黒薔薇アリス（漫画）のネタバレ解説・考察まとめ
『黒薔薇アリス』とは、2008年より『月刊プリンセス』で連載を開始した水城せとなによるゴシック系少女漫画。
1900年初頭のウィーン。人気のテノール歌手だったディミトリは、事故で命を落としたことをきっかけに、「吸血樹」と呼ばれるヴァンパイアになってしまう。そして、仲間のレオ・櫂・玲二の3人とともに、現代の日本で高校教師をしていた菊川梓に繁殖の協力を求めるというストーリー。魅力あふれる男性キャラクターとアンティーク・ゴシック調の描写で多くの女性から人気を集めている作品。
和泉小路 彰子 （いずみこうじ あきこ）
和泉小路伯爵の一人娘。父を頼って日本に渡ったディミトリとマクシミリアンに関心をもつようになる。初めは異国人として興味を示していたが、ディミトリの美しさだけでなく教養深さや思慮深さにやがて恋をするようになる。おっとりした性格だが、素直な人物で、吸血樹や遣い魔の存在もたやすく受け入れてしまう柔軟な心の持ち主。
マクシミリアンと繁殖し、亡くなった。
中西 灯（なかにし あかり）
北海道に住む女性。義父から暴行を受けていたところをディミトリに救われた。貧しく苦しい境遇に嫌気がさし、ディミトリに外へ連れ去ってほしいと懇願するが、ディミトリはそれを止め「大人の女性になったら再会しよう」と約束した。その後20年間、いつかディミトリと再会できることを信じ、明るく懸命に生きていた。
ローレンツ侯爵夫人
ディミトリのパトロンの1人。ディミトリとは肉体関係がある。ディミトリが19歳の時、代役で主演した「ファウスト」を観劇して以来、彼の才能に惹かれ支援を続けている。
『黒薔薇アリス』の用語
吸血樹関連の用語
吸血樹（きゅうけつき）／ヴァンパイア
人間の死体に寄生し、人の血や死肉を養分として生きる生き物。いわゆる吸血鬼とは異なり、陽の光のもとで生活したり、十字架を恐れることはない。ただ、やはり日中活発に活動することは苦手で、昼夜逆転の生活を送ることが多い。蜘蛛や蜻蛉など、虫の姿をした使い魔が養分を運んだり、人間を思いのままに操ったり様々な能力をもつ。吸血樹となると、首の後ろに痣のような黒い薔薇と蔓を象った痣のような印が浮かび上がる。この痣が首を一周すると寿命を迎えるため、その前に繁殖をし次の世代に種を残す必要がある。
遣い魔（つかいま）
吸血樹の体内に住む、蜘蛛や蟻など虫の姿をしたもの。大抵の望みを叶えることができ、傷の修復や、語学の習得も簡単に行うことができる。吸血樹の口から出入りしており、吸血樹が寝ている間に、血などの養分を求め外に出てくる。
繁殖
吸血樹が子孫を残すために、女性と性行為を行うこと。行為後、吸血樹は死に、相手の女性は吸血樹の種を宿し1ヶ月間吸血樹となる。樹液と呼ばれる仲間の吸血樹の血や体液を養分とし身体の中で種を育て、1ヶ月後に樹木のような姿となりその木々から蝶が飛び立つ。繁殖力の高いその蝶は、次なる宿主を探す。ちなみに宿主になるのは、亡くなった男性で、生前強く生命力のあるものが好まれ、自殺した人物は選ばれない。
年輪
吸血樹たちの首にでている痣。吸血樹となった瞬間首の後ろに出現し、徐々に首周りに広がっていく。そして、痣が首を一周すると寿命となり年輪から首が折れ死を迎える。
静寂館（しじまかん）
吸血樹の目印・支援となる場として、ディミトリが作ったカフェ。お店の入口に、年輪と同じデザインの看板が掛かっており、それを目印に、吸血樹たちがお店にやってくる。
アリスが目覚めた当初は、古臭いカフェの様相だったが、アリスによってウィーン風のカフェにリフォームした。
『黒薔薇アリス』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
アニエスカ・フォン・ローゼンフェルト 「…あなたは天使？」
初めてディミトリの歌っている姿をみたアニエスカは、 「…あなたは天使？」と呟く。その美しい見た目と声に惹かれ思わず出てしまった言葉である。流浪の民である自身の身分に負い目を感じていたディミトリはアニエスカのこのセリフに心を奪われ、惹かれるようになる。
菊川梓「何でもするから早く光哉を助けて！！」
「何でもするから早く光哉を助けて！！」とは、事故にあった梓に、ディミトリが契約を持ちかけるシーンで梓がディミトリに迫ったセリフ。光哉が瀕死の状態であるとわかり、なんとしても助けたいと思った梓は、ディミトリから自身の命を委ねてほしいと依頼される。光哉を助けたい一心で、どのように命を扱われるかわからないまま、了承し、ディミトリに放った一言である。
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目次 - Contents
- 『黒薔薇アリス』の概要
- 『黒薔薇アリス』のあらすじ・ストーリー
- 物語の始まり ウィーン編
- 高校教師と生徒の恋 菊川梓編
- 菊川梓の目覚めとヴァンパイアとの繁殖
- レオの死と生島光哉の来店
- 櫂・玲二の過去とアリスの決断
- 第2部 黒薔薇アリス D.C.al fine
- 『黒薔薇アリス』の登場人物・キャラクター
- 吸血樹たち
- ディミトリ・レヴァンドフスキ
- マクシミリアン
- レオ／楠瀬太一郎（くすのせ たいちろう）
- 櫂（かい）
- 玲二（れいじ）
- ブラッドレイ
- テオドール
- エドヴァルド
- クラレンス
- 吸血樹の周辺人物
- アリス
- アニエスカ・フォン・ローゼンフェルト
- 菊川 梓（きくかわ あずさ）
- チェシャ
- マイアー侯爵
- 生島 光哉（いくしま こうや）
- 鳴沢 瞳子（なるさわ とうこ）
- あかね
- 山本 黎司（やまもと れいじ）
- ありさ
- ディミトリの周辺人物
- 和泉小路伯爵（いずみこうじはくしゃく）
- 和泉小路 彰子 （いずみこうじ あきこ）
- 中西 灯（なかにし あかり）
- ローレンツ侯爵夫人
- 『黒薔薇アリス』の用語
- 吸血樹関連の用語
- 吸血樹（きゅうけつき）／ヴァンパイア
- 遣い魔（つかいま）
- 繁殖
- 年輪
- 静寂館（しじまかん）
- 『黒薔薇アリス』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
- アニエスカ・フォン・ローゼンフェルト 「…あなたは天使？」
- 菊川梓「何でもするから早く光哉を助けて！！」
- アリス「理性の羅針盤を狂わせる人を選んだの！！」
- 『黒薔薇アリス』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- 作品の舞台は渋谷
- 作者の長年の夢であったヒロイン像
- 2017年に舞台化され六本木で上演