恋を知らない僕たちは(漫画・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『恋を知らない僕たちは』とは、水野美波による少女漫画およびそれを原作とした映画作品である。2017年~2021年まで『別冊マーガレット』にて連載された。2024年8月に実写映画化となり、主演をアイドルグループ「なにわ男子」の大西流星が務めている。本作は幼馴染である相原英二(あいはらえいじ)、別所直彦(べっしょなおひこ)、汐崎泉(しおさきいずみ)の三角関係を中心に、総勢6名の関係が複雑に絡み合った青春ラブストーリーであり、それぞれの葛藤や成長が見どころとなっている。

『恋を知らない僕たちは』の概要

『恋を知らない僕たちは』とは、水野美波による少女漫画およびそれを原作とした映画作品である。『別冊マーガレット』2017年2月増刊号、『別冊マーガレットsister』冬フェスvol.2で掲載後、2017年7月号~2021年6月号まで『別冊マーガレット』にて連載された。
本作は幼馴染である相原英二(あいはらえいじ)、別所直彦(べっしょなおひこ)、汐崎泉(しおさきいずみ)の三角関係を中心に、池澤瑞穂(いけざわみずほ)、藤村小春(ふじむらこはる)、瀬波太一(せなみたいち)の3名を加えた、総勢6名の関係が複雑に絡み合った青春ラブストーリー。それぞれが葛藤する心情や成長、魅力的な登場人物たちが見どころとなっている。
2024年8月に実写映画化となり、監督を酒井麻衣、脚本を大北はるか、音楽をフジモトヨシタカが担当している。主人公の英二役をアイドルグループ「なにわ男子」の大西流星が務める他、直彦役を窪塚愛流、泉役を莉子、瑞穂役を志田彩良、小春役を斎藤なぎさ、太一役を猪狩蒼弥が演じ、話題の若手たちが集結した作品となっている。

『恋を知らない僕たちは』のあらすじ・ストーリー

英二と直彦の中学時代

直彦と泉が結ばれて傷ついた英二

相原英二(あいはらえいじ)と別所直彦(べっしょなおひこ)は同じ中学に通う同級生。英二は可愛い先輩を見つけるとすぐ好きになるが諦めも早いため、恋愛をしたことがない直彦は不思議に思っていた。

ある日、他のクラスに転校生がやってくる。英二は直彦を誘って転校生を見に行くが、なんとそれは英二が小学生の時に仲良くしていた汐崎泉(しおさきいずみ)だった。

英二を中心に3人は一緒に帰るようになり、途中から直彦と泉の2人で帰る日々を過ごすこととなる。最初はぎくしゃくしていた2人も次第に打ち解けていき、直彦は泉に特別な思いを抱くようになっていく。しかし泉は英二の話題ばかりで、直彦は泉は英二のことが好きなのではないかと考える。
いつもと同じ帰り道、直彦は泉と2人きりになったタイミングで告白し、2人は付き合い始める。そんな2人に対し笑顔で祝福する英二だったが、実際は複雑な表情を浮かべていた。そして泉は中学卒業と同時にまた引っ越すこととなり、直彦と遠距離恋愛をすることになる。

高校での新たな恋愛事情

英二と直彦は同じ高校に入学する。英二は中学の時のような先輩ウォッチングを止め、どこか物足りない日々を過ごしていた。

英二はクラスメイトの池澤瑞穂(いけざわみずほ)と一緒に図書委員を担当するようになり、真面目な瑞穂によく怒られていた。瑞穂のことが苦手だと感じながら図書委員の当番に向かった英二は、別クラスの瀬波太一(せなみたいち)も当番で来ていることに気づく。太一は英二との話の中で瑞穂に惹かれていることをカミングアウトする。

翌日、英二が図書室を訪れると瑞穂が段ボール箱の整理をしていた。すると棚の上にあった箱がバランスを崩して落下し、瑞穂を庇った英二は手を負傷してしまう。瑞穂は英二に助けてもらったお詫びとして、傘を忘れた英二が濡れてしまわないよう駅まで送ることを提案する。太一の気持ちを考えた英二は一旦断るが、瑞穂が律儀に感謝を伝えてくる様子を見て受け入れることに。しかしこの2人の姿を太一が目撃してしまう。

