ハイスクール・ミュージカル（映画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ハイスクール・ミュージカル』の概要

『ハイスクール・ミュージカル』とは世界中でヒットしたミュージカル映画である。バスケが得意で人気者のトロイと内気で人前に出るのが苦手な天才少女のガブリエラを中心とした青春物語。勉強、友人、恋、進路など青春をミュージカルにした大ヒット映画。
作中に登場した楽曲は名曲揃いだが、特に「Breaking Free」はBIllboad Hot 100の中で4位を獲得した。
また、続編に『High School Musical2』（2007）や『High School Musical3；Senior year』（2008）がある。
2011年には『Sharpay‘s Fabulous Adventure』というシャーペイを主役としたスピンオフ作品が放送された。

監督のケニーオルテガはアメリカ合衆国の監督、振り付け師、プロデューサー、ディレクターである。カリフォルニア州パロ・アルト生まれ。
『HSM』シリーズ以外にも『ディセンダント』や『マイケル・ジャクソンTHIS IS IT』がある。
『ハイスクール・ミュージカル』を監督した時、第58回プライム・エミー賞で演出賞を受賞。

監督 ケニー・オルテガ
脚本 ピーター・バルソチーニ
制作 ドン・シェイン
制作総指揮 ビル・ボーデン
バリー・ローゼンブッシュ
音楽 デヴィッド・ローレンス
撮影 ゴードン・C・ロンズデール
編集 セス・フラウム
制作会社 ディズニー・チャンネル
ソルティ・ピクチャーズ
ファーストストリート・フィルムズ
公開 2006年

『ハイスクール・ミュージカル』のあらすじ・ストーリー

2人の出会い

始めてのデュエット

大晦日の夜のパーティー。イースト高校のバスケットボールチーム「ワイルドキャッツ」のキャプテンであるトロイは、コーチである父と一緒に2階でバスケットボールの練習をしていた。それに呆れたトロイの母は下に降りてきなさいと2人に告げる。しょうがなく下に降りてきたトロイは突然、スポットライトを浴びてステージの上で歌うことになってしまう。
トロイのペアとして選ばれたのはパーティーで本を読んでいたガブリエラだった。二人が戸惑っている中で音楽はスタートしてしまう。そんな中トロイは歌い始め、それに気づいたガブリエラもデュエットし始める。
サビになるにつれ、緊張など忘れた2人の間にはもうすでに強い絆が芽生え始めていた。歌い終わった後には2人は仲良く話し、連絡先を交換する。
携帯に登録したガブリエラの写真をみながら、「どこに住んでいるの？」と尋ねるも、その間にガブリエらは新年の挨拶をするため、母親を探しに行ってしまう。

ミュージカルへの想い

年が明け、学校が再開し、トロイはワイルドキャッツの仲間たちと再会。年明け早々ハイテンションな彼らを目にしたテイラーはうんざり。
一方、ガブリエラは母親の転勤で何回も引っ越しをしているが、高校卒業まではもう引っ越ししないと誓い、校長に連れられる。
ホームルーム中に昨日会った女の子に似ている子を発見。そしてその子の携帯に本人かどうかを確かめるために電話をかけてみると、彼女の電話から着信音が。運命の再会を果たした2人だが、授業中に携帯を使用したため先生に居残りと告げられる。トロイの居残りに反対したチャド、チャドを揶揄ったテイラーも15分の居残りを告げられる。ホームルーム終了後、トロイはガブリエラに話しかけ、学校を案内する。
案内しているとき、ミュージカルのオーディション用紙を発見。ガブリエラがトロイに「あなた出るの？」と聞いたところトロイは歌うのは乗り気でないと答える。その様子を見ていた演劇部の部長であるシャーペイは自分の名前を用紙に大きく書く。
彼女はトロイにミュージカルを見に来てと誘う。
バスケの練習中、トロイはチャドにオーディションに出ようかと相談するがチャドは、「過去にそんな選手がいたか」と反対する。
その頃授業を受けていたガブリエラにシャーペイはトロイとの関係を聞くが、ガブリエラは授業に集中していた。
彼女が先生に問題を指摘すると、それをみたテイラーは彼女の頭の良さに感心する。

