まっすぐにいこう。(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『まっすぐにいこう。』は、きらのデビュー作で、1991年に『ザ マーガレット』で発表された漫画。雑種犬マメタロウの視点から描かれる高校生の恋愛物語である。飼い主の郁子と彼氏の秋吉の関係を中心に、日常の出来事や恋の悩みが温かく描かれている。全26巻発行。2000年には第4回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞している。2003年と2004年にアニメ化され全9話が放送。2021年には続編『OH MY DOG! まっすぐにいこう。〜キキの場合〜』が連載され、新たな視点が加わった。

解決への道

早朝、朝練で早く来ていた秋吉とたけしは、靴箱でいたずらをする同級生を見つける。二人は同級生を追い詰め、「今度同じことしてみろ。ぶっ殺すぞ」と脅して撃退する。同時に、上履きにいたずらをされないように早く登校していた郁子は、秋吉たちの行動を目撃し、自信と誇りを取り戻す。しかし、いじめはさらにエスカレートし、「死ね」と書かれた靴箱を見た郁子は、思わず道路に飛び出してしまう。それを必死で止める秋吉の姿を見て、いじめていた同級生たちは自分たちの行動の重大さに気づき、ようやくいじめをやめた。

エイプリルフールのサプライズ

4月1日、郁子のもとに1本のビデオレターが届く。そこには、恵の姉晃子・照美一家がトルコへ、岡田さんと源がアメリカへ移住するというメッセージが収録されていた。突然の別れに郁子と秋吉は悲しむが、京介は「郁ちゃんの為にみんなの人生あるわけじゃないからねえ」と諭す。しかし、これは全てエイプリルフールの冗談だった。この出来事をきっかけに、郁子は「この先…ないとも限らないのかなって こういうことが ほんとにね」と、将来起こりうる出会いと別れについて考えるようになる。

再会の約束

ビデオの最後で、みんなで再び北海道を訪れることが決まる。今回は、陸の愛犬である空も一緒に連れていくことになった。

変わりゆく関係

北海道旅行を通じて、登場人物の関係性も明らかになる。普段から仲の良い恵と陣内は実は付き合っていないことが判明。一方、源と六花の関係については、複雑な展開があった。晃子が子どもを産んだことをきっかけに、六花にも子どもを産む幸せを味わせたいという思いから、見ず知らずの犬との子供を産むことが提案される。しかし、六花を好きな源は「おまえさんが決めればいい」とつっぱねる。この状況を見たマメタロウは、源の態度に対して「ずるいと思う」と率直に伝える。マメタロウの言葉がきっかけとなり、源は自分の本当の気持ちに向き合う。そして、源は六花に「オレにはおまえさんが必要なんだよ」と心情を打ち明ける。六花はこの言葉に深く感動し、源のそばにいることを決意する。この出来事を通じて、源と六花の絆はさらに深まり、互いの気持ちを確認し合うことができた。

マメタロウの成長

北海道旅行から帰ってきたある日、マメタロウは突然郁子や秋吉の言葉が理解できなくなる。このまま意思疎通ができなくなるのではないかと不安に陥るマメタロウ。翌日、なぜかマメタロウは再び人間の言葉を理解できるようになる。この経験を通じて、マメタロウは日々の当たり前の日常のありがたさを実感する。「毎日いい日であるが、もっといい日になるかもしれない」とマメタロウは考え、幸せな日常を噛みしめるのだった。

『まっすぐにいこう。』の登場人物・キャラクター

主要人物

若月郁子(わかつき いくこ)

CV:折笠富美子
本作の主人公の一人で、マメタロウの飼い主。高校生で、身長153cm、体重43kg。心優しく、争いごとを好まないが、芯の強い性格を持つ。高校では秋吉純一に片想いをしていたが、マメタロウのおかげで話しかけることができ、後に恋人同士となる。父親譲りの硬い髪質をコンプレックスに感じているが、それを受け入れながら生活している。お菓子作りが得意で、秋吉やマメタロウに手作りのチーズケーキをプレゼントすることがある。秋吉の家庭の事情を知った際には、自分の無知や無神経さに悔いて泣くこともあった。マメタロウとの絆は深く、彼に対する愛情は彼女の生活の大きな部分を占めている。

マメタロウ

CV:吉野裕行
郁子に飼われている雑種犬で、オレンジがかった茶色の毛並みを持つ中型犬。年齢は4歳(アニメでは3歳7か月)、体重10kg。非常に清潔好きで、毎日の入浴を楽しんでいる。飼い主の郁子を深く愛し、彼女の恋人である秋吉にライバル心を抱いているが、その一方で二人の仲を取り持つ役割も果たす。自身が雑種であることにコンプレックスを抱いているが、素直でまっすぐな性格が、周囲の人々や犬たちに好影響を与えている。秋吉に怒りをぶつける時には砂をかけることが多い。

秋吉純一(あきよし じゅんいち)

CV:野島健児
郁子の恋人で、彼女と同じ高校の同級生。身長172cmで、端整な顔立ちと色素の薄い髪が特徴。テニス部に所属しており、クラスの中でも人気が高いが、郁子を一途に想っている。秋吉は養子として育てられた過去があり、2歳まで乳児院で過ごした経験を持つ。そのため、実の両親のことを知らないが、養子縁組した両親に深い愛情を抱いている。試験範囲を丸暗記できるほどの学力を持ち、成績は常に上位。お菓子作りが得意な郁子の作ったケーキが好物で、郁子との関係を大切にしている。英検3級。口癖は「うはよ」(おはようの略)。

郁子や秋吉の友達

伊集院たけし(いじゅういん たけし)

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