翌朝、英二は瑞穂と帰ったことを太一から詰め寄られるが、自分たちの考えを伝えあい和解する。英二はこの一件でずっと隠してきた泉が好きという気持ちを思い出し、「もう誰も好きにならない」と自分の気持ちに蓋をするのだった。

一方、直彦は藤村小春(ふじむらこはる)と遭遇する。小春はタカヒロという彼氏がおり、いつも大量の食料や飲み物を貢いでいた。その付き合い方は歪なものであったが、小春はそれを受け入れ、先輩に全て合わせて尽くしてあげることで自分の価値を見出していた。
その後も直彦と小春は何かと接点が多く、小春は直彦の一途な性格に羨ましいと感じるようになっていく。小春が先輩に振られる事態になると直彦は優しく慰め、小春はそんな直彦に特別な感情を抱くようになった。

複雑に交錯し始める6人の恋

軽音楽部の太一はライブに瑞穂を誘いたいと話し、英二が代わりに誘うことになるが瑞穂にばっさりと断られてしまう。しかし英二は何度も瑞穂を誘い、瑞穂は英二のことが気になり始める。
その後、太一の気持ちが瑞穂にバレてしまい、英二がなぜ自分をしつこく誘ったのか知った瑞穂はライブに行くことを再度断る。しかし英二は直彦の協力も得て、瑞穂にライブ会場まで来てもらうことに成功する。そして太一と瑞穂はまず友人関係から始めることとなった。

太一と瑞穂の件が一段落した後、今度は小春が夏祭りで直彦にアプローチしようとしていることを知った英二。英二は小春に直彦と泉の邪魔をしないよう伝えるが、小春は英二の話を聞き入れようとしない。そんな小春を止めるため、英二は咄嗟に自分と付き合うよう提案する。小春は直彦と更に近づくために英二の告白を受け入れ、2人はカップルとなるのだった。
その後英二は、小春が自分をダシにして直彦に近づこうとしていることに気づく。小春になぜ付き合うことを承諾したのか理解したと話す英二に、小春も開き直って自分の気持ちを話す。しかし英二は直彦が自分の彼女に手を出すような男ではないと話し、偽のカップルを継続することを提案する。小春も直彦が心変わりするかもしれないと話し、カップル継続を断ることはしなかった。そして小春は英二が泉を好きであることに気づき、泉のために自分と付き合うことを提案したという結論に結び付けていた。

英二の本心

2学期に入ると泉が転校生としてやってきて、英二と小春は動揺する。

その後学園祭が始まると、英二は小春の行動を全て把握しようとして頭を悩ませていた。
そんな英二の前に、英二のことを気に入っている大井(おおい)先輩が現れる。彼女のことが見たいと言われた英二は、仕方なく1年1組へ向かう。しかし、そこにいたのは泉だけだった。泉は英二が来たことに気づくと咄嗟に身を隠し、盗み聞きをしてしまう。先輩は英二が年上好きだと思っていたのだが、英二はタメの方が好きだと話し、振られたと感じた先輩は怒ってクラスを去っていく。英二が1人になると泉は顔を出し、先輩から迫られていた英二に厳しく注意する。英二がどこから聞いていたのか確認すると、泉は聞こえていないと言って逃げるが、足を滑らせて転んでしまう。泉に引っ張られた英二は、泉の上に覆いかぶさる形で転んでしまい、顔が近づくと無意識にキスするのだった。

それを目撃したのは小春だった。英二はすぐに小春を連れてその場を離れる。小春は付き合うフリを辞めようと提案するが、英二はそれを受け入れようとしないため、お互いが好きな人と結ばれるために一緒に頑張ろうと諭す小春。しかし英二は泉と直彦の仲が壊れることを恐れ、直彦に謝罪しに行くと言い、それを聞いた小春は英二の頬を叩いて気持ちをぶつけるのだった。

