スティーヴン・キング ファミリー・シークレット(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『スティーヴン・キング ファミリー・シークレット』とは、2014年に製作されたアメリカのサスペンス映画。 原題は『A Good Marriage』。ホラー小説の巨匠、スティーヴン・キングが2010年に発表した小説『素晴らしき結婚生活(A Good Marriage)』を、キング自ら脚本化した作品である。怪異やモンスターではなく家庭の闇や夫婦関係をテーマに据えており、「もしも最愛の伴侶が連続殺人鬼だったら」という現実的な恐怖を追求したサスペンス作品として話題を集めた。

『スティーヴン・キング ファミリー・シークレット』の概要

『スティーヴン・キング ファミリー・シークレット』とは、2014年に製作されたアメリカのサスペンス映画。 原題は『A Good Marriage』。ホラー小説の巨匠である スティーヴン・キング が2010年発表の中編小説『素晴らしき結婚生活(A Good Marriage)』を自ら脚本化した作品であり、監督はピーター・アスキンが務めた。
本作は派手な殺人描写や超自然的な恐怖ではなく、「最も身近な人間の正体を知らなかった」という心理的恐怖を描いている点が特徴である。スティーヴン・キング作品としては珍しく、怪異やモンスターではなく家庭の闇や夫婦関係をテーマに据えており、「もしも最愛の伴侶が連続殺人鬼だったら」という現実的な恐怖を追求したサスペンス作品として知られている。
主演はダーシー役のジョーン・アレン、夫ボブ役のアンソニー・ラパリア。本作で「穏やかな家庭人と冷酷な殺人犯」という二面性を演じたラパリアの演技は高く評価された。また、実在したアメリカの連続殺人犯BTK事件から影響を受けた作品ともいわれており、キング作品の中でも異色の心理スリラーとして位置づけられている。

結婚25年を迎えたダーシーとボブ。平凡ながら幸せな家庭を築いてきた塞いだが、ある日ダーシーが、夫のガレージで連続殺人事件の被害者の遺品を発見してしまう。ダーシーは「愛する夫こそが世間を騒がせる猟奇殺人犯ではないのか」という疑念を抱き始め、長年連れ添った夫婦の関係は静かに崩壊していく。

『スティーヴン・キング ファミリー・シークレット』のあらすじ・ストーリー

結婚25周年で生じた疑惑

アメリカ最北東部・メイン州。数十年にわたり、この地域では「ビーディ(B・D)」と呼ばれる連続殺人鬼による猟奇事件が続いていた。
そんな土地で、アンダーソン夫妻の結婚25周年を祝うパーティが開かれる。会計士として成功し、コイン収集が趣味の夫ボブと、長年寄り添ってきた妻ダーシー。二人には息子ドニーと、婚約者ヴィンスとの結婚を控えた娘ペドラがいる。子どもたちが企画した温かなパーティの中で、ボブはダーシーに美しいイヤリングを贈り、会場は祝福ムードに包まれていた。
しかしその夜、家に戻った夫妻を遠くから見つめる初老の男がいた。彼はパーティ会場にも姿を見せており、何かを探るように二人を観察していた。
翌日、ボブは短い出張へ向かい、家に残ったダーシーはニュースで「ビーディの犯行ではないか」と報じられている殺人事件を目にする。その夜、庭の納屋で物音を聞いたダーシーは、家のドアをノックする謎の人物の気配を感じるが、相手は何もせず車で去っていった。
不安を抱えたまま家に戻ったダーシーは、偶然ボブが隠していたボンテージ姿の女性が載った雑誌を発見する。さらに、見覚えのない女性名義の複数のIDカードも出てきた。そのうちのひとつである「マージョリー・ドゥバル」は、隣人のベティが語っていたビーディの12人目の被害者の名だった。ダーシーは、ボブがビーディなのではないかと疑念を持つようになる。
動揺しながらも証拠を元の場所に戻したダーシーに、出張先のボブから電話が入る。彼女の不自然な態度に気づいたボブは「すぐ帰る」と言うが、ダーシーは必死に止める。電話の最後に夫妻はいつも通り愛の言葉を交わしたが、それはどこか空虚なものになった。

