荒くれKNIGHT 黒い残響完結編(吉田聡)のネタバレ解説・考察まとめ

『荒くれKNIGHT(ナイト) 黒い残響完結編』(吉田聡)とは、2007年から2016年まで『ヤングチャンピオン』誌上で連載された。人気漫画『荒くれKNIGHT』、『荒くれKNIGHT高校爆走編』に続く、”荒くれシリーズ”第3弾となり、第2弾までの主役・善波七五十(ぜんばないと)率いる暴走族”輪蛇(りんだ)”ではなく、ライバルチーム”虎武羅(こぶら)”に焦点を当てている。”虎武羅”初代リーダー・大鳥大悟(おおとりだいご)が本作の主役で、当初は弱小チームに過ぎなかった”虎武羅”の成長物語でもある。

本名は足立(あだち)。孤児院”緑陰学園”で知り合った赤蛇こと内海マコトと、史上最悪最強の暴走族チーム”がらがら蛇”を結成する。盟友と信じていた赤蛇に、のちに裏切られて、赤蛇が新たに作った暴走族チーム”輪蛇”に”がらがら蛇”を壊滅させられる。潜伏期間を経て、心身ともに回復してきた頃、昔の自分を見るような大鳥大悟の活躍にも触発されて、完全復活を宣言する。”輪蛇”への復讐に燃えていたが、行きがかり上、”虎武羅”の大鳥大悟の挑戦を受けることに。激闘の末、互いの古傷を容赦無く潰しあい、青蛇が勝利するが、大ダメージを受けてしまう。その後に”輪蛇”の介入も受けて、また闇に消えていくことに。

美濃原武志(みのはらたけし)

”元がらがら蛇四天王”の超人・美濃原

超人の異名を持つ、元”がらがら蛇”四天王の一人。”がらがら蛇”の残党として、”輪蛇(りんだ)”から狙われている。”虎武羅(こぶら)”の大鳥大悟の高い戦闘力に興味を示して、当初は”輪蛇”潰しの手札にするつもりだったが、大鳥の奮闘ぶりに感動して、純粋に応援する側に。最後は、”がらがら蛇”の共同創設者・青蛇に立ち向かう大鳥の露払いとして、青蛇の屈強な親衛隊約30人を1人で全壊させる。その勢いで、かつてのボスでもある青蛇に闘いを挑むが、スタミナ切れもあって一蹴される。

二道(にどう)

”がらがら蛇”元四天王の一人。”がらがら蛇”の残党や輪蛇に恨みを持つ不良をかき集めて、謎の軍団”蟲(むし)”を結成した。”輪蛇”を蹂躙して、己自身の盟主君臨を目論んでおり、かつてのボスである青蛇とは微妙な関係を維持している。”蟲”のシンボルとして、青蛇の名前だけ利用する腹だ。輪蛇抹殺の準備段階で、”がらがら蛇”のパシリだった弱小チーム”虎武羅(こぶら)”の躍進に着目。その原動力になっている大鳥大悟(おおとりだいご)の動向に目を光らせている内に、”輪蛇”潰しの秘策として、”虎武羅”抹殺を計画した。当初は打倒輪蛇の踏み台程度に考えていたが、想定を遥かに超える虎武羅の捨て身の抵抗に遭い、計算は大幅に狂う。総力戦の末、味方が撤退し始めた二道は、起死回生の策として、大鳥を一人で急襲したが、返り討ちに。

『荒くれKNIGHT 黒い残響完結編』(吉田聡)の用語

虎武羅(こぶら)

設立当初は史上最凶最悪と恐れられた暴走族チーム”がらがら蛇”のパシリ的存在の弱小チームだった。だが、湘南で売り出し中の狂犬・木原篤(きはらあつし)と大喧嘩の末に引き分けた流れ者の一匹狼・大鳥大悟(おおとりだいご)が加わることで、猛者たちが集まり始める。次第に勢いを増し、幾多の不利な激戦を潜り抜ける事で、”輪蛇”と張り合うまでの強豪チームに成長する。