その頃泉は直彦の元へと向かい、今起こった事実を正直に話そうとしていた。そこへ英二が駆けつけ、自分からキスしたことを告白する。それを聞いた直彦は英二に一発頭突きをする。
1人残された英二を見つけたのは瑞穂だった。瑞穂は英二を保健室へと連れていく。英二は直彦と小春を怒らせたことを瑞穂に話し、瑞穂は英二の周りで起こっていることに悩み始める。

変化し始める6人の関係性

小春は直彦の元に向かい、これからについて相談しようとする。しかし「何も変わらないかな」と答える直彦。自分の言いたいことは全て伝えたと話す直彦に、小春は自分のことを見てくれることはないと悟る。
一方、泉が直彦の彼女であることを知った瑞穂は、英二について泉から強引に聞き出そうとしていた。その様子を見ていた太一は、瑞穂が英二に特別な感情を抱いていることを知り、応援しようと決意する。

その後、太一は小春と英二が付き合うフリをしていることを知ってしまい、小春から本当は直彦が好きであることや英二に邪魔者扱いされていたことを聞く。
太一に全て知られてしまったと連絡を受けた英二は、図書委員の仕事で太一と遭遇。太一は小春との関係や瑞穂について話し始め、英二は瑞穂が自分に好意を抱いていることを知る。

学園祭が終わると、小春からの提案で英二は付き合うフリを辞めることとなる。そして小春も直彦を諦めると話す。
一方、泉と直彦も話し合うために公園に出かけ、泉は直彦のことしか好きではないことを伝える。そして小学校時代の英二との関係や、直彦に出会ってからの自分の気持ちを素直に話し、2人はこれからも付き合っていくことを再確認する。
小春も英二と別れたあとに元カレのタカヒロとよりを戻すが、女友達の多いタカヒロに我慢する自分に頭が痛くなってしまう。しかし小春は自分にはタカヒロしかいないんだと言い聞かせていた。

自分と向き合う瑞穂

瑞穂は小春と英二が別れたことを聞き、嬉しいと感じてしまう自分に困惑していたが、意を決して小春に真実を聞こうとする。小春は瑞穂が英二のことを好きであることに気づき、付き合っていたフリをしていただけで元々好き同士ではないことを伝える。事実を知って複雑な気持ちになった瑞穂に気づいた太一は、瑞穂は自分の気持ちにしっかり向き合ようにアドバイスする。それを聞いた瑞穂はやっと腑に落ち、英二のことを好きだと認める。

その後、瑞穂は英二に小春から付き合っているフリをしていたことを聞いたと話し、英二のことが理解できないと感じながらも、それでも好きであると告白する。それを聞いた英二は、太一について問いかけるが、瑞穂は太一に対して失礼なことをしているのも分かっていると話す。そんな瑞穂に、英二は直彦と泉を傷つけてしまったこと、3人の関係性を自分が壊したことを話し始める。不安定な英二を瑞穂は抱きしめ、泉に対する気持ちを再確認すると、英二は「ごめん」と謝るのだった。しかし瑞穂は誠意があれば気持ちは受け取ってもらえると話し、英二にも頑張るようアドバイスする。

前に進み始める英二と小春

以前のようにタカヒロと付き合えず落ち込んでいた小春は、元気をもらうために直彦が所属する陸上部を見に来ていた。そこへ英二が現れ、まだ直彦のことを諦められていないのではと指摘し、お互い好きな人に告白しようと提案する。
直彦への気持ちを振り切ってタカヒロの元に向かった小春だが、やはり直彦への気持ちを上回ることはなく、タカヒロとの別れを決意する。

翌朝、小春は英二に泣きながらタカヒロと別れたことなどを伝える。その後、英二も直彦とお互いの思いをぶつけ合う。そして英二は直彦から泉に告白する許可をもらうが、直彦は泉にキスをしたことへの仕返しとして英二にキスをし、最後にキスをした相手が自分であるという呪いをかけるのだった。

