東方風神録 〜 Mountain of Faith.（東方Project）のネタバレ解説・考察まとめ

『東方風神録 〜 Mountain of Faith.』の概要

『東方風神録 〜 Mountain of Faith.』（とうほうふうじんろく マウンテン・オブ・フェイス）とは、同人サークル「上海アリス幻樂団」によって開発・販売された弾幕系シューティングゲームである。2007年に発表された本作は、「東方Project」シリーズの第10弾に位置づけられる作品で、同シリーズのゲームシステムや世界観に大きな進化をもたらした作品として評価されている。

本作は「東方シリーズの原点」がコンセプトとして開発され、タイトルは東方Projectのシューティングゲームとしては1作目にあたる『東方封魔録 〜 the Story of Eastern Wonderland.』を模しているが、ストーリーや設定などに関連性は無い。
一般艇に知名度の高い東方三部作（紅魔郷・妖々夢・永夜抄）には該当しないが、東方三部作が動作環境の用意が専門的な知識が必要であること、シリーズ内で難易度が優しめであり、難易度、動作環境と共にシリーズの入門として挙げられることが多い。

本作の舞台は「幻想郷」と呼ばれる架空の世界で、新たに登場するキャラクターたちが物語の鍵を握っている。プレイヤーは、シリーズの主人公である巫女「博麗霊夢」（はくれい れいむ）または魔法使い「霧雨魔理沙」（きりさめ まりさ）を操作し、神社の衰退と新興宗教勢力の台頭に立ち向かうこととなる。
特に、本作で初めて登場するキャラクター「東風谷早苗」（こちや さなえ）や「八坂神奈子」（やさか かなこ）は、以降のシリーズにも深く関わる重要な存在としてファンから愛されてされている。

ゲームシステム面では、「信仰ゲージ」と呼ばれる新たな要素が導入され、プレイヤーの得点やアイテムの出現に影響を与える。また、音楽の評価も高く、シリーズ特有の和風と幻想的な要素を融合させた楽曲が多数収録されており、プレイヤーの没入感を高める重要な役割を果たしている。

『東方風神録』は、東方Projectのファンのみならず、新規プレイヤーにとってもシリーズの魅力を堪能できる一作であり、東方シリーズを象徴する名作として今なお支持を集めている。

『東方風神録 〜 Mountain of Faith.』のあらすじ・ストーリー

ステージ1・2・3・4

幻想郷と外の世界を隔てる博麗大結界を司る博麗神社の巫女・博麗霊夢（はくれいれいむ）は神社における信仰心の不足に頭を悩まされる毎日。
そんな中突如として現れた謎の少女東風谷早苗（こちやさなえ）から「神社を山の上の神様に明け渡してほしい」と告げられる。
信仰心が不足しているとはいえ、幻想郷において唯一の神社の巫女である霊夢は当然その要求を却下すると早苗は渋々引き下がる。
どうやら最近妖怪の山の上に湖ごと引っ越してきた神社があるらしく早苗はそこの巫女らしい。
いきなり現れた神様とその巫女が抱く真意を探るべく行動を開始する。一方で、魔法使いの霧雨魔理沙（きりさめまりさ）もこの異変に興味を抱き、調査に乗り出す。

ステージ5

情報を集めながら妖怪の山を登っていく霊夢、もう少しで件の神社に到着するタイミングで再び早苗と出会う。
彼女の目的は幻想郷での守矢神社の信仰心集め、奇しくも博麗神社と同じように信仰心の不足に悩む彼女と山の上の神こと八坂神奈子（やさかかなこ）は現状を脱する為幻想郷に目を付ける。
博麗神社以外に対抗馬のいない幻想郷に神社を移せば幻想郷の信仰心は全て守矢神社の物になる。
それは守矢神社だけでなく幻想郷の為にもなるのだと彼女は信じていた。
そんな早苗の考えに霊夢は真っ向から反発する。仮に信仰心のすげ替えが出来たとしても幻想郷にいる八百万の神が黙って見過ごすはずがない。
霊夢は奇跡を起こす現人神、東風谷早苗と戦う。

ステージ6

早苗に対して勝利を収めた霊夢は守矢神社の境内を進み、巨大な湖に出る、そこで今回の事件の首謀者八坂神奈子と出会う。
霊夢は神奈子に博麗神社の乗っ取りをやめるように呼び掛けるも神奈子はそれを拒否、彼女曰く「むしろ博麗神社を救いたい」「妖怪が集う博麗神社を変えて人間が正しく集う神社にする」「何より幻想郷全体の信仰心をあるべき姿に戻したい」とのこと。
博麗神社の問題は博麗神社の巫女が解決すべきと反論するも神奈子はこれを再び拒否する。
「神社は巫女の為にあるのではない、神社は神の宿る場所」。そう告げると八坂神奈子との戦闘が始まる。

