このサイテーな世界の終わり(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『このサイテーな世界の終わり』とは、2018年からNetflixで配信されたブラックコメディドラマである。漫画が原作で、アレックス・ロウザーやジェシカ・バーデンなどが出演する。自称サイコパスの少年ジェームスと、周囲に馴染めず不満を抱える孤独な少女のアリッサが出会い、現実逃避のために2人で家出する。ジェームスはアリッサを殺したいと考えていたが、行く先で偶然遭遇した猟奇殺人犯を殺してしまう。この事件を通して2人の心が変化していく。キャラクターの癖になるやり取りや予測不能な展開などが魅力となっている。

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『このサイテーな世界の終わり』の概要

『このサイテーな世界の終わり』とは、2017年10月25日にイギリスのChannel 4で放送が開始され、2018年1月5日からNetflixで配信されたブラックコメディドラマである。シーズン2は2019年11月4日にChannel 4で放送され、翌日にNetflixで全世界に配信された。シーズン1とシーズン2はそれぞれ全8話。アメリカの漫画家であるチャールズ・フォースマンによるグラフィックノベルが原作で、イギリスでドラマ化された。アレックス・ロウザーやジェシカ・バーデンなどが出演する。

自称サイコパスな17歳の少年、ジェームスは猫や鳥などの小動物を殺していたが、そろそろ人間を殺してみようと考え始める。そんな中で学校に上手く馴染めない転校生のアリッサは一風変わったジェームスに興味を示し声をかけ、デートをするようになる。互いに周囲に溶け込めない2人は、ある日家出を実行する。ジェームスはアリッサのことを殺そうと考えていたものの、行く先で偶然遭遇した猟奇殺人犯を殺したことで、2人の心が変化していく。

周囲に上手く馴染めず、ぎこちない関係だった2人がある事件をきっかけに徐々に距離を縮めていく姿を描く。キャラクター同士の癖になるやり取りや予測不能な展開などが魅力となっている。レビューサイトや批評家から高く評価されており、2018年にRoyal Television Society Awardsで最優秀ドラマ賞を獲得し、脚本賞にもノミネートされている。またRoyal Television Society Craft & Design Awardsでは撮影賞を受賞した他、編集や演出、音楽部門でノミネートされた。プライムタイムエミー賞にも30分以内のシングルカメラ作品の撮影賞でノミネートされている。MTV MIAWアワードでもKiller TV Seriesを受賞し、2019年にはアメリカで権威のあるPeabody Awardsも獲得した。さらに2020年には、2018年にノミネートされながら受賞できなかった英国アカデミーテレビ賞の最優秀ドラマシリーズ賞を受賞し、ナオミ・アッキーが助演女優賞を獲得した。

『このサイテーな世界の終わり』のあらすじ・ストーリー

ジェームスとアリッサが家出を決行

イギリスの田舎町に住む17歳の少年ジェームスは自称サイコパスで、小動物を殺すことに飽き、人間の獲物を探していた。そんなある日、勝気で周囲に馴染めない転校生のアリッサが突然声をかけて来る。アリッサは自分と同じく親に不満を抱き、周りの同級生と雰囲気が違うジェームスに居心地の良さを感じるようになる。一方でジェームスは密かにアリッサのことを殺そうと企んでいた。

ある日アリッサは母と母の再婚相手のトニーに嫌気が差し、ジェームスに家出をしようと持ち掛ける。ジェームスは戸惑いつつも、アリッサに言われるまま父親の車で家出をすることになった。

家出の結末

家出決行の夜、アリッサは家に電話したものの、トニーに冷たくあしらわれたことから実の父親のレスリーに会いに行くことを決意する。その道中で家主が不在の屋敷に忍び込んだ2人は、そこでしばらく酒を飲むなどしてくつろぎ、アリッサは気づいたらベッドで眠ってしまう。一方ジェームスは家主で大学教授のクライヴ・コッホが記録したビデオカメラや写真から、クライヴが少女を狙う猟奇殺人犯であることを知る。