2人を引き裂くもの

シャーペイの計画

トロイが掲示板を見たことを目撃したライアンはシャーペイにそのことを告げ、2人でパソコンでガブリエラについて調べる。彼らは彼女が天才だと知る。
居残り現場で、テイラーはガブリエラに、化学コンテストにでないかと誘うが、彼女は拒否する。その様子を見ていたシャーペイはガブリエラにコンテストに出るよう催促する。
体育館にトロイとチャドがいないことを知ったコーチは居残り現場に行き、彼らを練習に行くよう言い、ダーバス先生と議論する。
体育館では、コーチが選手たちに、今年こそ勝とうと熱を入れる。
ガブリエラはテイラーにトロイはどんな人と聞き、彼女は、トロイは住む世界が違うのと答える。
チアリーダーたちは彼のことを最高にイケてるという。
家ではトロイは父に、奨学金を得るため、決勝戦は大事だと告げられる。
翌日のホームルームでは、午前中にオーディションを行うと、発表がある。
放課後、練習内容をチャドに聞かれるが、トロイは練習には行かないという。不思議に思ったチャドはコソコソしているトロイの跡を追う。
オーディション会場についたトロイは隠れながら他の受験者の発表を見る。シャーペイやライアンも他の受験者の発表を見るが、全員下手くそで、愕然としてしまう。途中、ガブリエラもこっそりと会場に来る。
シャーペイとライアンも歌い、ダーバス先生が、「他に受ける人はいない？」と聞くと誰も答えないので、オーディションは終わってしまうが、隠れていたガブリエラが飛び出し、先生に歌いたいと頼む。しかし、時間が過ぎたという理由で話を聞いてもらえない。片付けをしていたケルシーが楽譜を落としてしまうが、トロイとガブリエラはそれを拾うのを助け、楽譜を見ながら「あなたが書いたの？」と尋ねる。するとケルシーが曲を弾き始め、2人が歌う。それを聴いていたダーバス先生は、2人に二次選考に来なさいと告げる。そしてケルシーは2人に楽譜を渡して、練習しようと誘う。
翌日二次選考のお知らせにトロイとガブリエラの名が。それを知ったシャーペイ、ライアンは驚き、チャドとワイルドキャッツの仲間たちも呆然とした。

シャーペイの言いがかり

食堂ではシャーペイがガブリエラに接近。
ガブリエラは席を探していたが濡れた床が原因で足を滑らせてしまい、持っていたランチをシャーペイにかけてしまった。
そのことをシャーペイはダーバス先生にわざとだと告げる。
チャドはトロイに試合に集中してほしいため、自分の得意分野だけをやれと告げる。
ダーバス先生がワイルドキャッツのボルトンコーチのところへ行く。そこでコーチはトロイがオーディションに出ることを初めて知る。
一方、ガブリエラはテイラーにシャーペイの怖さを教えられる。
シャーペイにアプローチするジークは、彼女にバスケを見に来て欲しいと告げるが、目に針を刺した方がマシだと言われる。
ガブリエラのロッカーにはトロイからの手紙が。屋上に行くと、歌のことを知られたら大変だと胸のうちを話すが、ガブリエラには違う道も歩めると言われ、二次選考に出ることを決意し、ケルシーとの練習に励む。
仲間が試合に向けて練習している間、トロイとガブリエラは居残りで互いに目を合わせる。
トロイは練習に遅れていくが、ガブリエラが来る。ガブリエラがシュートを決め、感心するトロイ。
2人で遊んでいたらコーチが来て、ガブリエラはコーチに、居残り仲間と言われる。
彼女が去ったあとコーチは、お前はチームリーダーだと、説教する。しかし、トロイは、自分は歌もバスケも両方できると主張する。
図書館でチャドがトロイに「お前は選手だけど歌手じゃない。試合に集中しろ。お前が必要だ」と告げる。
しかしトロイは聞かない。困ったワイルドキャッツの仲間たちはテイラー属する科学部に助けを求める。2人のためと言って、科学部と協力するようになる。
翌日の昼、トロイが更衣室に行くと仲間たちが過去の偉大なバスケ選手を紹介し始める。オーディジョンを受けたのは過去に1人もいないと。チャドが、お前のお父さんもとても偉大だと言って、トロイに写真を渡す。
その頃、科学部では、トロイが住む世界を説明する。数々の素晴らしい偉人も紹介し、その知恵をあなたも持っているとガブリエラに告げる。
更衣室では、トロイがどれほど試合とチームを思っているかをみんなに伝え、事前にチャドが用意していた隠しカメラを通して、ガブリエラがその様子を見て、涙を流す。仲間に試合の大切さを改めて伝えられ、やる気に満ちたワイルドキャッツのメンバーが外でお祭り騒ぎになっているのをガブリエラは外から眺めている。トロイがガブリエラに声をかけてもガブリエラはそっけなく、お互いチームがあるのにオーディションをやるのは間違いだったと言われ、トロイは傷つく。家でバスケの練習をしてもいつものようにシュートできないトロイ。食堂でばったり会っても目を合わせないガブリエラ。2人は仲間さえも避けるようになる。
学校の屋上でトロイが座っているところにワイルドキャッツの仲間が来て、「歌いたいなら歌え」と言った。
そしてこのような状況になったのは自分たちのせいだと告げる。テイラーもガブリエラに自分たちに責があると真実を告げ、「コンテストよりも大事なことがある」と言ってその背中を押した。