一方、泉は小春・瑞穂から謝罪を受けていた。瑞穂も小春も自分の好きな人について正直に話し、泉は2人の気持ちを受け止めつつ、自分の鈍感さについて謝り、3人は和解する。

その後、直彦から英二が待っていると伝えられた泉は英二の元へ、直彦は少し強引に小春と玄関まで向かう。小春は直彦に告白し、直彦への恋を終わらせる。英二はよく遊びに来ていた海で泉に告白し、英二も泉への恋を終わらせるのだった。

英二の新たな気持ち

翌日、英二と小春はお互いの状況を報告し合っていた。すると、そこへ杉(すぎ)という小春のクラスメイトが現れる。彼はタカヒロと別れた小春に執着している人物だった。英二が元カレであることが杉にバレてしまうと、英二は一方的に敵対視されるようになる。

小春は杉からのアプローチに嫌気が差し、泉や太一の協力で杉から逃げ回る日々を過ごすようになる。そんな小春に対し英二はフォローしようとするが、「頼りがいがない」と言われてしまい、巻き込まれたことにイラ立っていた。

ある日、英二は鼻血を出して保健室へと向かう。ベッドで横になろうとすると、隣に小春がいた。小春がその場から立ち去ろうとすると、具合の悪くなった杉が保健室を訪れる。小春は英二の方へ逃げ込み、英二は仕方なく自分のベッドに小春を隠したすことに。そして英二は弱っている小春を見て無意識に頭をポンポンと撫でてしまう。そんな英二に驚いた小春だったが、2人の顔は近づいていきキスをするのだった。

小春が無言でその場を立ち去ると英二は1人我に返って焦り、小春のことを好きなのかと考える。その後、球技大会が始まると、小春は泉が試合の間だけ音楽室に身を隠していたが、そこに杉が現れてしまう。小春は杉にキスされそうになるが、英二が間一髪で間に合い、キスを阻止することに成功する。

2人きりになると、英二はキスしてしまった理由について「藤村がかわいく見えたから!!」と勢いで言ってしまう。小春はその言葉に嬉しくなるが、瑞穂のことを思い、自分は英二のことを好きになってはいけないと考えていた。

瑞穂・小春・英二の三角関係

自分の気持ちに焦りを感じた小春は、瑞穂に応援したいことや邪魔者になりたくないこと訴える。瑞穂は自分のことは気にしなくていいと話し、小春の英二への気持ちを後押ししようとするが、小春はそれを受け入れようとしなかった。

その後、小春からキスについて聞いていた瑞穂は英二に小春とキスしたことについて問い詰める。英二は自分から小春に対する気持ちを打ち明け、それを聞いた瑞穂は英二と小春がうまくいってほしいと話して、英二の背中を押す。
そんな瑞穂に太一は「頑張ったな」と伝え、たくさん泣いていいと両手を広げて慰める。瑞穂はキレイに終わらせたかったと拒否しようとするも堪えきれなくなり、太一の胸を借りて初めての失恋に泣くのだった。

英二と小春の恋

英二は小春と仲良くなろうと考え、お好み焼き屋に連れていく。小春は「今度はカフェに行こう」と自然と提案してしまうが、慌てて訂正。そして、「ごめん!」と言って涙ながらに店を出て行ってしまう。英二はすぐに追いかけ、小春に告白するが、小春は「相原くんと付き合うなんていや」と拒否してしまう。

翌日、瑞穂に背中を押された小春は英二と話すことを決意する。自信がないことや自分がめんどうくさい女であることを素直に話す小春。しかし英二は小春のことを全て受け入れると話し、小春は告白してもらって嬉しかったことを伝える。そして2人はいつの間にか両思いになっていたことを喜び合うのだった。

無事付き合い始めた2人だが、英二は小春の態度に違和感を覚える。小春は英二に何でも奢ろうとしたり、他の女性と話していても傍観しているだけなのだ。英二は小春の様子から先輩と付き合っていた頃の癖が抜けていないことに気づく。小春は泣きながら自分の行動を謝罪し、英二は無理や我慢はしなくていいことを伝えた。

urio2n7
urio2n7
@urio2n7

目次 - Contents