烏は主を選ばない(八咫烏シリーズ)のネタバレ解説・考察まとめ

『烏は主を選ばない』とは、阿部智里の和風ファンタジー小説「八咫烏(やたがらす)シリーズ」の2作目、およびそれを原作とする漫画、テレビアニメ作品である。人の姿をした八咫烏が支配する世界「山内(やまうち)」を舞台に、次代の后選びがきっかけで巻き起こる事件や陰謀を、緻密な世界観の元に描き出しているのが魅力。2012年に原作の小説本が発売されたのに続き、2018年に漫画家・松崎夏未によりコミカライズされ「コミックDAYS」での連載がスタートした。2024年にはNHKでテレビアニメ化されている。

浜木綿「これからは、乙女心を学ぶんだね」

ぶん殴られて倒れた若宮へ、手を差し伸べて笑う浜木綿

同じく第12話で、若宮からのプロポーズを承諾した浜木綿が、突然若宮をぶん殴った後に言ったセリフ。倒れ込む若宮に「これからは、乙女心を学ぶんだね」と告げて、笑顔で手を差し伸べた。女心を理解せず、無神経な発言が続いていた若宮への、愛のあるお仕置きだった。

若宮「私は全ての八咫烏の長。一羽を救うために全てを捧げる……それが私の喜びだ」

金烏としての覚悟を語る若宮

第20話 「黄金の烏」での若宮の言葉。誰も知らないところでただ1人、結界のほころびを繕いながら戦い続けている若宮を心配する雪哉。若宮は穏やかだが力強い口調で「私は全ての八咫烏の長。一羽を救うために全てを捧げる……それが私の喜びだ」と、真の金烏であることの意味と覚悟を語った。

雪哉「どうか配下の末席に加えてください」

若宮(左)に忠誠を誓う雪哉(右)

同じく第20話で、若宮の覚悟を知った雪哉。宮仕えを終えて故郷へ戻る予定だったが、前言を撤回して若宮の元に仕え続けることを決意。「どうか配下の末席に加えてください」と告げ、正式な臣下の礼をとった。

『烏は主を選ばない(八咫烏シリーズ)』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

現役大学生が書いた原作

原作者・阿部智里

原作の小説である『烏に単は似合わない』は、作家の阿部智里が学生時代に書いた作品であり、早稲田大学在学中に「松本清張賞」を史上最年少で受賞している。当時の松本清張賞は応募者の年齢層も高く、歴史小説やミステリーが中心であり、現役女子大生の受賞は異例だった。
受賞当初は「売れるわけがない」「若くて話題性がある以外の受賞理由がない」などと酷評されたが、細部まで練り込まれた世界観やストーリーが人気を集め、テレビアニメ化される人気作品となった。

特別企画をYouTubeチャンネルで公開

特別企画『八咫烏しか知らない世界』

テレビアニメ『烏は主を選ばない』では、公式のYouTubeチャンネルも開設されている。名場面を集めたショート動画や、特別企画「八咫烏しか知らない世界」などの動画がこれまでに配信された。特別企画では、声優陣(入野自由・田村睦心)がMCを務めて作品の世界観を伝えたり、原作者・阿部智里をゲストに迎えてトークしたりと、作品を深く理解するためのコンテンツが用意されている。

十二国記シリーズの読者だった原作者

テレビアニメ版の『十二国記』

綿密に作りこまれた世界観が特徴の「八咫烏シリーズ」だが、同じように練り込まれた世界観で構築されているファンタジー作品に、小野不由美の『十二国記』がある。2002年から2003年にかけて全45話でテレビアニメ化もされており、奇しくも同じNHKで全国放送された。
八咫烏シリーズの阿部智里は、十二国記シリーズの読者だったことを公言しており、十二国記ファンにとっても見逃せない作品と言える。
30周年を記念して発行された『十二国記』ガイドブックで、阿部智里は「ひたすらに感謝」と題した特別エッセイを寄稿しており、中学生で『十二国記』に出会ってからのエピソードを綴っている。

『烏は主を選ばない(八咫烏シリーズ)』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):Saucy Dog「poi」

全話でオープニングテーマとなっている。ロックバンド「Saucy Dog」の作品で、作詞はボーカル&ギターの石原慎也、作編曲はSaucy Dogが担当。19枚目のシングルとして2024年4月5日に発売された。

ED(エンディング):志方あきこ「とこしえ」

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