ずる賢い計画

その日の夜、トロイはガブリエラの家に行く。彼は謝り、オーディションに出て歌うという。トロイは二次選考で歌う歌の歌詞を持ってベランダにやってきた。それをガブリエラに渡し、2人は歌うことを決意。
翌日から2人は絶好調。化学コンテストの準備も試合の準備も万全でトロイとガブリエラは互いのやるべきことを両立し、仲間たちもそれを見守る。
トロイ、ガブリエラ、ケルシーが3人で練習しているのを聴いたシャーペイとライアンは彼らの能力に焦る。シャーペイは、二次選考の日を変更しようとダーバス先生に提案。それはバスケットボールの試合とコンテストと重なる日だった。それをこっそり聞いていたケルシーはトロイとガブリエラ、仲間達にそれを告げる。仲間たちは2人それぞれがオーディションに出れるように協力する。

結末 試合の結果

試合開始前に、コーチはトロイに頑張れ、楽しんでくれと言う。
コンテスト、オーディション、試合が始まる。
コンテストではガブリエラが活躍し、1問目を見事に勝利し、パソコンを使ってバスケの試合で使われている電光掲示板を壊す。
それが壊れている間、試合は中断し、トロイは急いで会場に向かう。ガブリエラもコンテストから抜け出すために、科学の知恵を利用し、悪臭を部屋に漂わせる。遅れてオーディションに向かったためダーバス先生に反対されるが、ワイルドキャッツや科学部の仲間も来て、その熱意を感じた先生も彼らが歌うことを許可する。ケルシーのピアノの伴奏が始まったがガブリエラは人の多さに恐れる。それを見たらトロイは自分だけを見てと、歌い始める。歌い終わったあと、拍手喝采。試合が再開し、残り1秒でトロイがシュートを決め、ワイルドキャッツは優勝。
コンテストで勝ったと伝えるために走ってきたガブリエラはトロイに勝利を伝える。
最初はチャドのことを嫌っていたテイラーもチャドにデートに誘われ大喜び。シャーペイもガブリエラのことを褒め称えた。
ジークはシャーペイにクッキーを渡す。ケルシーはトロイに勝利のボールをもらった。君はそれに値するよ。と。
試合後、風船でいっぱいの体育館で1人ボールを抱えているジークの元にシャーペイがやってきて、クッキーを、今までで一番美味しいと告げる。

『ハイスクール・ミュージカル』の登場人物・キャラクター

主人公

トロイ・ボルトン（演：ザック・エフロン）

日本語吹替：森田成一
イースト高校バスケ部のキャプテンで背番号は14番。学校中の人気者で席は一番前。父がバスケ部のコーチで試合に勝つことしか考えていない少年だったが、ガブリエラとの出会いにより歌の楽しさに気づく。