『闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説』とは、真鍋昌平による漫画『闇金ウシジマくん』の公式スピンオフ作品。原作・真鍋昌平による作品で、2017年から小学館の『やわらかスピリッツ』にて連載されている。本編では丑嶋馨を執拗に追い回し、常人離れした怪力と残虐性で読者に強烈な印象を残した肉蝮だが、本作では彼自身の過去や行動原理に焦点を当て、丑嶋と出会う以前の時期からの、壮絶な暴力に満ちた人生が描かれていく。暴力だけの物語ではなく、肉蝮と行動を共にする人物との関係性も作品の重要な要素として楽しまれている。
『闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説』の概要
『闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説』(やみきんウシジマくんがいでん にくまむしでんせつ)とは、真鍋昌平による漫画『闇金ウシジマくん』の公式スピンオフ作品。原作・真鍋昌平による作品で、2017年から小学館の「やわらかスピリッツ」にて連載されている。
主人公は、『闇金ウシジマくん』本編に登場した凶悪な暴力キャラクター・肉蝮。本編では丑嶋馨を執拗に追い回し、常人離れした怪力と残虐性で読者に強烈な印象を残した肉蝮だが、本作では彼自身の過去や行動原理に焦点を当て、丑嶋と出会う以前の時期からその壮絶な人生が描かれていく。
本作は連載途中で制作陣が変遷しており、当初の作画は速戸ゆうだったが、第二シーズンからは嶋田ひろあきが担当している。嶋田は本作の作画を担当する以前にも漫画家として活動しており、『肉蝮伝説』では肉蝮をはじめとする個性的な裏社会の人物たちを迫力あるタッチで描いている。なお、ネーム担当についても変遷があり、時期によって藤澤勇希らが担当している。
物語は、肉蝮が行く先々で裏社会のトラブルに巻き込まれ、あるいは自ら事件を引き起こしながら、ヤクザや半グレ、悪徳業者、新興宗教、地上げ屋、海外の犯罪組織など、さまざまな敵と対峙していくというもの。一般的な「闇金」を題材とした本編とは異なり、本作では肉蝮の圧倒的な暴力と生命力を中心に、裏社会を舞台としたアクション・バイオレンス漫画としての色が強くなっている。
また、本作では章ごとに舞台や物語の趣向が大きく変化するのも特徴。イベントサークルをめぐる半グレ集団との抗争、新興宗教団体との戦い、地上げ屋との対決など、肉蝮はさまざまな事件に巻き込まれていく。物語が進むにつれてスケールも拡大し、中盤以降には中南米の麻薬カルテルまで登場。日本国内の裏社会を描いていた『闇金ウシジマくん』本編からさらに世界を広げ、国際的な犯罪組織との抗争へと発展していく。
一方で、暴力だけの物語ではなく、肉蝮と行動を共にする人物との関係性も作品の重要な要素となっている。各章では肉蝮とは対照的な立場や性格の人物が彼の「相棒」のような役割を担うことがあり、極悪非道な肉蝮が他者との関わりの中で見せる意外な一面も描かれる。
『闇金ウシジマくん』の本編では「恐怖の敵役」だった肉蝮を主人公に据えることで、『闇金ウシジマくん』の世界をさらに拡張した作品となっており、原作に登場した裏社会の人物や組織が再登場することもある。『闇金ウシジマくん』本編とは異なる、肉蝮ならではの過激な暴力描写と破天荒な展開が大きな特徴であり、長期にわたってシリーズが続く人気スピンオフとなっている。
『闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説』のあらすじ・ストーリー
毘婆編
ヤクザの「虫本組」に因縁をつけ、複数の構成員を半殺しにしたことで逮捕されていた肉蝮は、出所してすぐに「ぶっ殺したい人間がいる」と呟き、すぐに新宿の街へ向かった。
新宿に降り立った肉蝮は、山嵐組の若頭・毘婆を探し始めた。毘婆は株の売買で莫大な資産を築いた経済ヤクザであり、自分の意のままに他人を支配することに快感を覚える冷酷な人物。過去の因縁で恨みを抱いていた肉蝮は、復讐を誓っていたのである。
