クロノアーク(Chrono Ark)のネタバレ解説・考察まとめ

『クロノアーク』とはローグライク×デッキ構築×パーティー制の特徴を持ったゲームだ。AI Fine社が開発・販売を務めるゲームで、高い戦略性と独創的なストーリーが本作の魅力となっている。
物語の舞台は「アーク」。ある災厄から逃れるために作られた、空に浮かぶ施設だ。本作の主人公であるルシーはここで目を覚まし、使命である「時計塔を起動すること」を全うすべく、「歪みの地」へと向かう。そこで、プレイヤーは勝ったり負けたりを繰り返しながら、世界の謎に迫っていく。

『クロノアーク』の概要

『クロノアーク』はAI Fine社が最初に発売した、ローグライク、デッキ構築、パーティー制といった要素を持つゲームだ。ローグライクはプレイするたびにその内容が変わるゲームのカゴテリーのことを指す。本作は2019年に早期アクセス版がSteam上で配信され、その後少しずつアップデートを重ね、同じくSteamにて2024年5月3日に正式リリースを開始。多数のレビューが寄せられつつ、「非常に好評」と評価を受けていることから、本作の人気具合が窺える。

本作はローグライクというゲームジャンルでありながら、ストーリーにも力が入っている。
話の舞台は「厄災」から逃れるために人類が移り住んだ「アーク」。アークは空に浮かぶ箱舟のことを意味している。その中で記憶喪失の主人公ルシーは、唯一覚えている「時計塔を起動させること」を全うすべく仲間を率いて「タイムシェイド」を探す。タイムシェイドは時計塔を起動させるために必要な鍵のようなもので、これを集めて適切な場所にはめることで時計塔を起動できるとされている。これだけ聞くとよくあるRPGのような物語に感じるが、本作は時計塔を起動しても終わらず、また一から時計塔を目指してタイムシェイドを探すことになる。
負けて、勝ってとプレイを進めていくうちに、少しずつ世界の謎に迫っていく。
題名の「クロノ(chrono)」は時間を意味する接頭辞で、「アーク(ark)」は英語で箱舟という意味を持っている。
そのため、クロノアークという題名は「時の箱舟」というような意味合いを持っている。

『クロノアーク』のあらすじ・ストーリー

繰り返される世界

大地が闇に包まれるという厄災から逃れるべく人類は「アーク」へと逃げ込んだ。しかし、人類はそれが悲劇の始まりであることにまだ気づいていなかった。主人公のルシーは森の中1人で目覚めるが、記憶がない。唯一覚えているのは、「時計塔」を起動させるという使命だけ。そんなルシーは目覚めた時に自分を導いてくれたアザールをはじめとした仲間たちと一緒に、時計塔を起動させるため、その起動必要な「タイムシェイド」がある「歪みの地」へと向かう。しかし歪みの地には多くの敵がいる。そこで立ちはだかる数々の敵にやられてしまう。
しかし、ルシーはその記憶を忘れ、自宅のベッドで起床する。そしてまた時計塔を起動しに仲間と歪みの地へと向かう。そこでまたやられても、また自宅のベッドで起床する。更には、時計塔を起動しても、自宅のベッドで起床する。

そう、実はこの世界はループしている。ローグライクのゲーム性を活かした非常に上手い設定だ。
しかし、そのことにルシーやアークの人々は気付いていなかった。ルシーはループしてもループしても、何回も時計塔を起動する。その中には失敗しルシー自身が死ぬことも数えきれないほどあった。やがてそれを表したかのように自分の死体が大量に積まれた山を見ることにもなる。

アークの真相

ルシーが何度も何度もループし時計塔を起動する中、実はループする前の記憶を「アザール」は持っていた。アザールは世界の真実をすべて知っており、なおかつこのループする世界を作り出した張本人だったのだ。
ルシーが今生きてる世界は「仮想現実」である。ある厄災というのは、実際には異常気候による急激な気温低下のことだった。摂氏-170度もの気温となり、これは人類が暮らしていくには寒すぎる環境である。これを予見した科学者は「コールドスリープを使って異常気候が収まるまで耐えしのごう」というプロジェクトを打ち出した。その結果生み出されたのがルシーたちが住む「アーク」というわけだ。
プロジェクトは滞りなく進み、人体を冷凍させる機械も完成した。しかし、システムのほうに重大な欠陥があることが分かった。
それは、80年経ってしまうと眠りから覚められなくなるというもの。プロジェクトの根幹を破壊するかのような欠陥である。
しかしプロジェクトは強行され、完成。限られた人たちがアークの中に入り込み、仮想現実で暮らすことになった。最初の7日間はループなどせず、ただただ平和な世界だったが、ある存在が「1人プログラムマスターを選出しなければならない」と口にした。
そこで名乗り出たのがアザールだ。プログラムマスターは7日間世界を操作できる万能とも言える力を持つが、その後は永遠の眠りにつくとされている。アザールはそれでもかまわないとプログラムマスターとなったが、思い通りになるまいとアザールは世界をループさせるようにプログラムを作り変えた。そうして誕生したのが「アーク」というわけである。

