レイ・ハラカミ(原神玲)の徹底解説まとめ

レイ・ハラカミ(原神玲)とはテクノ、エレクトロニカの電子音楽家。2011年に40歳で急逝した。初心者向けの機材のみを使用し、ディレイ(反響)などのエフェクトやポリリズムなどの手法を駆使した浮遊感のあるサウンドが特徴的。矢野顕子とのユニット、yanokami(ヤノカミ)としても活動し、細野晴臣のカバー、UAのプロデュース、くるりやサカナクションのリミックス、プラネタリウムや映画のサウンドトラックも手がけた。星野源など多数のアーティストが天才音楽家と絶賛している。

サカナクションの3rdアルバム『シンシロ』(2009年1月21日発売)の収録曲かつ先行配信シングル(2009年1月7日発売)「ネイティブダンサー」のリアレンジ。

サカナクションの2ndシングル『アルクアラウンド』(2010年1月13日発売)、2枚組カップリング&リミックス集『懐かしい月は新しい月 〜Coupling & Remix works〜』(2015年8月5日)の2枚目『月の変容 ~Remix works~』に収録。

レイ・ハラカミ(原神玲)の名言・発言

「色々やった挙句に、残ったものという感じですかね。こんなのしかやりたくないっていう感じ」

代表作の4thアルバム『lust』に対する発言。リミックス、プロデュース、サウンドトラックなどを手がけた結果、レイ・ハラカミ自身の核となるサウンドがオリジナルアルバムとして結実した。

「すごく地味な、すぐ寝れる音楽を作りたいなと(笑)」

TOWER RECORDS ONLINE(掲載:2009年3月19日)のインタビューでの発言。フロア向けのダンスミュージックより、部屋で聴くエレクトロニカに接近したレイ・ハラカミ。「結局僕は音楽を作って世に出すことで、やっと社会とコミュニケートできてるタイプの人間なんで」と語り、リスナーが「気がついたら気持ちよく寝ちゃった」となる音楽制作を心がけていた。

「もうPTSD(心的外傷後ストレス障害)寸前で。情報過多。音楽を聴くのさえ難しいというか」

東日本大震災直後の2011年3月末、KBS京都のラジオ番組「大友良英のJAM JAMラジオ」にゲスト出演したレイ・ハラカミの発言。

福島県福島市出身の音楽家、大友良英と広島県広島市出身のレイ・ハラカミは共演こそなかったものの親交があり、「会いたい。話したい」とレイ・ハラカミが大友良英に電話をかけたことから、ラジオ出演に至った。

年上の先輩である大友良英のことを「よしよし」と呼ぶなど、いつもどおりのふざけた調子のレイ・ハラカミだったが、震災による混乱や疲れもにじませた。その放送終了後に収録したポッドキャスト版で、レイ・ハラカミは広島の被爆2世であることを告白した。

「被爆2世だって立派に生きれるってことをね、示したいよね」

矢野顕子がX(旧・Twitter)で明かした、レイ・ハラカミとの会話。「被爆2世としての責任」が伝わってくる。

レイ・ハラカミ(原神玲)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

使用機材はほぼハチプロことRoland SC-88Proのみ

レイ・ハラカミが楽曲制作の際に使用した機材は、ほとんどRoland(ローランド)のMIDI音源モジュール、SC-88Pro(通称:ハチプロ)、およびOpcode Systems(オプコード・システムズ)のMIDIシーケンスソフトウェア、EZ Vision(イージービジョン)のみだった。

コストパフォーマンス重視、どちらかといえば低音質なローファイ機材であり、スーパーのBGMなどのカラオケ音源を制作する際に用いることが多い。

サンプリングレート(サンプリング周波数)が低いためこもり気味な音になるが、レイ・ハラカミはSC-88Proを使い続けることによって独特な温もりのある音と多彩な音楽表現を展開した。

ライブではミキサーとしてRolandのデジタルMTR、VS-2000CDを活用していた。

矢野顕子はレイ・ハラカミの代表作『lust』を世界遺産に認定

yanokamiでユニットを組んだ矢野顕子は、レイ・ハラカミの4thアルバム『lust』を「世界遺産に決定。文句なし」と絶賛した。さらに「レイ・ハラカミは天才。矢野顕子が言うんだから間違いない」とも発言している。

死因は脳出血

2011年7月27日19時頃、40歳の若さで急逝したレイ・ハラカミ。死因は脳出血だった。その旨を公表したのはyanokamiの所属レコード会社、ヤマハミュージックコミュニケーションズ。yanokamiの公式X(旧・Twitter)でも訃報が伝えられた。

hopper
hopper
@hopper

目次 - Contents