豊かな感受性と光るセンスが魅力!『華のなまえ』
美麗で繊細な絵と鋭い心理描写が印象的な漫画家・種村さとるさん。そんな彼女の初期の作品で、感受性豊かな少女を中心に荒削りな心理や葛藤が洗練されていく様を描いた珠玉の短編集・『華のなまえ』について紹介します。
華のなまえ
傷心から更にやけ酒を煽っていた彼女だが、街中で彼女を拾ってくれた小劇団の女性と以前仕事で一緒になり「気に食わない」言葉を掛けた青年と再会。ちょうど代役を欲していた彼らの頼みにより飛び入りで演技に再会することとなる…
晴れた日に永遠が見える
自らをレズビアンだと語り桜子を抑圧しない翠に対して好感を持つが、その一方で翠と対話を重ねるごとに自身の抱える空虚さと対峙しなければならない局面に立たされる…
SilkとCotton
下着は親に選んでもらうほど興味がなく、またはパシリ同然で馬鹿にされていた彼女。しかしあることがキッカケでしだいにアイディアを発信できるようになり、しだいに下着デザインの趣深さにきづいてゆく…
まとめ
見どころは多々ありますが、特に大人になりかけの子供の持つ繊細な心象と、登場する人物たちの着る個性的ながらも洒落た服装が魅力的。モード系のファッションを見るのが好きな方、モラトリアム中のもやもやした気持ちを抱えている方に特にオススメの作品集でした。