その後、クライヴが帰宅し、ベッドで眠るアリッサに突然襲い掛かる。その瞬間ベッドの下に隠れていたジェームスはクライヴの喉をナイフで突き刺して殺害した。2人は不法侵入したこともあり警察には連絡せず、家中の指紋を拭き取り、レスリーの元へと向かう。だがアリッサは殺人を犯したジェームスが怖くなり、彼を置き去りにして逃げてしまう。それでもしばらくして思い直し、ジェームスの元へと戻った。

そんな中、警察のユニス・ヌーンとテリ・ダレゴは目撃者の情報からアリッサに目をつけ、行方不明者届が出ているジェームスも一緒に行動していることに気づく。さらにユニスはクライヴが少女を狙う殺人犯だったことから、2人が正当防衛で殺した可能性があると考え、彼らの行方を追った。

その頃、アリッサたちは海辺のトレーラーハウスで生活するレスリーの元に辿り着く。レスリーは荒っぽい性格だが、アリッサのことを快く迎え入れ、数日間一緒に暮らす。警察が追ってきていることを知ったアリッサたちは海岸に身を潜めていたが、遠くへ逃れるためにレスリーのボートを使おうと、再び彼の元へ戻ることにした。

レスリーはテレビで彼女たちに報奨金がかかっていることを知り、アリッサに寄り添う振りをして足止めし密かに警察に通報する。だがジェームスがそのことに気づいてアリッサに知らせ、アリッサは激高してレスリーの足にナイフを突き刺した。1人で張り込んでいたユニスはそこに乗り込み、逃げようとする2人を説得する。それでもアリッサはジェームスと離れるのは嫌だと拒否し、ユニスをショットガンで殴って逃走。だが海の潮が引いていてボートで逃げることができず、呆然とする2人の元へ通報を受けた警察がやって来る。ジェームスは1人で罪を被るため、アリッサをショットガンで殴って走り出し、警察に銃で撃たれてしまった。

アリッサとジェームスが再び旅へ

大学教授のクライヴと男女の関係を持っていた大学の図書館で働くボニーは、クライヴのために彼に言い寄る女性を車で轢き殺し、2年ほど刑務所に収監された後釈放される。そんな中でクライヴが殺されたことを知り、アリッサとジェームスに恨みを抱き、彼らを殺すために動き始める。

ジェームスに庇ってもらったアリッサはそのまま家に戻ることになる。アリッサが嫌っていたトニーは家を出て行き、母はアリッサの起こした事件を深刻に受け止め彼女に優しくなった。だがアリッサは学校で有名人となり、余計に居心地が悪くなってしまった。街にも家にも嫌気が差したアリッサは母と腹違いの双子の兄弟と共に家を出て、叔母の元で暮らすようになり、叔母のレストランで働き始める。そこで出会った客の男性と交際を始めたアリッサはプロポーズして結婚することになった。

一方銃で撃たれたジェームスは病院に運ばれ、一命を取り留める。だが入院中にアリッサの母から強引にアリッサと別れるよう迫られ、泣く泣く手紙を書いて彼女に別れを告げた。その後リハビリを経て退院し、正当防衛が認められて裁判は無罪となったものの、直後に父が心臓発作で他界してしまう。ジェームスは落ち込む中、ボニーの脅迫状が届いたことからアリッサに会いに行くことを決める。そしてジェームスはアリッサと再会するが、彼女は彼に脅迫状を同級生のいたずらだと考えていることと明日結婚することを伝える。ジェームスはアリッサが結婚することを冷静に受け止めたが、切ない気持ちでいっぱいだった。

しかし翌日、アリッサは結婚式を抜け出してジェームスの前に現れ、ここから逃げたいと彼の車に乗り込んだ。

アリッサとジェームスにボニーが接触

アリッサとジェームスがあてもなく車で走る中、彼らの後をつけていたボニーは山奥でヒッチハイカーの振りをして2人の車に乗り込む。その際にボニーがタイヤにナイフを突き刺したことで、車のタイヤが走行中にパンクしてしまい、彼らは車を直すまで近くにあった宿に身を寄せることになった。