その頃、肉蝮を巡り、虫本組と山嵐組では抗争が勃発していた。かつて肉蝮に兄貴分を半殺しにされていた伐田は、肉蝮の居場所を聞き出すため毘婆の元へ向かった。
しかし毘婆は経済ヤクザでありながら腕っぷしも強く、伐田は半殺しにされた挙句、銃を突き付けられるという絶体絶命の状況に陥る。
引き金が引かれようとしたその時、毘婆を殺しに来た肉蝮が乱入した。
毘婆を前に暴れ回る肉蝮。壮絶な殺し合いの末に、肉蝮は毘婆の喉元に噛みつくという奇襲を仕掛け、最終的にドロップキックでビルから突き落として殺害する。
イベサー編
大学生の山下リョウには、ミホという彼女がいた。順調に交際を重ねていた2人だが、ある日、ミホが山下が所属するサークルの副部長である藤原によって強姦されてしまった。
何とかミホの仇を取りたいと考えた山下は、偶然半グレから金を巻き上げているのを見かけた肉蝮に頼むことにした。
肉蝮は山下の依頼を快く引き受けたものの、その費用として山下に100万円の金銭を請求。山下はミホとの旅行に使う予定だったお金を肉蝮に渡し、藤原への復讐を正式に依頼。
山下の依頼を受けて藤原をいたぶった肉蝮だが、藤原にとどめを刺したのは山下や藤原と同じサークルの仲間で広報を担当しており、藤原の親友でもあった木村という男だった。木村は成績優秀で、金も力も人望もあり、サークルを裏で糸を引いて動かしていた黒幕的な存在。
そんな木村の正体は、ただの爽やかな大学生ではなく、衝動的に人を殺さずにはいられない連続殺人鬼だった。彼はこれまでに何人もの人間を密かに殺害しており、表向きは冷静で計算高い人物を装いながらも、内心では殺人に強い快楽を感じていたのである。
自分のターゲットを最後に獲られてしまった肉蝮は、標的を木村に変更する。木村は、最終的に肉蝮との直接対決に突入していった。
肉蝮に対して巧妙に罠を張り、狙撃で仕留めようとした木村だが、肉蝮の常軌を逸した身体能力の前では通用しなかった。予想外の方向から飛び込んできた肉蝮に圧倒された木村は、巨大な大時計の針を口の中に突き刺され、後頭部まで貫通するという壮絶な死を遂げる。
レア心教編
カルト教団・レア心教の教祖である天木允人は、信者たちを絶対的な支配下に置き、従わなければ暴力や拷問を加えるという方法で管理していた。天木は女性信者を囲い込み、次々と「教団妻」にしていたという異常な一面も持ち合わせている男で、その影響力は強大で、政治や警察にも影響を及ぼすほどだった。
そんな父を、息子の光輝は憎んで暮らしていた。光輝は幼い頃に、教祖である父に見捨てられ、貧困の中で過ごしてきた。光輝は父に復讐することを決意し、ヤクザの伊太地(いたち)と手を組んで教団を乗っ取ろうと画策する。
教団の生誕祭が開かれる日、光輝はついにクーデターを決行。允人を最上階に閉じ込め、信者を巻き込んで支配体制を崩壊させようとした。
允人は逃亡を図ったが、偶然にも肉蝮に捕まってしまう。允人は肉蝮に大金を渡すと提案て買収し、光輝との直接対決に挑むことになった。
親子対決は光輝の勝利。彼は鞭を使って父を滅多打ちにし、最後は火を放って焼き殺す。 幼少期に受けた仕打ちへの復讐を果たした瞬間でだったが、その直後に信者たちに裏切られ、屋上から転落し命を落とした。
二人の死によって、レア心教は完全崩壊。多くの信者を操り、支配してきた教団のトップがあっけなく消え去ったことで、組織は一瞬で瓦解してしまった。
伊太地編
レア心教を牛耳っていた伊太地は表向きはただのヤクザだが、その実態は冷酷な策略家。暴力だけでなく知略を駆使し、相手を追い詰める危険な男だった。伊太地は、肉蝮のような圧倒的な武力を持つ相手に対しても、正面から戦うのではなく、巧妙な罠を張ることで優位に立とうと試みる。
組織の壊滅を狙った肉蝮は、レア心教の本部ビルに単身で突入。しかし、そこで伊太地は、信者たちをけしかけて肉蝮に次々と襲い掛からせることでスタミナを削り、疲れ切ったタイミングを狙って自ら勝負を仕掛けてきた。
元警察官で潜入捜査を行っていた過去を持つことから、伊太地は実戦の経験が豊富だった。動きを見切り、的確に攻撃を加えることで肉蝮を追い詰める。 そして、肉蝮が反撃しようとした瞬間、伊太地は鋭い一撃を繰り出し、肉蝮の身体を深く貫く。
