東京怪童(望月ミネタロウ)のネタバレ解説・考察まとめ

『東京怪童』とは、望月ミネタロウが​​2009年から2010年に講談社が発行する男性向けコミック誌『モーニング』にて連載した漫画作品。​​講談社モーニングKC全3巻。本作から、作者・望月峯太郎はペンネームを望月ミネタロウに改名している。
脳に疾患を抱える少年少女たちが、互いに反発したり、交わったりしながら入院生活をおくる中で成長する物語。差別や偏見の対象となるマイノリティをテーマに、人間の精神世界の神秘や芸術的創造性にも焦点を当てている。

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クリスチャニア医院に入院する患者、ストーリーの中では名前も年齢も出てこない。
物事を数十分しか覚えていられない前向性健忘の症状を持っている。そのため、身の回りに起きたあらゆる事をメモにとっている。たいていの事は正確にメモられているのだが、中には意味不明な文字な羅列があり本人でさえ何のメモだかわからない。ハシがそのメモをPCに打ち込むとアスキーアートになった。画像を文字の羅列として捉えていたようだ。ただ、その画像は俗的なグラビア写真で、中にはセクシーショットの顔の部分だけ入院患者の花の顔に据え変えられたものもあった。

玉木健一郎(たまきけんいちろう)

クリスチャニア医院の医師。ハシの主治医で、『バワリーワールド』という著作を持つ新進気鋭の脳外科医である。
妻子がいるが、元々の女装癖から自分のセクシュアリティに疑問を持っていた。子供たちの治療をするうちに自分こそがありのままに生きるべきではないのか、このままでは少年の患者に手を出してしまいそうだなどと思い、仕事を放り出して失踪してしまう。そして、愛と神秘の美術館というショーパブで働こうとするが、そこで無理やりSMの世界に引き込まれそうになり逃げ出す。
ハシが脳の異物を取り出すため行った意識を覚醒させたまま行う開頭手術をする際に、ハシに手術中の意識の状態を診る医師として指名される。玉木がハシの手術中に聞いた本心なのか嘘なのか判別できないハシの言葉が、ハシの最期の言葉だった。

クリスチャニア医院のスタッフ

院長(いんちょう)

クリスチャニア医院の院長。
ハシが問題を起こして警察に連れて行かれるたびに、玉木と2人でハシを迎えに行く。
ハシの疾病と非常によく似た症状の患者の論文を見つけ、論文を書いたドクターに連絡を取りハシのことを相談する。ドクターはハシの症状に興味を持ち、脳の異物を取り除く手術をしてもらえることになる。

毛帽子(けぼうし)

クリスチャニア医院の医師。
玉木が失踪後、ハシの診療をするようになる。不自然な髪型はカツラのせいで、目にしたままを口にしてしまう症状があるハシに毛帽子と呼ばれている。

婦長(ふちょう)

クリスチャニア医院の婦長。
ハシが口の悪さを抑えたくて、規定量以上の薬を欲しがっても断固として渡さない。そして、他の入院患者について見たままに罵るハシを冷静に見ており、ハシがは人を罵ってしまうのは病気のせいだと言うのに対して本当に病気のせいなのかとやんわりと言う。

二本木(にほんぎ)

クリスチャニア医院の警備員、25歳。
病院の内外で、常に入院患者たちの安全に目を配っている。ハシとは、まるで小学生同士のように日々小競り合いを繰り返す。立派に見える口髭は、実は付け髭だ。

その他の登場人物

玉木の妻

玉木医師との間に授かったベビーカーに乗るような幼い子供の育児に専念しながら、忙しい玉木のために手作り弁当を病院に届ける美人で良い妻である。
失踪した玉木を探している時に、偶然にも女装したまま車に撥ねられる玉木を見つけ一緒に病院へゆき看病するが、夫がゲイだと知りショックを受け玉木のもとから去る。

ハシの母

nancyrose7
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@nancyrose7

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