自殺島(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『自殺島』とは2008年より森恒二が『ヤングアニマル』にて連載していた作品。政府によって、自殺未遂の常習指定を受けた者は自殺島に送り込まれてしまうという、近未来の日本を舞台に物語が展開されていく。島に流された未遂者のセイは、同じ未遂者と共に過酷なサバイバルや人間同士の争いに巻き込まれていくが、そこで生き抜くための覚悟を決めた時、本物の友情や、愛を手に入れるセイの成長を描いていく。また生きる意味、幸せとは、という生きていく上で誰もが一度は考えるテーマに、真っ向から問いかけてくる作品でもある。

自殺未遂者とは思えないほど明るく前向きな青年で、グループのリーダー的存在。身体能力は抜群でありながら、優しくて、面白くて仲間思いの青年なので、男女関係なく慕われる。友好的な性格ゆえに、争いが起きても極力話し合いをして問題解決しようと試み、秩序を伴わない流れ者を仲間に引き入れる人間力も持ち合わせる。しかしサワダ率いる海側のグループが現れると、争いを好まない性格が仇になると感じ、好戦的な人物をリーダーに選任している。あくまでも人を傷つけない、戦いたくないという気質が伺える。
自殺島に来る前は付き合っている恋人がおり、不慮の事故で恋人を亡くしたことで、失意の果てに自殺未遂を繰り返すようになっていた。島に来てからも、新しい彼女を作らず、死んだ彼女に一途な姿勢を貫いていた。

カイ

セイがはじめて自殺未遂をした後に入れられた更生施設に入所していた、セイより1歳年上の青年。セイとは自殺島で再会した。グループ内ではリョウとは別に、もう一人のリーダーとして周りから頼られる人物だったが、ある事件によりグループから追い出されてしまう。以後サワダのいるグループに入り、サワダのブレーン的存在になってセイたちを追い詰めていく。

トモ

主にセイや女性らと共に行動をする青年。長い髪を後ろでひとつに縛っている。昔沖縄に住んでいたことがあり、南国の植物への知見がある。実は性同一性障害の悩みを持ち、体は男性だが心は女性。医者の家に生まれ、普通に暮らしていたが、中学に上がる頃には自分が何物であるか理解していた。父親からはバケモノと罵られ、心に深い傷を負う。島に来てからも自分の障害に苦しんでいたが、ある時セイに知られたことをきっかけに、グループの人間にもその障害の話をして、皆に受け入れられる。リョウに好意がある。

スギ

眼鏡をかけた男性。本名杉村(スギムラ)。冷静で知的な対応ができ、知識量も豊富なグループのブレーン的存在。子供の頃から内気で1人で過ごす時間が多く、いつしか創作に没入し物書きになることを夢みていた。しかし物書きで成功するのも対人スキルが高くないと成功できない事実に気づき、現実に絶望して首を吊って自殺を図るようになる。

リュウ

島に来る前は小さな運送会社の社長をしており、パワハラ気質な所がありながらも、リュウを慕う部下に助けられ、会社を発展させていった。しかし不況の煽りを受け、経営は傾く。その後は部下がついては来てくれず、1人で寝ずに働いていた。そのため寝不足がたたり、ついに居眠り運転を起こし、死傷者を出す事故を起こして何もかも失った。島に来た当初は小競り合いで仲間を喧嘩の後殺してしまった事もある。
好戦的な性格であるため、リョウからリーダーに抜擢され、以後リーダーとして皆を引っ張っていく。海側のグループに仲間が殺される度、海側の人間の殺害を厭わない。人殺しの苦しみを背負いこもうとする、仲間思いで責任感が強い性格も垣間見える。

ミキ

運動神経抜群で、走るのも泳ぎも得意。島に来た頃からよくリョウと一緒にメインで漁猟をしていた。女性陣たちがこなす仕事も積極的にこなし、グループで一番の働き者でもある。しかし恋愛体質な一面があり、リョウに恋をしている。リョウが自殺島を出て船で本島を目指す時も、リョウを追って一緒に船に同乗していた。本人曰く、リョウには通算30回くらい告白している。

ボウシ

島に来た時からトレードマークのボウシを被っている。自分の名前を嫌っており、皆からはボウシと呼ばれる。最初の頃は卑屈な青年で、リョウやカイが持つ頭の良さや器量に嫉妬しており、何もないセイに同じ「持たざる者」と言い安心感を覚えていた。しかし持ち前の手先の器用さで次々と農具や武器を作り出してグループに貢献し、いつしかなくてはならない存在になっていく。タエと恋仲になる。

タエ

看護師をしていたが、看取ることが辛くなり自殺未遂を繰り返す。しかし島に来てからは不本意ながらもケガ人の看病にあたり、死を目の当たりにして苦しんでいた。ボウシのことが好きで恋仲になる。精神的にボウシに支えてもらう一面もある。

レイコ

honjou_mamic6
honjou_mamic6
@honjou_mamic6

目次 - Contents