ルシーの選択

物語の終盤、ループする世界でも記憶を保持できる存在・フェニックスにより、ルシーはこの世界がループしていることに気付く。
ループしていることを知ったルシーは唯一皆を現実世界に戻せる可能性のある、「プログラムマスター」との接触を試みる。プログラムマスターはアークが作られた際に世界のプログラムを制御するために犠牲となった人間のこと。プログラムマスターはある方法で1度だけ起こすことができるが、その1回しかチャンスはない。
そこでアザールが立ちはだかる。アザールはルシーと違って、この世界をループしない、現実と同じような世界に作り替えるためにプログラムマスターに接触しに来ていた。立場の違う2人は戦う。
主人公は勝利し、プログラムマスターのいる場所へと向かうが、またもアザールに邪魔される。
かと思いきや、アザールはプログラムマスターからプログラム制御権を奪うために戦った末、存在をデリートされてしまう。そう、アザールはルシーが目覚めた時に困らないようにプログラムマスター自身のコピーとして作られた存在だったのだ。
主人公は散っていったアザールの分も背負って、プログラムマスターとの戦いに挑む。
そしてプログラムマスターとの戦闘に勝利後、提示される2つの選択肢(一方には条件あり)から2通りの結末を見ることができる。

『クロノアーク』のゲームシステム

ローグライク

本作はローグライクというゲームジャンルの一つになっている。ローグライクは「ゲームごとにマップや入手できるアイテムが変化し、クリアするとそれらがリセットされる」といった定義を持つ。
よって、ゲーム中に入手できるものにはランダム性が発生する。ただし、ゲーム開始時のキャラクター編成などは自分で決めることができたり、「クレジット」と呼ばれる本作品の解放要素を解放するためのアイテムはリセットされない。

デッキ構築

本作はデッキ構築というゲームシステムを採用している。デッキ構築とはその名の通り、スキルの入ったデッキを自ら構築していくことを指す。具体的には、各キャラクターの強化毎にランダムな3つのスキルの選択肢の中から1つ選んでいく感じだ。ちなみに、スキルは各キャラごとに一定量を超えると削除できるようになり、初期設定では「基本攻撃」などの最初にデッキに入っているスキルが自動的に削除されるようになっている。

パーティー編成

最初に連れていく仲間を選択する画面。

最初に2人の仲間を選択し、ステージを進めていくと2人の仲間を追加できる。
選択可能なキャラクターは通常20人までだが、MODと呼ばれるものを導入することでゲーム外のキャラクターや主人公であるルシーをキャラクターとして使用可能。MODはゲームにキャラ追加やイベントの追加するSteamの機能だ。公式に対応しているため安全に使用が可能だ。
キャラクターはストーリーを進めていくうちに少しずつ解放されていくが、最初に使えるキャラクターはあまり多くない。
各々持つ役割はアタッカー、サポーター、ディフェンダーの3つ。それぞれ、アタッカーは主に敵にダメージを与える要素を、サポーターは味方を補助する要素を、ディフェンダーは敵からの攻撃を防ぐ要素を多く含んでいる。キャラクターアイコン右下のマークで誰がどの役割を持つか見分けがつくようになっている。
この3つをバランスよく編成すると戦闘を有利に進められる。

ちなみに、ここから難易度を選択することができる。ただノーマルでも十分難しいので、ハードはゲームに慣れてきてからの方が良い。

探索

仲間を選択後の画面

仲間を選択するとデフォルメされたルシーがマップ中央に現れ、ゲームスタートとなる。プレイヤーはキーボードまたはマウス操作でルシーを操作する。プレイヤーは基本的にその層のボスを倒すことが目標となる。
右上のミニマップを開くことで、マップを閲覧しどこにどんなマスがあるのかを視認することができる。
赤い剣のアイコンは敵と戦闘するマス、黄色いビックリマークのアイコンは、宝箱またはランダムなイベントを2つの選択肢から選ぶマス、宝箱のマークは仲間を強化できる装備が手に入るマス、「店」を表したようなマスがゴールドを消費することでアイテムを購入できるマス、紫色の爪痕はがボスと戦闘ができるマスとなっている。基本的に右クリックすることで調べることができるのだが、敵(ボスも含む)に関してはそのマスを踏むだけで戦闘開始となるので、注意するとよい。
また、左上にはアイテムポーチがある。ポーション、スクロール(巻物)、鍵、装備といったものを収納でき、マウスカーソルを合わせ右クリックすることで使用可能だ。

キャラ強化

下部にある味方キャラクターを右クリックすると出てくる画面

ここではキャラクターの強化や最大コストの増加、装備の取り外しが可能となっている。強化には「魂石(こんせき)」と呼ばれる道具が必要となる。魂石は敵を倒すことで報酬として入手できる。所持している魂石の数は左上にある紫のアイコン横に表示され、魂石が増減するとこの数値も同じように増減するようになっている。

キャラクターを強化する際、そのキャラクターが持つ「スキル」を選択肢から選択することができる。これがいわゆるデッキ構築と呼ばれる要素だ。
また、レベル2からはパッシブスキルが解放され、当然だが強化毎にキャラクターのステータスが上昇する。

violet
violet
@violet

目次 - Contents