しかし、敗北した肉蝮には仲間がいた。 かつて敵だった幹部・キリンの手助けによって、肉蝮は一命を取り留める。休養を経て、再び立ち上がった肉蝮は、伊太地との最終決戦に挑むことになる。
取り逃がした伊太地を追い、肉蝮は大阪へ向かうのであった。
宗教編
小学生の少女・絵奈は、平穏な暮らしを送っていた。しかしある夜、家に侵入してきた宗教団体・レア心教の信者たちに父を殺され、姉を誘拐されるという悲劇に見舞われる。
何とか逃げ延びた絵奈は警察に助けを求めるものの、レア心教の影響力は警察内部にまで及んでおり、まともに取り合ってもらえなかった。絶望した絵奈が雨の中で立ち尽くしていると、そこに肉蝮がやってきた。絵奈は肉蝮の存在を前にしてもひるむことなく、「100万円払うから、姉を取り戻してほしい」と大胆な依頼を持ちかけた。
金のためならどんな暴力もいとわない肉蝮は、もちろんこの依頼を快諾。こうして、最強の殺人マシンと小学生女子という異例のバディが誕生した。
二人は協力してレア心教の幹部「七印」に挑み、次々と敵を打ち倒していく。途中で衝突することもあったが、絵奈は肉蝮に臆せず、時には彼を動かすほどのたくましさを見せた。
姉を助けるためにはどんな手段も厭わない絵奈と、彼女の姿勢に感心した肉蝮は、通じる部分を見出して相棒となっていく。
肉蝮の尽力もあり、絵奈は無事に姉を取り戻し、肉蝮も絵奈から報酬を受け取った。絵奈は感謝を伝え、肉蝮は「またぶっ殺してぇ奴がいたら連絡しろ」とだけ言い残し、その場を去っていくのであった。
『闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説』の用語
組織・団体
虫本組(むしもとぐみ)
作中に登場するヤクザ。肉蝮によって複数の構成員を半殺しにされたため、それを恨みに思っている。伐田らが所属。肉蝮をめぐり、山嵐組と抗争中。
山嵐組(やまあらしぐみ)
作中に登場するヤクザ。肉蝮と浅からぬ因縁を持つ若頭・毘婆が属している。肉蝮をめぐり、虫本組と抗争中。
犬方組(いぬかたぐみ)
作中に登場するヤクザ。大阪に拠点を構える大きな組織で、伊太地が所属している。レア心教を裏で操っていた伊太地が教団を捨てた後、犬方組の親分衆から反感を買い、若頭への道を断たれる。その後、伊太地の五代目襲名をめぐって肉蝮やキリンが本拠地へ乗り込み、抗争へと発展した。
レア心教(レアしんきょう)
楯突いた者は殺されるのが教義。
天木允人が率いるカルト宗教。総勢1万人の信者を束ねており、海外まで布教活動を行っている。その裏で教団に楯突いたものは「救済」という名目で始末している。
目次 - Contents
- 『闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説』の概要
- 『闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説』のあらすじ・ストーリー
- 毘婆編
- イベサー編
- レア心教編
- 伊太地編
- 宗教編
- 『闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説』の用語
- 組織・団体
- 虫本組(むしもとぐみ)
- 山嵐組(やまあらしぐみ)
- 犬方組(いぬかたぐみ)
- レア心教(レアしんきょう)
- 史威砲主(シーホース)
- ミクトラン・カルテル
- その他
- 七印(なないん)
- 『闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 毘婆の喉元へ噛みつく肉蝮
- 伊太地に敗北する肉蝮
- 絵奈との友情
- 『闇金ウシジマくん外伝 肉蝮伝説』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 「やわらかスピリッツ史上、最もやわらかくない」とネタにされていた本作
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