がらがら蛇(へび)

史上最凶最悪の暴走族チーム。孤児院で知り合った赤蛇(内海マコト)と青蛇(足立)の2人で創設した。だが、組織の膨張が続く事で、当初の暴走行為だけでなく、ゆすり・たかり・暴力などの犯罪行為が目立ち始める事で、内部分裂が起きる。純粋に”走り”を求める赤蛇が、”がらがら蛇”を離脱して、新たに”輪蛇”を結成する。その後、残された青蛇の”がらがら蛇”と、赤蛇の”輪蛇”との血で血を洗う苛烈な1年戦争の末、”がらがら蛇”が壊滅させられた。恨みを持つ”がらがら蛇”の残党はその後も”輪蛇”へのリベンジを狙い、その隙を窺っている。

輪蛇(りんだ)

史上最凶最悪の暴走族チーム”がらがら蛇”から赤蛇こと内海(うちうみ)マコトに率いられて離脱した、”走り”のみを志向するチーム。その後、2代目リーダー・木原篤(きはらあつし)を経て、史上最強の三代目リーダー・善波七五十(ぜんばないと)に引き継がれた。”がらがら蛇”の残党に常につけ狙われている関係上、”輪蛇”のメンバー数や別動体”裏輪蛇”の存在などはごく一部の幹部しか把握していない。

緑陰学園(りょくいんがくえん)

史上最凶最悪の暴走族チーム”がらがら蛇”を創設した”青蛇”と”赤蛇”が幼少時に過ごした孤児院。復活した青蛇が、虎武羅戦の本拠地として陣取った。頂上決戦となった青蛇vs大鳥の舞台にもなった。

『荒くれKNIGHT 黒い残響完結編』(吉田聡)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

大鳥大悟「王座にはトゲがある。最後にあいつのケツを蹴り上げて立たせてやる」

大鳥大悟(おおとりだいご)が、暴君化しつつある親友の輪蛇(りんだ)2代目リーダー・木原篤(きはらあつし)について、伊武恋次郎に語ったセリフ。”輪蛇”の出身母体でもある暴走族チーム”がらがら蛇”の共同創設者・青蛇との壮絶な戦いに大鳥は敗れたが、その直後、”蟲(むし)”を実質的に統率していた”がらがら蛇”の元四天王・二道(にどう)には勝利した。その結果、”がらがら蛇”残党と”虎武羅”の総力戦は、痛み分けとなった。その激闘から5週間経ち、抜け殻状態の大鳥は、”輪蛇”のリーダー木原篤(きはらあつし)が暴君化しつつある、という噂を聞きつけて、木原を教え諭す事を決意。その直前に、伊武に言って聞かせたのが冒頭のセリフだ。”がらがら蛇”残党との大一番を回避して、”虎武羅”を見捨てた形の木原に、”輪蛇”の仲間内からも批判が根強くなっていた時期でもあり、木原の独裁化を誰よりも危惧したのが大鳥だったのだ。

根岸「喧嘩上等だけが男の値段じゃねぇ、他につけられた値段なんかより、おまえの価値を探せよ」

腕っぷしの強さだけで世間を渡り歩いてきた一匹狼の潰し屋だった大鳥大吾に対して、虎武羅の先輩・根岸(ねぎし)が熱く語りかける。組織に属して縛られることを嫌っていた大鳥だったが、根岸の熱さに触れているうちに、群れ(虎武羅)のリーダーとなることを決意する。

赤蛇「自分に迷った時は仲間を見ろ 人は仲間によって自分の姿を知らされるんだ」

赤蛇

赤蛇こと内海(うちうみ)マコトが、輪蛇のリーダーの座を木原篤(きはらあつし)に譲る際に、言ってきかせたセリフ。木原は折に触れて、このセリフを思い出して、自分勝手な悪党の集団”輪蛇”のアタマであることの重圧と戦っている。

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