恋を知らない僕たちは(漫画・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『恋を知らない僕たちは』とは、水野美波による少女漫画およびそれを原作とした映画作品である。2017年~2021年まで『別冊マーガレット』にて連載された。2024年8月に実写映画化となり、主演をアイドルグループ「なにわ男子」の大西流星が務めている。本作は幼馴染である相原英二(あいはらえいじ)、別所直彦(べっしょなおひこ)、汐崎泉(しおさきいずみ)の三角関係を中心に、総勢6名の関係が複雑に絡み合った青春ラブストーリーであり、それぞれの葛藤や成長が見どころとなっている。

全員の思いが届いた日

クリスマス・イブのライブ出演が決まっていた太一は瑞穂を誘うが、先約があると断られてしまう。瑞穂は同じ図書委員の長門(ながと)先輩に告白され断ったのだが、「24日だけでも」と言われて出かける約束をしてしまったのだ。しかし瑞穂は小春のアドバイスで先輩との外出とライブを掛け持ちすることにする。

ライブ当日、太一はステージで瑞穂にもう一度告白する。瑞穂は太一の気持ちを受け入れ、太一の思いはやっと成就したのだった。その瞬間を目の当たりにした英二は無性に小春に会いたくなり、小春のバイト先へと急ぐ。英二は小春に会うとクリスマスプレゼントを渡す。中には指輪が入っており、「いきなり指輪は重かった?」と話す英二に小春は嬉しくて号泣するのだった。

そんな小春の横で、英二はこれまでのことを振り返り、恋をしてよかったと考える。そして「幸せだよ、僕たちは」と自分たちの気持ちを締めくくった。

『恋を知らない僕たちは』の登場人物・キャラクター

相原英二(あいはらえいじ)/演:大西流星(おおにしりゅうせい)

本作の主人公。小学生の頃から泉のことが好きだったが、中学で直彦と泉が結ばれたことでその気持ちに蓋をし、どんどん拗れた感情が生まれていく。元は明るい性格で、衝動的に行動してしまう面があるため、本人のしたことに周りが驚くことも多い。
中学までは背が低く可愛らしい印象で、大好きな先輩を観察する「先輩ウォッチング」を楽しむ中学生活を送っていたが、これは泉のことを忘れるために他の人を好きになろうとしていただけで、一切告白などはしようとしなかった。高校ではそういった行動は無くなるが、物足りないと感じる日々を過ごしていた。
小春に対しては邪魔な人物、面倒くさい、お互い嫌い合っているなどと考えていたが、昔の自分と重ね合わせて徐々に惹かれていたことが判明する。
幼少期から読書家であり、高校では図書委員を担当している。1年5組に所属し、直彦・瑞穂がクラスメイトである。

別所直彦(べっしょなおひこ)/演:窪塚愛流(くぼづかあいる)

実年齢よりも高い精神年齢の持ち主で、いつも冷静に周りのことを見ている。優しさや包容力は作中一の人物だ。
中学から英二と同級生になり、転校してきた泉とは英二を介して親しくなる。泉に対して好意を寄せるようになると、英二には何も相談せずに泉に告白し、無事付き合うこととなる。しかし泉がまた転校することになり、高校からは遠距離恋愛を成功させるためにバイトをしてお金を貯めるようになる。
陸上部に所属しており、走ることが好き。中学時代にかけていた眼鏡は部活動のためにコンタクトへと変えている。英二・瑞穂と同じ1年5組。

汐崎泉(しおさきいずみ)/演:莉子(りこ)

英二の幼馴染で直彦の彼女。英二の小学校に転校してきて親しくなるが、英二に何も知らせずに別の小学校へと転校してしまう。その後、英二・直彦のいる中学に転校してきて3人で過ごすことが増え、直彦と付き合うこととなる。中学卒業時にまた転校し、直彦とは遠距離恋愛になるが、高校1年生の途中から英二・直彦と同じ学校に再度転校してくる。
素直で真っすぐな性格であるが、鈍感な面もあり相手の気持ちに気づけず傷つけてしまうこともある。英二に対しては本当に仲の良い友達だと思っており、そこに恋愛感情はない。
小春・太一と同じ1年1組である。

池澤瑞穂(いけざわみずほ)/演:志田彩良(しださら)

英二・直彦と同じ1年5組で、英二と共に図書委員を務めている。大人っぽく、周囲に的確なアドバイスを行うことができる姉御肌な性格であるが、自身の恋愛に関しては経験値が乏しく、周りを見れなくなるほど余裕がなくなる。そのため、猪突猛進な面も持ち合わせている。英二が太一のために走っている姿(背中)が輝いて見えたことをきっかけに惹かれていく。英二に振られてからは英二・小春の恋を応援するようになり、2人の背中を押す行動が増える。太一に対しては自分を支えてくれた優しい人だと感じ始め、徐々に親しくなっていく。

藤村小春(ふじむらこはる)/演:斎藤なぎさ(さいとうなぎさ)

泉・太一と同じ1年1組で、高校入学後、先輩のタカヒロと付き合い始める。タカヒロに貢いだり全て合わせて付き合うことに一生懸命になっていたが、直彦の真っすぐな恋愛観に触れ、バイト先も同じということもあり、次第に惹かれていく。
タカヒロと別れたあとは直彦にアプローチを開始するが、英二に邪魔者扱いされるようになる。英二からの「付き合おう」という提案は直彦の近くにいるために受け入れており、英二をダシにして遊びに誘うこともあった。泉に対しては直彦に近づくために「友達になろう」と声をかけていたが、直彦への気持ちを打ち明けて和解してからは本当の友達として仲良く過ごすようになる。
同じ境遇であったり、最初から素を見せていた英二にはお互い嫌い合っているという認識だったが、知らない内に惹かれていく。

瀬波太一(せなみたいち)/演:猪狩蒼弥(いがりそうや)

小春・泉と同じ1年1組で、軽音楽部に所属し、英二・瑞穂と同じ図書委員を務めている。委員会の活動の中で瑞穂に好意を寄せるようになり、英二と瑞穂の仲に嫉妬することもあった。とても優しく気を遣う性格であるため、瑞穂や英二の恋愛事情を知ってどうしたらいいのかと1人悩む。しかし基本は瑞穂の味方であるため、瑞穂の恋愛が上手くいくように背中を押したり、「頑張ったな」と声をかけることが多い。
瑞穂には早い段階で気持ちがバレており、まずは友達になることから始まる。クリスマスで開催したライブで再度瑞穂に告白し、やっと気持ちが伝わっている。

野島(のじま)

太一と一緒にバンドを組んでいるクラスメイトで、通称「のじ」。太一が瑞穂や英二との関係に悩んでいる時に助け船を出すこともある。瑞穂に「太一との関係をはっきりさせてほしい」と勝手に忠告してしまい、太一に注意されることもあったが、全ては太一を思っての行動である。とても明るく楽観的な性格であるため、自分がしたことを悪びれることはあまりない。

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