『餓狼伝説 宿命の闘い』(初代)とは、1991年にエス・エヌ・ケイ(旧社)が発売した2D対戦型格闘ゲーム。サウスタウンで暮らす格闘家のテリー・ボガード、アンディ・ボガード兄弟は義父を殺害したギース・ハワードへの復讐を誓い、彼が主催する格闘技大会へ参戦し刺客達を次々と打ち倒していく。そしてついにギースとの対決の時が来た。1991年12月からアーケード版として登場した後に、家庭用ゲーム化された。2025年の『餓狼伝説 City of the Wolves』までシリーズゲーム化し人気を集める。
ビリー・カーン(Billy Kane)
ビリー・カーン(写真右)
ギースの側近である棒術使いで、決勝戦の対戦相手でラスト中ボス。サウスタウンへ出稼ぎでやって来てギースが支配する工場で働くが、同じ職場の仲間と大人数の乱闘を起こし、鉄パイプで周りを血の海の状態にまでする。そこを偶然ギースに目撃されて以降、ハワード・コネクションの構成員となる。初めは用心棒として雇われるも、ギースへの厚い忠誠心から信頼を受けて重要任務を任される側近の地位まで上り詰める。ギースへ心酔し絶対な忠誠を誓っており、人からの命令をひどく嫌うものの「ギース様だけは別だ」と口にしている。また自分の命よりギースを優先しており、棒術の師匠さえも技を全て会得後にギースの命令で彼を殺害する程だ。家族は8歳年下の妹リリィのみで、幼少期から両親がおらず、サウスタウンの下町で食事もままならない程の貧困生活を送る。妹リリィを大事にしており、彼女に少しでも贅沢をさせたい思いからギースの配下になる。
ギース・ハワード(Geese Howard)
ギース・ハワード(写真右)
サウスタウンを支配する男で最終ボス、「烈風拳」という飛び道具や相手の技を受け止め投げ返す「当て身投げ」を特技としている。ボガード兄弟の仇敵・宿敵で、金髪に鋭く尖った目付き、183cmという長身に道着と袴の古武術スタイルを着用。また自身の私腹を肥やす事を目的に、サウスタウンで格闘技大会「ザ・キング・オブ・ファイターズ」を毎年主催している。妻メアリーと息子ロックがいる。
『餓狼伝説 宿命の闘い』(初代)の用語
サウスタウン(South Town)
北アメリカ大陸の南東部、大西洋側に位置する貿易都市で、ギース・ハワードが支配している。本作品のみならず、『龍虎の拳』『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズといったゲーム作品の舞台にもなっている。
必殺技(ひっさつわざ)
他の格闘技ゲーム同様に、プレイヤーがコントローラーを使い十字キーやボタンを使ったコマンドを入力する事により発せられる技。それぞれのキャラクターに複数もの技が用意されている。
ザ・キング・オブ・ファイターズ
サウスタウンを支配するギース・ハワードが、自らの自身の私腹を肥やす目的で毎年開催している格闘技大会。ギースに対する復讐の為にテリーやアンディ達が参戦し優勢に立ち、最終的にテリーとギースが一対一の対決を行った。
『餓狼伝説 宿命の闘い』(初代)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
漫画版はオリジナルのストーリー展開
『餓狼伝説 新たなる闘い』の表紙
本作品の漫画版が存在し、『餓狼伝説』(細井雄二著、全2巻、講談社)や『餓狼伝説 新たなる闘い』(原作・雲緒霞、作画・LEO ADVER、全1巻、新声社)等がある。特に『餓狼伝説 新たなる闘い』はギースとの戦いからの後日談を描いたオリジナルストーリーで、オリジナルキャラクターのメディア・クメール(ヒロイン)が登場したり、サイボーグ化したギースが現れたりする。またテリーが着用していたジャンパーがギースにより破られベスト状になっていたり、彼がまだ未完成の超必殺技・パワーゲイザーを繰り出す展開が描かれたりと次回作『餓狼伝説2』のプロモーション的な要素がある。
カプコン作品と肩を並べる存在に成長した餓狼伝説シリーズ