戦いは無事に霊夢が勝利をおさめた。
その後行われたのは山の妖怪と守矢神社の面子との宴会だった。
両者の関係が悪化しない為にまずは宴会を通してお互いのことをしてもらおうというのだ。山の妖怪たちは守矢神社のことを訝しげに思っていたが守矢神社の面々はあくまで信仰のみが目的でありそこに悪意はない。
しかし信仰とは儀式や神事など大袈裟なものではない宴会で飲み明かし、友人のように信頼関係を気づくことでも十分に信頼と呼べるのだ。
驚くほど酒に強い神奈子を山の妖怪たちは早々に歓迎し次の宴会の予定を立てるほどだった。

一方で当初の問題の信仰心の問題も無事に片付いた。
神奈子へ博麗神社の信仰心の問題について相談したところ、二つの案が採用された。
まずは信仰の対象を人間だけではなく妖怪にまで増やすこと、信仰心を集めるのは何も人間に限ったことではなく妖怪からの信仰心も十分な信仰であり、神様は人間にも妖怪にも平等にご利益を振りまく。
もう一つが博麗神社に守矢神社の分社を立てることだった。小さな鳥の巣箱のようなそれは神奈子の力が宿った小さい神社であり、神奈子のご利益は風雨からの守り、五穀豊穣、武運長久と多岐にわたる、そんなご利益を求めてきたのか少しずつ人間の参拝者も増えてきたのであった。

『東方風神録 〜 Mountain of Faith.』のゲームシステム

基本システム

シューティングゲームは、プレイヤーが自機を操作し、画面内の敵を撃破しながら進行するアクションゲームの一種である。敵の攻撃を回避しつつ、自機の攻撃で敵を倒して得点を稼ぐことが基本となる。多くのシューティングゲームでは、敵を倒すことでアイテムや得点が手に入り、ボスキャラクターとの戦闘が各ステージのクライマックスとして用意されている。
東方Projectシリーズは、一般的なシューティングゲームとは異なり、こちらの攻撃を当てることよりも相手から発射される隙間なく密集して打たれる攻撃「弾幕」を回避することに重点を置いている。
『東方風神録』は、東方Projectシリーズ第10作目にあたる作品であり、ゲームシステムにいくつかの新要素が追加されている。本作の最大の特徴は「信仰ポイント」である。このシステムは、画面上部に表示される「信仰ゲージ」によって管理される。プレイヤーは、敵を倒したり、アイテムを回収したりすることで信仰ポイントを獲得し、これが得点やボム（スペルカード）の使用回数に影響を与える。信仰ポイントを高く維持することで、より高得点を狙うことが可能であり、このシステムがスコアアタックの重要な要素となっている。
また、本作ではボムの仕様が変更され、他の作品とは異なる形で扱われている。『東方風神録』のボムは、敵の攻撃を回避する際だけでなく、スコアを稼ぐためにも使用される設計となっている。この点が、ボムを単なる「緊急回避手段」として扱う一般的なシューティングゲームとは異なる特徴を生んでいる。
さらに、『東方風神録』では敵弾が消滅するタイミングやアイテム回収の仕組みにも工夫が凝らされている。画面上部に自機を移動させることでアイテムを一括回収できる「ポジション回収」が採用されており、これがテンポの良いゲーム進行を実現している。

自機と装備

機体性能の異なる攻撃性能をもつ「博麗霊夢」 「霧雨魔理沙」の2種類のタイプから自機を選ぶ。その後各キャラ3種類ずつ用意されている「武器タイプ」を選ぶ。これによって2キャラ3種類ずつ、計6種類のエンディングが用意されている。

移動

移動は2種類存在する。
「高速移動」：高速移動は通常。
「低速移動」：低速移動は移動速度を落とすことにより、操作密度をあげる「密度の高い弾幕を避けやすくなる）のが低速移動の良さ。
これらをボタンで切り替えながら操作するのが操作の基本。

当たり判定

文字通り被弾の判定。このゲームの特徴として見た目に対して当たり判定が非常に小さい上に被弾してから自機が消滅するまでに一瞬の猶予がある為その間にボムを使う事で消滅よりもボムの処理が優先されミスをなかったことにできる「喰らいボム」というテクニックもある。

ショット

ショットは自機から発射される弾
性能は自機や武器タイプによって異なる。（移動を使い分けることでショットの変化が変わる）。

Pアイテム

敵を倒すことで手に入る「パワーアップアイテム」を入手するとパワーが増えショットが強化する。

ボム

使用することで敵弾を消滅させたり、アイテムに変化させたりする。
一定の間無敵時間となる特殊攻撃が付与される。