ボブの本性

ダーシーはパソコンで「マージョリー・ドゥバル」について検索し、彼女が惨殺されたニュースを確認する。さらに、被害者が身につけていたとされるイヤリングが、前日にボブから贈られたものと同じだということを知って嗚咽を漏らす。
その頃、出張中のボブは喫茶店で一人の美しい女性に目を留める。ボブは彼女を車で尾行し、ヘッドライトもつけずに静かに追いかけていった。
深夜3時、物音で目覚めたダーシーは家の中を改めて確認し、ベッドに戻る。そんな彼女に、急遽帰宅したボブが声をかける。ボブは、「ダーシーが不審な行動をとっていることを知っているし、彼女がビーディの被害者を調べていたことを知っている」と伝えてきた。
ボブは幼い頃、ブライアンという友人と共に少女たちに虐められ、「殺さなきゃ」という強迫観念を持つようになったことや、「殺したのは自分ではなく、自分の中の別の人格だと思っている」という胸のうちを告白する。
ダーシーが「自分のことも殺すのか」と問うとボブはそれを否定したが、「警察に通報しても恨みはしないけど、君や子どもたちに危険が及ぶ」と暗に脅してくるのであった。
悪夢にうなされるダーシーは、ベッドに置かれた包丁を見てさらに追い詰められる。宅配ピザで食事をすませ、酒を飲んでボブを問い詰めると、ボブは「もう殺さない。ビーディを抑え込む」と言うが、ダーシーは信じきれない。悩んだ末、彼女はボブに「被害者のIDは警察に送らず、森に捨てろ」と告げるのであった。

殺人鬼の夫とその妻の末路

ダーシーは、ベティとの会食で心の変化を見抜かれながらも、日常を取り戻そうと平静を装うようになった。
夫妻の娘であるペドラの結婚式の日も、アンダーソン夫妻は仲睦まじい夫婦のように振る舞っていたが、その式を遠くから見つめる初老の男がいた。彼の手には「Bob + Darcy → B・D = BEADIE」と書かれたメモが握られていた。
数日後、ボブは珍しい1ペニー硬貨を見つけたことに喜び、ダーシーとレストランで食事をして祝う約束をした。食事を楽しんだ後、ほろ酔いで階段を降りるボブをダーシーは背後から突き落とす。倒れたボブがまだ息をしているのを確認したダーシーは外の様子を伺い、静かに彼を窒息死させた。殺人の証拠を入念に隠蔽した後、ダーシーは警察へ通報。夫を突然喪った悲劇の妻として立ち振る舞う。
ボブの葬儀の日、ダーシーは微笑みをバッグで隠すようにしていた。棺にはボブから贈られたイヤリングが置かれ、家族は悲しみに沈む。その様子を、またあの初老の男が見つめていた。
数日後、ダーシーの元にその初老の男が訪れた。彼は自身は元刑事だと説明し、ホルト・ラムジーと名乗る。ラムジーは「ビーディはボブとダーシーの頭文字だ」と推理しており、二人が共犯で12人を殺したのではないかとダーシーに詰め寄った。しかしそのさなか、重病を抱えているラムジーは激しく咳き込み、ダーシーは彼を気遣う。
共犯の疑いは晴れたが、ボブを殺害したという真相は依然として彼女の胸の中にのみ存在していた。

その夜、ダーシーは自分が疑われることを覚悟したうえでラムジーが入院する病院を訪れ、ボブが集めていた被害者のIDを渡そうとした。
しかしラムジーは「自分には裁けない」と言ってそれを断り、ダーシーに「背負って生きること」を促すのだった。

『スティーヴン・キング ファミリー・シークレット』の登場人物・キャラクター

アンダーソン夫妻

左が夫のボブ、右が妻のダーシー

ボブ・アンダーソン(演:アンソニー・ラパーリア)

本作の主人公のひとり。アンダーソン家の大黒柱で、ダーシーの夫。妻のダーシーのことを心から愛しており、結婚25周年を祝っていた。
正体は連続殺人鬼のビーディで、多くの女性を手にかけてその命を奪っている。

ダーシー・アンダーソン(演:ジョアン・アレン)

本作の主人公のひとりで、ボブの妻。25年間にわたって夫とは仲睦まじく過ごしてきたが、彼の正体が連続殺人鬼のビーディだったことを偶然知ってしまい、良心の呵責に苛まれて精神をすり減らすようになる。

その他

ホルト・ラムジー(演:スティーヴン・ラング)

ビーディ事件を追っていた元刑事。アンダーソン夫妻を怪しんで目をつけていたが、重病に体を蝕まれて志半ばで刑事の職を辞している。その後は独自に調査を進めており、アンダーソン夫妻を追っていた。

ベティー・パイク(演:カーラ・ブオノ)

アンダーソン夫妻の自宅の隣に住む隣人。ダーシーと仲が良く、彼女が徐々に神経をすり減らしている様子を心配している。

ペトラ・アンダーソン(演:クリステン・コノリー)

アンダーソン夫妻の娘。作中では結婚が決まっており、両親を結婚式に招待していた。

『スティーヴン・キング ファミリー・シークレット』の用語

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