『餓狼伝説~宿命の闘い~』は、エス・エヌ・ケイ開発の家庭・業務用ゲーム機のネオジオとしては初の本格的な対戦型格闘ゲームで、これ以前にはエス・エヌ・ケイ製作の格闘アクションゲーム『ストリートスマート』(1989年)がある。本作品の開発を、カプコン時代に初代『ストリートファイター』のディレクターを務めた西山隆志、またデザイナー兼プランナーを担当した松本裕司が主導の場で参加した。その後「カプコンに『ストII』あればエス・エヌ・ケイに『餓狼』あり」と言われる程に1990年代の格闘技ゲームブームの中心的存在となった。一方その裏で開発に携わった西山隆志は、元は『ストリートファイター』を作った側だったのに、『餓狼伝説』を「パクリ」等と揶揄されたりと苦い経験もした。
アーケード版と家庭用ゲーム版共に高評価獲得
本作品はアーケード版のみならず、家庭用ゲーム機版は高い評価を受ける。アーケード版に対しゲーム誌『ゲーメスト』(新声社)で大賞10位、スーパーファミコン版に対しゲーム雑誌『ファミコン通信』(KADOKAWA Game Linkage)での「クロスレビュー」は合計24点(満40点)、『ファミリーコンピュータMagazine』(徳間書店)の読者投票「ゲーム通信簿」における評価は21.07点(満30点)だった。更にメガドライブ版については、『ファミコン通信』の「クロスレビュー」は合計24点(満40点)、『メガドライブFAN』(徳間書店インターメディア)の読者投票「ゲーム通信簿」は23.1点(満30点)であり「派手な必殺技が出せて楽しい」等という評価もあった。
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目次 - Contents
- 『餓狼伝説 宿命の闘い』(初代)の概要
- 『餓狼伝説 宿命の闘い』(初代)のあらすじ・ストーリー
- ギースへの復讐宣言
- 格闘技の大舞台
- 対決の大舞台
- 『餓狼伝説 宿命の闘い』(初代)のゲームシステム
- 基本システム
- 移植版
- 家庭用ネオジオ(AES)版(1991年12月20日発売)
- スーパーファミコン版(タカラ、1992年11月27日)
- メガドライブ版(セガ、 1993年4月23日)
- X68000版(魔法、1993年7月23日)
- ネオジオCD版(SNK、1994年9月9日)
- PlayStation 2版(SNKプレイモア、2006年7月20日)
- Wii版(SNKプレイモア、2007年9月18日)
- PlayStation Portable版(SNKプレイモア、2009年5月21日)
- PlayStation 3/PSP版( SNKプレイモア、2010年12月22日)
- Windows版(D4エンタープライズ、2011年4月19日)
- PlayStation 4版(ハムスター、2016年12月15日)
- Xbox One版(ハムスター、2017年3月23日 )
- Nintendo Switch版(SNK、2025年4月10日)
- 『餓狼伝説 宿命の闘い』(初代)の登場人物・キャラクター
- プレイヤーキャラクター
- テリー・ボガード(Terry Bogard)
- アンディ・ボガード(Andy Bogard)
- 東 丈(ひがし じょう/Joe Higashi)
- CPU専用キャラクター
- マイケル・マックス(Michael Max)
- ダック・キング(Duck King)
- タン・フー・ルー(Tung Fu Rue)
- リチャード・マイヤ(Richard Myer)
- ホア・ジャイ(Hwa Jai)
- ライデン(Raiden)
- ビリー・カーン(Billy Kane)
- ギース・ハワード(Geese Howard)
- 『餓狼伝説 宿命の闘い』(初代)の用語
- サウスタウン(South Town)
- 必殺技(ひっさつわざ)
- ザ・キング・オブ・ファイターズ
- 『餓狼伝説 宿命の闘い』(初代)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 漫画版はオリジナルのストーリー展開
- カプコン作品と肩を並べる存在に成長した餓狼伝説シリーズ
- アーケード版と家庭用ゲーム版共に高評価獲得
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