十次と亞一(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『十次と亞一』とは、2019年9月からコドモペーパーがwebサイト『note』などで公開している漫画。新書館より単行本が出版された。漫画家の小林十次は、ある日売れっ子作家の一川未生こと大江亞一に出会う。彼は十次と同じ下宿に住み始めるが、どこか恨むような目で十次を見ていた。亞一の態度に興味が湧いた十次は、彼の謎を探っていく。下宿「緑館」を中心に、どこか歪んだ2人の運命が絡み合うミステリー。大正期のノスタルジーを醸し出すペン画と、文豪作品を取り入れた独創的な物語が多くの読者を惹きつけている。

緑館の住民。文鳥を飼っている。
亞一にしか見えない千鳥の存在を否定して、彼に頭突きされた。

宮沢(みやざわ)

緑館の住民。時計屋で働いている。亞一から「まあちゃんの時計」を譲り受け、家計が苦しいため質屋に売りに行った。

日にち日報

田貫(たぬき)

日にち日報の社員。文化部の記者で、文芸欄を担当している。十次とは軽口を言い合う仲だ。「連載をくれ」と言う十次を言葉巧みにかわしながら上手に転がしている。一川未生にも詳しく、彼に関して十次と情報交換していた。
子どもが少なくとも3人いる。

亞一の家族

大江万起男(おおえ まきお)

亞一とは母親違いの弟で、幼い頃から彼の面倒を見ていた。大学の農学部に通っている。亞一を当主にして、彼を支えながら実家の農地を発展させたいと考えていた。作家になれば亞一も格好がつくと、文字が書けない亞一の代わりに彼の物語を文字に起こして出版社に持ち込んだ。一川未生という筆名も元々は万起男の提案。当初は一川未醒(一つ川に未だ醒めず)だったが、亞一が醒の字が難しいと言って一川未生(一つ川に未だ生まれず)に決まった。
美しく純粋な亞一を誇りに思っていたが、彼の子どもである千鳥を巡って喧嘩になり、頭突きされた挙句箱に閉じ込められてしまった。その後、箱からは自力で脱出している。亞一のことを調べに実家まで来た十次と知り合い、兄のことを話す。

千鳥(ちどり)

亞一の子ども。亞一にしか見えない鳥の姿で現れる。千鳥という名前は亞一が考えた。

『十次と亞一』の用語

緑館

緑館

十次と亞一が住む下宿。物語の中心舞台である。主に十次の関係でおかみが怒ったり、住民同士で喧嘩が起きたりと騒がしいが、それなりに仲良く共同生活を送っているようだ。

日にち日報

日にち日報

十次が漫画を、亞一が小説を掲載している新聞社。いつも慌ただしい様子だ。

幻想文学

超自然的、神秘的な空想の世界を描いた文学全般のこと。亞一の小説には、壊れた浴槽に住む白い象や、暖かな肉の外套を着た骸骨たちなどが登場する。

rinomino102
rinomino102
@rinomino102

目次 - Contents