
『なんて素敵にジャパネスク』とは、1984年から1991年にかけて、氷室冴子がコバルト文庫で連載していた少女小説シリーズ、およびそれを原作とした漫画、ドラマ作品。舞台は、平安時代貴族社会。型破りでじゃじゃ馬娘の「瑠璃姫」を中心とした物語で、自身の結婚問題からやがて帝即位問題の陰謀に巻き込まれていく。瑠璃姫が自身の結婚問題から事件を起こしたり、貴族社会の東宮・帝即位問題に関係する政治陰謀事件などを解決して行くラブコメディ作品である。
『なんて素敵にジャパネスク』の概要
『なんて素敵にジャパネスク』とは、1984年に氷室冴子がコバルト文庫から執筆した小説、およびそれを原作とした漫画、ドラマ作品である。平安時代の宮廷貴族社会を舞台にした少女小説シリーズ。漫画版の『なんて素敵にジャパネスク』は、山内直実作画により、白泉社の花とゆめコミックスより全11巻が発売されている。また、1986年12月27日に日本テレビで富田靖子主演でテレビドラマ化された。
作者の氷室冴子はコバルト文庫を代表する看板作家であり、かつては正本ノン、久美沙織、田中雅美とあわせてコバルト四天王と呼ばれていた。また、『なんて素敵にジャパネスク』を漫画化にした山内直実は、氷室冴子の作品を多く漫画化しており、同じく平安時代が舞台の作品『ざ・ちぇんじ!』、『月が輝く夜に』がある。また、2018年に氷室冴子によるあとがきも当時のまま収録し、新装丁で復刻版が出た事や『ジャパネスク・リスペクト!』というタイトルで今でも作品を愛する作家が競演し、我鳥彩子、後白河安寿、岡本千紘、松田志乃ぶのトリビュート小説が刊行された。
舞台は、平安時代貴族社会。型破りでじゃじゃ馬娘の瑠璃(るり)は、好奇心旺盛で型破りな姫。初恋の相手吉野君(よしののきみ)のことが忘れられず、独身主義を貫いていた。だが、結婚適齢期を過ぎ、父親がうるさく結婚を勧めて来る。ついに婿選びの宴が開かれ、無理やり結婚させられそうになるが、瑠璃のピンチを救ったのは幼なじみの高彬(たかあきら)だった。瑠璃は高彬との結婚を前向きに考えるようになるが、帝や東宮の弑殺を企む政治陰謀問題まで巻き込まれていく。
『なんて素敵にジャパネスク』のあらすじ・ストーリー
おてんば姫の瑠璃の結婚
時は平安。摂関家の流れを汲む名門の姫君である瑠璃(るり)は、平安時代では結婚適齢期を過ぎた16歳。世間でも有名なじゃじゃ馬姫で、縁談を強く勧めてくる父・藤原忠宗とは言い争いが絶えなかった。しかし、瑠璃には幼いころに出会い、今は離れ離れになってしまった初恋の思い人・吉野君(よしののきみ)のことが忘れられなかったのだ。
そんなある日、瑠璃のために婿選の催しが行われる。そこに訪れたのは、瑠璃の幼馴染である高彬(たかあきら)だった。父の根回しによって権少将(ごんしょうしょう)に夜這いをかけられそうになった瑠璃だったが、高彬に助けられる。
帝や東宮の弑殺を企む陰謀
高彬にピンチを救われ、さらに幼い日に交わした結婚の約束を持ち出されたことで、瑠璃は高彬との縁談を前向きに考えるようになる。そして高彬との結婚を決める瑠璃だったが、高彬には瑠璃との結婚が決まっているのにも関わらず、他の姫との結婚話が持ち上がっていた。その噂を耳にした瑠璃は怒り、縁談のうわさが持ち上がっていた姫の屋敷に乗り込み、真相を確かめることにする。
一方、瑠璃の初恋の人である吉野君が、実は帝の息子、東宮の別腹の弟であることが判明する。そのため、吉野君は東宮争いの陰謀に巻き込まれることになる。さらに、高彬の妹である由良姫(ゆらひめ)の入内話が持ち上がる。これは、高彬の兄であり右大臣家の長男である春日大納言(かすがのだいなごん)が、帥の宮(そちのみや)にそそのかされ、由良姫入内の陰謀に加担したものだった。これをを嫌がった由良姫は家出をしてしまう。
結婚前の瑠璃に次々とハプニングが発生し、瑠璃は都に渦巻く政治陰謀に巻き込まれていく。
『なんて素敵にジャパネスク』の登場人物・キャラクター
主人公
瑠璃(るり/演:富田靖子)

