、それをスマホで撮ってドイツにいる別の外国人に注意書きの意味を尋ねる。ドイツにいる外国人は「壁に小便をする男の局部を切れ。たぶん2、3本切れば忍者とコンタクトが取れるだろう」と間違った情報を忍者に憧れる外国人に伝える。忍びの組織に潜入できればドイツにいる外国人組織が有利になるため、それまでは忍者に憧れる外国人の娘を預かっておく、と控えめに脅していた。
「局部を3本切れば忍者になれる。忍者になれば娘を救える」と考えた忍者に憧れる外国人は、男性の局部を切り落とす通り魔事件を起こす。

九郎に追加忍務

九郎は、同じアパートの住人で中年サラリーマンの大野が持っていたブラジャーを無断で拝借し、自分の部屋で装着して遊んでいた。自分につけてもさほど感動を得られない九郎のもとに、再び加藤が忍務の進捗状況の確認のため訪れる。加藤は九郎に「練馬で発生した外国人による男性の局部を切断する通り魔事件の犯人を3日以内に、自ら囮になって処理しろ」という仕事を伝えた。さらにテーザー銃内蔵の警棒も九郎に渡して「人の目を避けなるべく殺すな、再起不能で帰して見せしめにする」と言いその場を離れようとする。
その際に九郎に前回渡していたパーカーが目に入り、ふと見てみると「魔利支天4.0」と書かれているタグを発見し、一瞬動きを止め、何事もないように立ち去っていった。その様子を見逃していなかった九郎は「何かあるな」と疑い始めていた。

ドロ少年

ドローンによる川戸のブラジャー窃盗を試みたことがある不登校の少年は、九郎や川戸が住んでいるアパートの前で立ち尽くしていた。少年は盗めなかったブラジャーが壁にかかっている光景を見て茫然自失になっていて、少年は罠だと感じていたと同時に怒りを感じていた。しかし少年らしい思春期の妄想も浮かんでいて、無意識にブラジャーに手を伸ばしていた。その瞬間に透明になれるパーカーを使って隠れていた九郎にテーザー銃を撃たれて、少年は気絶してしまう。
少年が目を覚ますと先ほどのアパートの部屋にいて、それが大野の部屋とわかると、ため息と舌打ちをし、「自分の人生が詰んだ」と感じて敗北を悟り全てを諦めていた。少年が持っていた紙袋の中にある包丁を使って全てを終わらせようと考えていた所、九郎が大野の部屋の台所で漬物を切るのに少年の包丁を使っているのを目にし、さらに諦めがついた。その後、川戸が大野の部屋にやってくる。少年は目の前にブラジャーの主がいることに緊張のあまり硬直してしまう。川戸は少年と初対面であり、なぜ少年が部屋にいるかを九郎に聞いたところ、九郎は「彼はブラジャーを拾ってくれて、わざわざ持ってきてくれたんです」と少年を庇ってくれていた。川戸は「隣のおばちゃんの部屋の日当たりが悪いから、代わりにブラジャーを干していた」と語り、少年は真実を知って貧血気味になる。
その後、川戸は駐車場でおしっこをしていた時に外国人に局部を見られた話をする。九郎が探している外国人と特徴が共通している為、九郎は川戸に詳しい話を求めた。
少年は帰る最中に、九郎に「忍者に憧れる変態外国人を見つけたら川戸の卑猥な会話が入っている音声データを渡してやろう」と言われる。

コーポ内での戦い

九郎に外国人の調査を頼まれた少年は、同じコーポ内に住んでいる、義理の父親から虐待を受けている小学生の純粋愛(じゅんな)に「外国人を見つけたら自分の持っているドローンを操縦させてやる」という約束をする。後日、純粋愛が神社の境内に隠れている外国人を発見し、純粋愛の住んでいるコーポに招き入れることになり、約束通り少年に外国人を会わせて、純粋愛はドローンを操縦することができた。
一方で同じコーポ内に住んでいる、二十数年全く売れていない歴史小説家の吉田昭和の部屋では、担当編集者の鈴木が吉田の原稿に容赦なく修正を入れていたところだった。鈴木の正体は忍者であり、外国人の捕獲のため外国人と戦うことになる。鈴木が透明になったりテーザー銃を使用して一歩的に追い詰める展開になるが、外国人は耐電訓練を受けておりなんとか反撃することができた。
外国人が鈴木に対して銃口を向けている最中に突然横からフードをかぶって顔を隠した、忍者学校時代の九郎の友人の日々奇跡(ひびみらくる)が参戦してきた。その隙に鈴木はその場から距離をとって姿勢を立て直す。外国人と日々が戦っている中、鈴木は少年のドローンで加勢する。
その後、民間人である純粋愛に虐待している義理の父親が車でコーポに帰ってくる、その車の横にスケボーに乗って透明になるパーカーを使用した九郎もひっそりと現れていた。怒声をあげる義理の父親に対して外国人は銃口を向けるが、純粋愛が「お父ちゃんっ!」と叫んだため銃口を降ろす。外国人は車で逃走を図るが、その車には透明化した九郎が乗っており、外国人の顎にパンチを喰らわして倒すことに成功する。その後、九郎は「面倒そう」という理由でその場から逃走する。

『アンダーニンジャ』の登場人物・キャラクター

主要人物

雲隠九郎(くもがくれ くろう)

本作の主人公で、職についていないほぼニート状態の雲隠れ一族末裔の少年。学校にも行かず仕事を与えてくれない組織も辞めることができていない状態である。
名前の由来は、母親が九郎を産んですぐに「苦労をかける」と言い残し家から出ていったのを、父親が「九郎を書ける」と勘違いして聞いてしまい、そのまま出生届を出してしまったと作中で語っている。
瞬時に嘘を真顔で言うのが得意で高校の教頭先生と仲良くなったり、その嘘で敵のペースを乱したりする。全国の名字の多さランキングを九郎自身がとても気にしており、ランキングが上位の人物に対して勝手に1人敗北を感じてしまうクセがある。
雲隠一族最強と言われている雲隠虹郎の全ての忍術を継承しており、虹郎のクローンとまで言われている。

加藤(かとう)

普段は宅配便「志能便」の配達員として社会に紛れて勤務している中忍であり、役職は副隊長。九郎に対して講談高校への潜入と外国人確保の指令を与える。
加藤本人より格下の九郎に最新式の装備「魔利支天」が与えられたことに対して疑心暗鬼になっている。とてもクールで実力のある忍者である。

川戸(かわど)

主人公の九郎が住むアパートの1階の住人であり、イメクラで働いている。九郎曰く、普段から常にお酒を飲んでおり、日中はほとんどシラフでいることがない。九郎の講談高校の転入試験受付の際に、母親に扮して電話対応をしてくれた。本人曰く、平成22年2月22日に起きた「22・2・22事件」という忍災で両親を失っていて学校に行くどころではなくなり、高校を中退している。

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