WILD ADAPTER(ワイルドアダプター)のネタバレ解説・考察まとめ
『WILD ADAPTER(ワイルドアダプター)』とは、峰倉かずやが2000年より連載している漫画作品。裏社会と繋がりを持つ青年・久保田誠人と獣の右手を持った記憶喪失の青年・時任稔が、謎の薬物「W.A(ダブリュー・エー)」をめぐる事件に関わりながら絆を深めていく姿を描いた、ハードボイルド・アクション漫画だ。峰倉かずやの圧倒的な画力で描かれるダークな世界観と退廃的な雰囲気、久保田と時任の言葉では言い表せない関係性が魅力となっている。
中華鍋(ちゅうかなべ)
東湖畔で使われる隠語。銃のことを指す。
具材(ぐざい)
東湖畔で使われる隠語。銃弾のことを指す。
『WILD ADAPTER』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
時任稔「俺が要るって言え。」
『WILD ADAPTER』5巻に登場した時任稔のセリフ。
時任を失いたくないのに、手の伸ばし方がわからず、また自分から手を伸ばす勇気もなかった久保田。そんな久保田に、彼と一緒にいることを決意した時任が手を差し伸べる。その際に言ったのが「俺が要るって言え。」というセリフだ。久保田の恐怖とためらいを打ち砕く、真っ直ぐな時任らしい名言だった。
久保田誠人「お前よりも?…あったっけ そんなもの」
『WILD ADAPTER』6巻に登場した久保田誠人のセリフ。
出雲会年少組に捕まり、タンカーに乗せられていた時任は、久保田に救出された。時任は、自分が拐われたせいで久保田の時計を壊してしまったことを詫びる。その時計はきっと、久保田にとって大切な物だったはずだ。しかし当の久保田は、全く気にしていない様子。大事な物だったんじゃないのかと問う時任に久保田は、「お前よりも?…あったっけ そんなもの」と口にした。久保田がどれだけ時任を特別に思っているのかがわかる一言だ。
木場治「本当の化け物は 深い暗闇の底でだけ息をしている」
『WILD ADAPTER』6巻に登場した木場治のセリフ。
時任を救出するためタンカーに乗り込んできた久保田が、出雲会年少組のメンバーを次々と殺害している。それを知った木場は、久保田と自分たちの違いを痛感していた。木場はヤクザだ。一般人とは違う暗い世界で生きている。しかし木場たちは所詮、日の当たる場所と隣合わせで生きている「日陰者」だ。一方、久保田は「日陰者」などという生易しい存在ではない。「本当の化け物は 深い暗闇の底でだけ息をしている」。木場にとって久保田は、正真正銘の化け物だった。
久保田誠人「なんにだってなれるよ 世間が勝手にどうカテゴライズしようと 俺達はこの世で俺とお前だけの『お前と俺』でいい」
『WILD ADAPTER』7巻に登場した久保田誠人のセリフ。
佐藤義壱と出会ったことで、他人から見た自分と久保田の関係を意識するようになった時任。自分と久保田はどういう関係なのかという時任の疑問に対する答えが、「なんにだってなれるよ 世間が勝手にどうカテゴライズしようと 俺達はこの世で俺とお前だけの『お前と俺』でいい」というセリフだった。久保田が、世間一般の関係性には当てはまらない、2人だけの絆を大切にしていることがわかる名言だ。
『WILD ADAPTER』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
『WILD ADAPTER』単行本の表紙に必ず描かれている「遮るもの」
『WILD ADAPTER』のコミックスのカバーイラストには、必ず「遮るもの」が描かれている。これは徳間書店から発行された旧コミックスと、一迅社から発行された新装版のどちらにも共通している、峰倉かずやのこだわりだ。1巻には金網、2巻には有刺鉄線、3巻には格子、4巻にはバリケードテープ、5巻にはガラス、6巻にはブラインドが描かれている。一迅社より初めて発行された7巻には、雪が描かれた。
『WILD ADAPTER』のセリフパロディ作品『私立荒磯高等学校生徒会執行部』
Related Articles関連記事
最遊記シリーズ(アニメ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『最遊記』とは、峰倉かずやによる漫画、及びそれを原作としたアニメ作品である。 最遊記はSTUDIOバックギャモン発行の同人誌から始まり、エニックスで1997年より連載が開始された。漫画、アニメ、映画、歌劇など様々なジャンルで展開されている。 人間と妖怪が共に暮らす桃源郷(とうげんきょう)の平穏を取り戻すため、玄奘三蔵は孫悟空、沙悟浄、猪八戒を連れて西の天竺国(てんじくこく)へ向かう。