その夜ジェームスはアリッサに入院後の辛い治療のことを語り、父親が支えであったこと、下半身の近くを撃たれたことから性行為はできないことを伝える。泣き出すジェームスに、アリッサはキスをして慰めた。

一方隙を見てアリッサたちを殺そうと企んでいたボニーだが、宿の主人が彼女に好意を持ち、彼女の部屋に押しかけて来る。ボニーは持っていた銃を主人に突きつけ、彼を追い出そうとしたが、なだめられたため銃を棚の上に置こうとする。しかし誤って棚から銃が落ちてしまい、暴発した銃の弾が主人の頭に直撃。彼を殺してしまったボニーはパニックになり、壁の飾りで負傷して気を失ってしまう。翌朝意識を取り戻したボニーは慌てて主人の死体をクローゼットの中に隠した。

その後ボニーはアリッサたちに二日酔いの振りをして薬局に行ってもらい、痛み止めを購入しトイレで服用する。その際に銃を鏡の前に置いたが、そのことを忘れてしまい、気づいて取りに戻る。しかし薬局の主人がすでに銃を回収しており、暴力は良くないとボニーを説得しようとするも、ボニーは主人をナイフで脅して銃を取り返した。その間、車の中でアリッサとジェームスは口論になる。ジェームスはアリッサに好意を持っていたものの、アリッサはジェームスから別れの手紙をもらっていたこともあり、彼への気持ちはなかった。そのためジェームスはアリッサを諦め、ボニーを置き去りにして車を発進させ、アリッサを家まで送った。そして家に戻ったアリッサは夫に離婚を告げた。

ジェームスは行く当てもなく車を走らせる。そんな中でボニーが車を猛スピードで走らせ、アリッサの家に向かっている姿を目撃する。胸騒ぎを覚えたジェームスはボニーを尾行し始める。ボニーはアリッサが家にいないことを確認するとアリッサが働くレストランに行き、彼女が1人になったタイミングで店に入った。ジェームスはその隙にボニーの車を物色し、彼女がクライヴと交際していたことを知る。マズいと感じたジェームスは警察に通報した後、こっそり店に侵入した。

一方アリッサはボニーからクライヴと交際していたことを聞かされ、銃で脅される。そこへ通報を受けて警察が1人駆けつけるも、アリッサはボニーに脅されているため、何もないと答えて警察を帰す。だが警察はボニーが銃を持っていることに気づき、応援を呼ぶ。店に隠れていたジェームスはボニーに見つかってしまうが、アリッサはクライヴを殺した時の状況を説明し、ジェームスと共にボニーを説得しようとする。ボニーは混乱し、この痛みをどうすればいいかと彼らに問いかけながら、自身に銃を向けて自殺を図ろうとした。しかしアリッサたちがすぐに止めに入り、ボニーから銃を奪った。そして警察が駆けつけ、ボニーは逮捕された。

2人の恋の行方

ジェームスが警察で聴取を受ける中、アリッサは家族に書置きして警察署を出てクライヴの家へ向かう。アリッサは事件がトラウマとなり、度々フラッシュバックを起こしていた。ジェームスは書置きを見てアリッサが自殺するのではないかと心配になり、彼女を探し回る。そして無事にアリッサを発見したジェームスは涙を流して安心し、アリッサは彼を抱きしめた。

その後ジェームスはアリッサと共に父と母が出会った場所へと向かい、そこで父の遺灰を撒いた。それから2人は見晴らしのいい場所にやって来る。アリッサは以前自身が寝ている時にジェームスが愛してると囁いたことを持ち出し、自分も同じ気持ちだと彼に伝える。だが今はカウンセリングを受けることと、母にお金を返すことを優先するため、時間が欲しいと告げた。ジェームスが了承するとアリッサは彼の手を握るのだった。

『このサイテーな世界の終わり』の登場人物・キャラクター

主要人物

ジェームス(演:アレックス・ロウザー)

