ガイコツ書店員 本田さん(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ガイコツ書店員 本田さん』とは、2015年から2019年に渡って連載されたエッセイ漫画である。作者は本田。単行本は全4巻で完結している。作者が自身の姿をガイコツに、同僚や上司はさまざまな被り物をした姿に置き換えて、書店で勤務中に起こった様々な体験を面白おかしく綴ったエッセイ漫画である。2018年にはアニメ化もされた。
漫画賞「全国書店員が選んだおすすめコミック」において2017年の12位を獲得した。
『ガイコツ書店員 本田さん』の概要
『ガイコツ書店員 本田さん』とは、2015年8月27日から2019年3月22日に渡ってKADOKAWAの『月刊コミックジーン』とpixivが合同運営するウェブコミック配信サイト『ジーンピクシブ』で連載されたエッセイ漫画である。作者は本田。今作がデビュー作である。単行本は全4巻で完結。2018年10月にアニメ化され、フラッシュアニメの手法を駆使した15分枠のショートアニメとして放送された。
10年間書店に勤務していた作者が自身の姿をガイコツに、同僚や上司はさまざまな被り物をした姿に置き換えて、勤務中に起こった様々な体験を面白おかしく綴ったエッセイ漫画。連載の途中で作者が書店を退職したため単行本3巻の内容までで一旦連載終了となったが、アニメ化のオファーにより継続が決定。国内外の出版関係者への取材旅行を描いたスピンオフ「場外乱闘編」の形で再開したものが4巻に収録されている。
顔を隠したキャラクターデザインはモデルとなった人物のプライバシーに配慮した結果であり、客の顔は素顔で描かれているが本人には似ないように配慮されている。同様に作中に登場する出版社や漫画の作品名なども伏せ字などを入れて書かれているが、唯一刊行元であるKADOKAWAだけは伏せずに表記されている。
電子書籍や通信販売が隆盛の中で人と人とが向き合う書店の良さを描いた作風と、明るい話題ばかりでもない出版業界の悲喜交々をコミカルに描いた作者の手腕が高く評価されている。同じ書店員からの共感の声も多く、日本出版販売が運営する漫画賞「全国書店員が選んだおすすめコミック」において2017年の12位を獲得した。
『ガイコツ書店員 本田さん』のあらすじ・ストーリー
ある書店員の本屋での日常
ガイコツ書店員の本田(ほんだ)が勤務する書店には、多種多様な客が訪れる。ぎっしり詰めた紙袋と鞄が大破するほどの冊数を大人買いする者、発売即売り切れ続出な人気の新刊を探し求めて書店を梯子する者、刑務所宛に本を配送する小指のない男性などなど。さらに客は日本人に限らず、海外から人気漫画を探し求めて来店する客もいる。
彼らが自分に合った本と出会えるように、本田は苦手な英語を駆使して精一杯のサポートをする。
そんな書店のバックヤードの向こうでは戦いが繰り広げられている。出勤すると積み上がっている新刊の段ボール。ぎっしりと本が積まれた売り場の棚にスペースを作り、時にはポップや販促品を挟みながら積み上げていく。売れない在庫を返本すべきか否か、平積みの配置をいかに整えるか、担当の棚をどのように整理するかという悩みは常に付きまとう。
時には入荷日と発売日がズレたり、本はあるのに封入すべき初回特典の入荷が遅れていることもある。また出版社や取次の都合で希望の入荷数が届かなかったり、営業担当者から手に負えないほど大量の販促アイテムを押し付けられたりすることも。そんな出版関係者との戦いもまた、彼らの仕事の一部である。
退職後の場外乱闘編
本屋と出版業会を舞台に起こる悲喜交々を漫画に綴っていった本田だったが、ついに退職の時が来る。本田が書店員ではなくなってこの漫画も終わりを迎えるかと思われたが、アニメ化のオファーが来たことで連載の続行が決定。そうは言ってもネタがないので出版関係者各所へ取材に行く事になり、ブックパスストアや楽天Koboといった電子書店の社員にインタビューを敢行。また取材旅行で台湾に行き、出版社で日本の漫画の翻訳事情を聞いたり、同人誌即売会や書店を見学したりした。他にもサイン会でマレーシアを訪れたり、自身の単行本の装丁デザイナーから話を聞いたりと、出版業界の様々な側面に触れることができた。