Read Article
最遊記シリーズの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『最遊記シリーズ』とは峰倉かずやによるアクション漫画である『最遊記』『最遊記RELOAD』『最遊記RELOAD BLAST』『最遊記外伝』『最遊記異聞』のことを指す。『月刊Gファンタジー』1997年3月号から『最遊記』を連載開始。 物語は桃源郷が舞台。500年前に倒された大妖怪「牛魔王」を蘇生しようと目論む者が現れた影響で桃源郷全体で妖怪が凶暴化してしまう。事態を収めるため天玄奘三蔵法師は、孫悟空、猪八戒、沙悟浄と共に西にある天竺国を目指す。
Read Article
蜂の巣(峰倉かずや)のネタバレ解説・考察まとめ
『蜂の巣』とは『最遊記』の作者である峰倉かずやによるヒューマンドラマ漫画である。2003年発売の『月刊コミックZERO-SUM増刊WORD Vol.2』~2005年発売の同紙『Vol.7』まで掲載された。舞台は大震災を切っ掛けに治安悪化した日本。死体から臓器を抜き売買する「臓器荒らし」が横行する中、それを防ぐために保健所から葬迎員、通称「葬儀屋」と呼ばれる職員が遺体を回収していた。主人公の山崎祐介と相棒の陣内馨の葬儀屋として日常を描いている。独特な死生観で展開されるドラマに胸打たれる作品である。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『WILD ADAPTER』の概要
- 『WILD ADAPTER』のあらすじ・ストーリー
- 出雲会支部年少組組長、久保田誠人
- 家出少女との出逢い
- 危険な宗教団体
- 殺された女と殺した男
- 久保田と時任の出会い
- 拐われた時任
- 時任の過去
- 新章、開幕
- 『WILD ADAPTER』の登場人物・キャラクター
- 主要登場人物
- 久保田誠人(くぼた まこと)
- 時任稔(ときとう みのる)
- 協力者
- 鵠(コウ)
- 葛西蛍一郎(かさい けいいちろう)
- 新木(あらき)
- 滝沢亮司(たきざわ りょうじ)
- 出雲会
- 真田(さなだ)
- 小宮信夫(こみや のぶお)
- 木場治(きば おさむ)
- 神田龍之介(かんだ りゅうのすけ)
- 修司(しゅうじ)
- 東条組
- 関谷純(せきや じゅん)
- 矢崎(やざき)
- 宇崎広重(うざき ひろしげ)
- 佐藤義郎(さとう よしろう)
- ゲストキャラクター
- 大久保沙織(おおくぼ さおり)
- 三ツ橋佳代(みつはし かよ)
- アンナ
- 飯塚翔太(いいづか しょうた)
- 佐藤義壱(さとう ぎいち)
- その他
- 宗方誠治(むなかた せいじ)
- アキラ
- 志村建(しむら けん)
- 長谷部(はせべ)
- 酒井里香子(さかい りかこ)
- 『WILD ADAPTER』の用語
- キーアイテム
- W・A(ダブリュー・エー)
- 組織
- 出雲会(いずもかい)
- 東条組(とうじょうぐみ)
- 邂幸の牙(かいこうのきば)
- 建物
- 東湖畔(とうこはん)
- 隠語
- 中華鍋(ちゅうかなべ)
- 具材(ぐざい)
- 『WILD ADAPTER』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 時任稔「俺が要るって言え。」
- 久保田誠人「お前よりも?…あったっけ そんなもの」
- 木場治「本当の化け物は 深い暗闇の底でだけ息をしている」
- 久保田誠人「なんにだってなれるよ 世間が勝手にどうカテゴライズしようと 俺達はこの世で俺とお前だけの『お前と俺』でいい」
- 『WILD ADAPTER』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『WILD ADAPTER』単行本の表紙に必ず描かれている「遮るもの」
- 『WILD ADAPTER』のセリフパロディ作品『私立荒磯高等学校生徒会執行部』
- 峰倉かずやにとって特に思い入れのあるキャラは木場治
- 『WILD ADAPTER』OVAの主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):森川智之&石川英郎「漂流者」
- ED(エンディング):森川智之&石川英郎「カレイドスコープ」