ガイコツ書店員 本田さん(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ガイコツ書店員 本田さん』とは、2015年から2019年に渡って連載されたエッセイ漫画である。作者は本田。単行本は全4巻で完結している。作者が自身の姿をガイコツに、同僚や上司はさまざまな被り物をした姿に置き換えて、書店で勤務中に起こった様々な体験を面白おかしく綴ったエッセイ漫画である。2018年にはアニメ化もされた。
漫画賞「全国書店員が選んだおすすめコミック」において2017年の12位を獲得した。
「売れ筋」の逆の意味である言葉で、なかなか売れて行かない本のこと。あまりに長期に渡って棚に残り続けるとスペースを圧迫するので、担当者が時期を見極めて返品する必要がある。連載漫画の単行本の途中のみが「死に筋」だったり、返品直後に注文が来ることがあったりと、担当者の頭を悩ませ続ける存在。
フェア
特定のジャンルや作家の書籍を集めたり、アニメ化や実写化などのメディアミックスに合わせたりして、担当者が売り場を工夫して盛り上げる特集。看板やポップ、山のような積み上げなど、担当者の裁量次第で様々なディスプレイとなる。
有害図書指定
各自治体ごとに定められた、青少年に読ませてはいけない本のこと。販売停止というわけではなく、未成年立ち入り禁止のゾーニングを敷いたりダミーを置いたりして大人だけが購入できるように工夫すれば売ることが可能。しかし本田の勤務する書店では全品返送と決まっている。
出版業界用語
営業
自社の本を売り込むために各書店を周っている担当者。ポスターや手製のポップなどの販促用の拡材を持ってきたり、入荷数の交渉などのやり取りを行う。本のジャンルが多岐にわたる大手出版社の場合は、売り場の担当者が列をなすこともある。
取次
正式には出版取次という。出版社と書店の間に立ち、売れ行きに応じた配本数の調整や返品の管理などの仕事を担当する。書店が必要と伝えた数をかなり縮小してくることも少なくなく、彼らとの交渉もまた書店員にとって手強い仕事の1つである。
『ガイコツ書店員 本田さん』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
本田(ほんだ)「そしていつも終わった後に気づいてしまう お客さんからこちらが元気をもらっていることに」
原作第1話に登場する台詞。主人公の本田(ほんだ)は本を探し求める外国人の客に対して必死で接客するもうまく行かず疲弊していた。そこへまた別の外国人男性客が大量の漫画を探し求めて質問に来る。あまりの重量級ラインナップにたじろぐ本田。しかしその客は全部自分で運ぶから場所だけ教えてほしい、重いから女性には大変だしその重みが自分の物になった喜びだと言う。満載の籠を提げて行く客の笑顔に、本田は心の中で「そしていつも終わった後に気づいてしまう お客さんからこちらが元気をもらっていることに」と呟いた。
人と人とのやり取りによって成り立つ実店舗ならではの、心温まる相互作用を描いたシーン。
ペストマスク「あまりにも売れないのはうちの売り場に合わなかっただけで なんならよそでは売れ筋かもしれないしね」
原作第16話に登場する台詞。なかなか売れずに棚に残り続ける「死に筋」の本を返品するか否か、書店員は常に頭を悩ませている。担当の棚のラインナップがゆっくりとしか売れて行かないコオモテは、このままのペースで返品すればレーベルごと消滅すると頭を抱える。その様子を見た上司のペストマスクが、死に筋のラインナップは目安だから気にしなくてもいいと言いつつ「でも無理して売れない本をずっと持つ必要はないよ」「あまりにも売れないのはうちの売り場に会わなかっただけで なんならよそでは売れ筋かもしれないしね」とフォローした。
本田「好きなものへの純粋さには 年齢も性別も国境もないのかもしれない」
原作第18話に登場する台詞。本屋という店に訪れる客は老若男女を問わず、そして国籍さえも様々である。しかし好きな本を見つけた時の「『これが好き』のまばゆさ」は皆同じだった。本田は「好きなものへの純粋さには 性別も年齢も国境もないのかもしれない」と思い、圧倒されながらも救いを感じている。
『ガイコツ書店員 本田さん』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
主人公の本田(ほんだ)のモデルは女性だがアニメの声優は男性
ガイコツの姿で描かれた主人公の本田(ほんだ)は作者をキャラクター化した人物だが、作者の性別は女性である。作中でも一度だけ、重い本を大量に購入したいが女性が持つのは大変(なので店員である本田に運ばせるわけにはいかない)と言われるシーンがある。
しかし、全身ガイコツ姿であるが故に見た目の性別が判別できないこともあってか、アニメで声を担当する声優は男性になった。演者である斉藤壮馬は本田が女性であることを薄々察していたようで、放送前のインタビューで不安な心情を吐露している。
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目次 - Contents
- 『ガイコツ書店員 本田さん』の概要
- 『ガイコツ書店員 本田さん』のあらすじ・ストーリー
- ある書店員の本屋での日常
- 退職後の場外乱闘編
- 『ガイコツ書店員 本田さん』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 本田(ほんだ)
- 同僚の書店員たち
- カミブクロ
- ホウタイ
- ランタン
- オキツネ
- コオモテ
- ラビットヘッド
- フルフェイス
- ガスマスク
- 溶接マスク
- ケンドウ
- 書店の上司たち
- ペストマスク
- アーマー
- 魔術師
- 出版業界人
- フレデリック・トゥルモンド
- アザラシ
- 『ガイコツ書店員 本田さん』の用語
- 書店用語
- 雑誌扱いコミック
- 書籍扱いコミック
- 初回特典
- 荷割れ
- 死に筋
- フェア
- 有害図書指定
- 出版業界用語
- 営業
- 取次
- 『ガイコツ書店員 本田さん』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 本田(ほんだ)「そしていつも終わった後に気づいてしまう お客さんからこちらが元気をもらっていることに」
- ペストマスク「あまりにも売れないのはうちの売り場に合わなかっただけで なんならよそでは売れ筋かもしれないしね」
- 本田「好きなものへの純粋さには 年齢も性別も国境もないのかもしれない」
- 『ガイコツ書店員 本田さん』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 主人公の本田(ほんだ)のモデルは女性だがアニメの声優は男性
- フレデリック・トゥルモンドの声優はモデル本人
- アニメ会社繋がりで製作された『秘密結社 鷹の爪』とのコラボレーション映像
- 『ガイコツ書店員 本田さん』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.本田(CV.斉藤壮馬)「ISBN 〜Inner Sound & Book's Narrative〜」
- ED(エンディングテーマ):TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.高野寛「Book-end, Happy-end」