CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN(チョコパコチョコキンキン)の徹底解説まとめ

CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN(チョコパコチョコキンキン)とは東京発の3人組コミックバンド。ベース担当のメンバーYuta (細野悠太)は細野晴臣の孫。バンド名はキューバ民謡のコンガのリズムパターンに由来する。小学4年生で結成、小学5年生で解散、2021年に再結成。2023年6月7日、シングル「花様年華」でインディーズデビュー。2024年7月28日に『FUJI ROCK FESTIVAL '24』に出演した。江崎グリコ「ポッキー」のCMにも出演している。

ガンダーラ

遊びの延長線上で楽曲制作を始めたCHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINのメンバーが本気で音楽に取り組むきっかけとなった「ガンダーラ」。実力以上の手応えを感じたという初期の代表曲である。

ボサノバのコード進行、中東のパーカッション、日本の歌謡曲のメロディーが融合。フェイクシャーマニズムを表現した歌詞とユーモラスなサウンドの組み合わせが独特な中毒性を生み出している。

秩父

1stアルバム『tradition』の1曲目を飾る「秩父」。埼玉・秩父にある秩父神社の例祭「秩父夜祭」の動画に触発されたインストである。跳ねる祭子囃(まつりばやし)がブギウギのように聴こえたものの、アウトプットとしてはブギウギにならなかったという解釈の仕方が秀逸。

ワタツミ

「海幸山幸(うみさちやまさち)」の日本神話のうち「海神(ワタツミ)」がモチーフとなっている「ワタツミ」。CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINの真骨頂ともいえるフェイクシャーマニズムの世界観に、ループアニメのMVという現代的な感覚も取り入れている。2024年3月にはJR東日本が「TOHOKU Relax」のCMソングとして起用した。

Moon Dance

サポートメンバーのMao(真生)がボーカルを務めている「Moon Dance」。月や火星、木星に響くのは中南米音楽のサルサやレゲトン、コンガのリズムといったSFファンタジー的世界観になっている。

琉球 Boogie Woogie

結局「Moon Dance」は1stアルバム『tradition』の9曲目、「琉球 Boogie Woogie」はラスト12曲目に収録した。しかし「Moon Dance」を没にする予定もあったので、歌詞を「琉球 Boogie Woogie」に転用。そのため歌詞は同じだがサウンドは異なる2曲ができあがった。

CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN(チョコパコチョコキンキン)の名言・発言

Daido(芝崎大道)「ルイス・コールとか、Clown Coreとか、アメリカの少しふざけたテンションの音楽を聴いたり」

Real Sound(リアルサウンド)のインタビュー記事『CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN、「都内の路上にて曲を作る」動画が話題に バンド結成から無二の音楽性まですべてを語る』(2023年7月5日)でのDaido(芝崎大道)の発言。

CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINとして本格始動した活動初期に、よくドライブをしていた。車内DJはSo (宮本颯)。そこで気になった音楽を参考にすることもあり、「車の中で音楽を聴くのがいちばん楽しい」とも語っている。

そのドライブ中「みんなでウケていた音楽」として挙げたのが、Louis Cole(ルイス・コール)とClown Core(クラウン・コア)。Clown Coreはピエロのマスクを被った覆面ユニットなので、中の人はドラマーのルイス・コールとサックス奏者Sam Gendel(サム・ゲンデル)ではないかという噂は推測の域を出ない。

ただし、Daido(芝崎大道)の発言に「魂のふるえる音楽体験」ことFRUE(フルー)が反応し、『FESTIVAL de FRUE 2023』(2023年11月3日)にCHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINもClown Coreも出演したことは事実である。

Daido(芝崎大道)「映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ☆アディオス』の影響ですね」

BIG UP! zineのインタビュー記事『キューバ民謡から秩父のお祭りまで。CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINが異世界へ誘う音』(2023年8月7日)でのDaido(芝崎大道)の発言。

Daido(芝崎大道)が2021年、大学の春休みを利用して約2か月間、キューバのハバナ大学に短期留学したのは、Lucy Walker(ルーシー・ウォーカー)監督の映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ☆アディオス』(2017年)の影響とのこと。中学か高校時代に祖母と一緒に映画館へ観に行き、キューバが好きになった。

Wim Wenders(ヴィム・ヴェンダース)監督によるキューバ音楽ドキュメンタリー映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(1999年)の続編にあたる。

留学の主な目的は音楽ではなく、キューバの宗教サンテリアの研究会に参加することだった。ついでにコンガの叩き方も学んだ。

Yuta (細野悠太)「Daft Punk、エイフェックス・ツイン、Underworldとか、2000年代頃のテクノ/ハウスという感じですね」

Real Sound(リアルサウンド)のインタビュー記事『CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN、「都内の路上にて曲を作る」動画が話題に バンド結成から無二の音楽性まですべてを語る』(2023年7月5日)でのYuta (細野悠太)の発言。

中学・高校時代から電子音楽が好きな理由として、母が2000年前後のハウス・テクノにハマった世代で、Yuta (細野悠太)自身も好きと語っている。

So (宮本颯)「面白い発想を持っているからこそ『複雑すぎて聴きにくい!』みたいな印象にはしたくなくて」

BIG UP! zineのインタビュー記事『キューバ民謡から秩父のお祭りまで。CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINが異世界へ誘う音』(2023年8月7日)でのSo (宮本颯)の発言。

CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINの楽曲制作は基本的に「Daido(芝崎大道):デモ→Yuta (細野悠太):アレンジ→So (宮本颯):ミックス→録音→So (宮本颯):アレンジ」という役割分担および流れになっている。

Daido(芝崎大道)の発想が奇抜なこともあるがゆえに、Yuta (細野悠太)がアレンジで整え、So (宮本颯)がミックスでよりポップにすることを心がけ、聴きやすくしている。3人の共通点は、自己満足な音楽になるのは避けたいという思い。そのうえで、So (宮本颯)はポップな要素を加える以外の方向性にも挑戦したいと意欲を燃やしている。

渡辺和歌
渡辺和歌
@watanabe-waka

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