17歳の少年で、アリッサの同級生である。母親は幼い頃に目の前で自殺し、父親と2人暮らし。父のことを嫌っており、無感情で淡々としている。幼い頃に自ら左手を油の中に入れて火傷し、その跡が残っている。自称サイコパスで15歳の頃から猫や鳥などの小動物を殺してきた。周囲に馴染めず孤立しているが、人間を殺したいという思いがあり獲物を探す目的で学校に行っている。そんな中でアリッサに声をかけられ、彼女と一緒にいることが増え、彼女のことを殺したいと考えるようになる。ある日アリッサから家出を持ち掛けられ父の車で家出をしたが、忍び込んだ屋敷で猟奇殺人犯の家主のクライヴ・コッホに見つかり、暴行を受けそうになったアリッサを助けるためクライヴを殺した。これ以降はアリッサを殺したいという気持ちはなくなり、アリッサが一時的に自分の元から逃げたことで、彼女の存在に助けられていたことに気づく。アリッサと一緒にいる中で徐々に人としての心を取り戻していき、動物を殺すこともできなくなっていた。その後、指名手配されて警察に追い詰められアリッサを庇って1人で罪を被り、警察の銃で撃たれて負傷。辛いリハビリ生活を経て父と親子の関係を取り戻したものの、突然父が他界してしまう。それからクライヴの恋人であるボニーから命を狙われ、再びアリッサと行動を共にする中で彼女への思いを再確認したものの、不器用でなかなか気持ちを伝えられずにいた。しかし最終的に彼女から気持ちを伝えられ、交際することになった。

アリッサ(演:ジェシカ・バーデン)

ジェームスの同級生である。母親とその再婚相手と双子の赤ん坊と5人で暮らしている。転校生で周囲に馴染めず孤立している。勝気で口が悪く、思ったことをすぐに口にするタイプ。周りの同級生とは違う雰囲気のジェームスに興味を示し、声をかけてデートをするようになる。そしてジェームスの淡々としていて自分に干渉せず、自分と同じく家庭環境に不満を抱えているところに居心地の良さを感じるようになった。その後、家族や周囲の人々に嫌気がさして彼を誘って家出を決行するが、忍び込んだ屋敷の家主であるクライヴに襲われジェームスが目の前で彼を殺してしまう。そのことがトラウマとなって事件がフラッシュバックするようになり、一時はジェームスが怖くなったものの、思い直して彼と共に実の父親の所へ逃げ込む。警察に追い込まれたが、ジェームスに庇ってもらい逮捕されずに家に戻る。だが学校や街が嫌になり、家族と共に叔母の家で世話になる。叔母のレストランで働き始め、そこで出会った男性と交際に発展。勢いで彼にプロポーズして結婚したものの、ジェームスが会いに来たこともあり気が変わって結婚式を抜け出し、ジェームスとその場を立ち去る。ジェームスから別れの手紙をもらっていたこともあり、なかなか彼に対して素直になれなかったが、ボニーに脅された際にジェームスが助けに来たことで彼の存在の大きさに気づく。そして離婚後にジェームスに自分の思いを伝えた。

ボニー(演:ナオミ・アッキー)

ジェームスとアリッサの前に現れた謎の女性である。しつけが厳しい教育熱心な母親の元で育った。父親は失業して家を出て行き、母親と2人暮らしをしていたことから母の影響を強く受けた。高校時代は自分の悪口を言ってきた同級生の髪を勝手に切り取り、停学処分となる。大学試験には落ちたが、母には嘘をついて誤魔化し、大学の図書館で働き始める。その大学でこっそり生徒として教室に潜り込み、クライヴの授業を受けるようになる。だがクライヴに生徒ではないことがバレてしまい、2度と顔を見せるなと言われるが、仕返しにクライヴのポスターを汚したことから彼から授業に出てもいいと許可をもらう。その代わり自分と酒を飲めと条件を出され、クライヴの家に招かれて彼と関係を持つようになった。クライヴを愛するようになり、クライヴを殺したアリッサとジェームスを恨み、2人を殺そうと近づく。しかし最終的に彼らに説得され、自殺しようとしたところを止められ、警察に逮捕された。

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