瑠璃姫
主人公。大納言藤原忠宗の娘であり、16歳。幼い頃、吉野里の祖母の元に預けられ、そこで出会った幾つか年上の吉野君と交わした結婚の約束をずっと覚えていたため、独身主義を貫き通している。父親からは縁談をしつこく勧められるも耳を貸さない。人前に出ることを憚らず、夜道を供の者も連れずに一人歩きもし、変わり者の姫と人々に噂されていた。一方で初恋の人を一途に想い続ける明朗快活な女性でもあり、気の利いた和歌を詠めることなど教養や頭が切れる。真っ直ぐで権力に屈することなく、東宮であっても、女院に対してもはっきりとしたもの言いをする。
主人公の夫
高彬(たかあきら/演:木村一八)

瑠璃の幼馴染みであり、右大臣家の四男。15歳。瑠璃の弟の融と仲が良く、子供の頃は瑠璃に振り回されてばかりだった。しかし吉野君を亡くして都に帰って来た瑠璃を慰め、ずっと一緒だと約束した筒井の仲(つついづつのなか)。高彬に言われるまで瑠璃はその約束をすっかり忘れていたが、その時に実は結婚の約束もしていた。都の治安を守る衛門府に勤め、東宮の信もあつい。 瑠璃より年下だが常識人で気配り上手。しかし、和歌を詠むのが下手でさらに字が汚い。帝が第1の信条でいるため、瑠璃にはあきれられている。瑠璃の破天荒ぶりに今でも振り回されているが、そんな所も含めて大事に想っている。
主人公の関係者
吉野君(よしののきみ/演:京本政樹(少年期:大沢健))

瑠璃の初恋の人。人を惑わすほどの美貌を持つ。父親は実は高貴な血筋だったが、母親の身分が低いため認知されず、吉野里に逃れて来た。瑠璃に相応しい官位を得て迎えに来ると約束を交わしたが、流行病を得てあっけなく亡くなってしまう。しかし、実は生きていてある事件をきっかけに吉野君と瑠璃は再会することになる。
小萩(こはぎ/演:中田喜子)
瑠璃の側近の女房で、瑠璃よりも2歳年上。独身。瑠璃のことを心配するあまり、小言が多い。男っ気がないことを後輩にからかわれることがある。
鷹男(たかお/演:仲村トオル)

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目次 - Contents
- 『なんて素敵にジャパネスク』の概要
- 『なんて素敵にジャパネスク』のあらすじ・ストーリー
- おてんば姫の瑠璃の結婚
- 帝や東宮の弑殺を企む陰謀
- 『なんて素敵にジャパネスク』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 瑠璃(るり/演:富田靖子)
- 主人公の夫
- 高彬(たかあきら/演:木村一八)
- 主人公の関係者
- 吉野君(よしののきみ/演:京本政樹(少年期:大沢健))
- 小萩(こはぎ/演:中田喜子)
- 鷹男(たかお/演:仲村トオル)
- 藤宮(ふじのみや/演:かとうかずこ)
- 主人公の家族
- 融(とおる/演:西川弘志)
- 藤原忠宗(ふじわらのただむね/演:石坂浩二)
- 母上
- 右大臣家
- 右大臣(うだいじん)
- 北の方(演:中井貴恵)
- 梨壺女御(なしつぼのにょうご)/承香殿女御(じょうきょうでんのにょうご)/公子姫(きみこひめ)
- 聡子姫(さとこひめ)
- 由良姫(ゆらひめ)
- 春日大納言(かすがのだいなごん)
- その他
- 二の姫(にのひめ/演:鳥居かほり)
- 守弥(もりや)
- 煌姫(あきひめ)
- 帥の宮(そちのみや)/遠野宮康緒(とおのみややすお)
- 大海入道(おおみにゅうどう/演:伊東四朗)
- 中将の君/権少将(演:佐藤B作)
- 『なんて素敵にジャパネスク』の用語
- 大納言(だいなごん)
- 内裏(だいり)
- 高坏(たかつき)
- 筒井筒(つついずつ)
- 東宮(とうぐう)
- 落飾(らくしょく)
- 律師(りっし)
- 渡殿(わたどの)
- 『なんて素敵にジャパネスク』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 瑠璃「あたしと高彬は ぶっちぎりの仲なんだからっ!!」
- 高彬「僕で我慢しなよ」
- 瑠璃「でもあたしたち、吉野でとっても仲よしだったんです。ままごとみたいに結婚の約束までして…それだけで助けちゃうのっておかしいですか?」
- 『なんて素敵にジャパネスク』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 今でもファンに愛される作者・氷室冴子
- コミカライズを担当した山内直美によるジャパネスク便り
- 『なんて素敵にジャパネスク』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:富田靖子「なんて素敵にジャパネスク」