『ガイコツ書店員 本田さん』の登場人物・キャラクター
主人公
本田(ほんだ)
CV:斉藤壮馬
本作の主人公であり作者。ガイコツの姿で描かれている。
アメコミなどの海外コミックと画集の棚を担当する書店員。フルカラーで良い紙を使った書籍が多く、その重さで腰を痛める恐怖と戦っている。初めての担当は往年の名作漫画の復刻版などが並ぶコミック文庫の棚だった。
内心の独り言が多く早口で、押しに弱い典型的な内気オタク。英語は苦手だが海外からの来店者相手の接客も多く、いつも片言で必死に対応している。
連載中に書店を退職したため単行本3巻までで最終回を迎えるかと思われたが、アニメ化のオファーが来たことで継続が決定。4巻では電子書店や海外の出版社などへ取材に訪れている。
同僚の書店員たち
カミブクロ
CV:三瓶由布子
本田の先輩。女性。作中では紙袋を被った姿で描かれる。
コミック売り場にて4コマ漫画とサブカル漫画の棚を担当。本田にとってコミック売り場で一番仲が良い同僚。塩顔青年が好きで彼氏がいる。
ホウタイ
CV:喜多村英梨
本田の先輩。女性。作中では顔に包帯を巻いた姿で描かれる。
コミック売り場にて少女漫画の棚を担当。配置換えの前は海外コミックと画集を担当していて本田が引き継いだ。新人漫画家のデビュー作などは応援したくなる優しい性格。
遅番担当であり、ガスマスク・溶接マスクと合わせて「遅番三人衆」と呼ばれている。
ランタン
CV:斉藤貴美子
本田の先輩。女性。作中ではジャック・オー・ランタンを被った姿で描かれる。
コミック売り場で集英社の棚を担当している。本田と付き合いが長く、気安い口調で話せる相手。怒った時の迫力が凄まじい。
オキツネ
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『ガイコツ書店員 本田さん』の概要
- 『ガイコツ書店員 本田さん』のあらすじ・ストーリー
- ある書店員の本屋での日常
- 退職後の場外乱闘編
- 『ガイコツ書店員 本田さん』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 本田(ほんだ)
- 同僚の書店員たち
- カミブクロ
- ホウタイ
- ランタン
- オキツネ
- コオモテ
- ラビットヘッド
- フルフェイス
- ガスマスク
- 溶接マスク
- ケンドウ
- 書店の上司たち
- ペストマスク
- アーマー
- 魔術師
- 出版業界人
- フレデリック・トゥルモンド
- アザラシ
- 『ガイコツ書店員 本田さん』の用語
- 書店用語
- 雑誌扱いコミック
- 書籍扱いコミック
- 初回特典
- 荷割れ
- 死に筋
- フェア
- 有害図書指定
- 出版業界用語
- 営業
- 取次
- 『ガイコツ書店員 本田さん』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 本田(ほんだ)「そしていつも終わった後に気づいてしまう お客さんからこちらが元気をもらっていることに」
- ペストマスク「あまりにも売れないのはうちの売り場に合わなかっただけで なんならよそでは売れ筋かもしれないしね」
- 本田「好きなものへの純粋さには 年齢も性別も国境もないのかもしれない」
- 『ガイコツ書店員 本田さん』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 主人公の本田(ほんだ)のモデルは女性だがアニメの声優は男性
- フレデリック・トゥルモンドの声優はモデル本人
- アニメ会社繋がりで製作された『秘密結社 鷹の爪』とのコラボレーション映像
- 『ガイコツ書店員 本田さん』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.本田(CV.斉藤壮馬)「ISBN 〜Inner Sound & Book's Narrative〜」
- ED(エンディングテーマ):TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.高野寛「Book-end, Happy-end」